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ボラン農場の牛たち

アルモリカの小さな村からアルモリカンArmoricaine牛たちのお話をお届けします。

逃げるオージーくん

ひとりで休んでる時は、いくらでもさわらせてくれたオージーくん。でも、このごろは私が近づくと、スックと立ち上がって逃げるようになりました。そんな年頃なんでしょうね。さびしいけど、これも群れの中で生きていくための学習のうちかな。

ところが、先日、オージーくんの姿が見えないので探すと、どう考えても快適とは思えない場所でうずくまってました。牧草地の真ん中、岩肌が見える窪みの中。そっと近づいて、手が届くところまで行っても、逃げない。頭をなでても、逃げない。

具合でも悪いのかな、と思ってよく見ると、片方の耳が重そうに垂れ下がってます。その耳の耳標を付けた穴の周りに血がこびりついていて、周囲が腫れてます。

急いで、家からヨードチンキと化膿止めのレメディを持って来て、その日はもう遅かったので、それだけで様子を見ることにしました。

翌朝、見に行くと、オージーくんは別の場所でうずくまってました。私が近づくと、今度は逃げたそうな素振りで、立ち上がってしまう前に、昨日と同じレメディを口に押し込みました。

それ以降は、耳を消毒して、レメディを飲ませようとしても、逃げるばかり。まあ、あれだけ元気があるんだから、大丈夫?

ところが、何日経っても腫れは引かず、耳の毛もだんだんはげて来たので、獣医さんに来てもらうことにしました。ちょうど、5月1日に生まれたおさむくんの去勢の時期が来たので、そのついでに。

そして今朝、獣医さん診療所に電話して事情を説明すると、じゃあ、今日中に誰か手の空いた先生に行ってもらいます、という返事でした。

そう言われたら、早めに準備をしておくものです。でも、Jおじさんはいつものペースで、いつも通り。

診療所から電話があって、『R先生、今そちらに向かいましたから、あと15分で着きます。』で、大パニックに。

牛たちは牛舎から一番遠い南端の放牧地にいます。そこから牛舎裏に連れてくるだけでも、10分はかかります。その前に牛舎の準備もあるし・・・。

Au Sud

とにかく、15分でできるだけのことを、と大あわてで牛たちを呼びに行きました。幸い、よそに行ける、と大喜びの牛たちは、子牛たちを連れて駆け足でやって来ました。急いでるわりには歩きが遅いマルキーズだけは、かわいそうに、置いてきぼりにして。

(マルキーズ以外)全員が牛舎裏に入った時、獣医のR先生が到着。牛舎に入れないといけない2頭の子牛のうち、どちらか1頭を先に診てもらおうと、まずいちま - おさむ母子の捕獲に成功しました。

おさむくんの去勢をしてもらっている間に、まず、リラを捕まえて、次にオージーくんを牛舎に放り込もう、と思ったら・・・,

オージーくん、逃げる、逃げる。

背が低いので、電気の通ったワイヤでも、触らずにくぐり抜けてしまいます。すばしっこいので、ロープで捕まえるのもムリ。あんまり機敏に逃げ回るので、

あんたのために先生に来てもらったのに、元気すぎるやないか、

と怒ったり・・・。

結局、リラをおとりにして、先生にも手伝ってもらって、やっとこさ牛舎に収容できました。ほんと、獣医先生が急いでなくて、待っててもらえたから良かったけれど、あれだけ元気だったら診なくても大丈夫、って言われてもしょうがないレベルでした。

R先生によると、オージーくんの耳は耳標の素材のアレルギー。化膿はもう治りかけているので、耳標を外すだけで良いそうです。

やれやれ、耳標を付けた時の傷が化膿したのではなくて、ホッとしました。

今回、オージーくんもおさむくんも、立派な牛になるためにおとなしく繋がれる訓練を始める良い機会になりました。

それにしても、この騒ぎの間、フラッと牛舎に入って来て、黙々と乾草を食べて、またフラ〜ッと出て行ったヌリアちゃん。私、この子好きやわ。
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去勢組の新学期

おだやかな秋晴れの日が続くボラン農場です。

もうこれ以上雨が降らないと草が枯れてしまうよ〜、というところでほんのお湿り程度の雨が降って、どうにか今まで持ちこたえて来たけれど、いよいよ限界です。牛たちが今いる牧草地の草を食べ尽くしてしまったら、しばらく乾草がメニューに。

だいたい、乾草が大収穫の年は、刈った後の草の伸びが悪くて、冬になる前に乾草を与えることに。今からこんなに食べさせて、冬になったらどうしよう、と心配するけれど、草が伸びるタイミングが遅くなるだけ。冬に草を食べる分、乾草の消費は減るものです。

心配してもしょうがないので、今は、雨が降り出す前にしておくべきことが優先。

もう先週のことですが、ボラン農場で、まだ母牛と子牛グループにいた2頭の去勢くんたちが、去勢組に編入しました。ジョンさんち牧場です。

Les bœufs

日差しの強いお昼過ぎで、全員木陰に隠れてます。

よく見えないけれど、全部で9頭。もうそろそろ・・・の年長組が3頭、新入りのニコくんとノノくんを含めた年少組が6頭。みんなよりずっと小さいノノくんも、ニコくんがついてるから、うまく仲間入りできたようです。ノノくんがいなくなっても、ママ泣かなかったしね。(やっぱり、リラはぼぉーっとしてる?)

ジョンさんち牧場で自然児のようにたくましく生きる去勢くんたち。私は、たまにしか会えなくなるので寂しいけれど、彼らにしたらどうなんでしょう。自由気ままに歩き回れる方が幸せ?

もうすぐ3歳で、立派になりつつある年長さん3頭。将来の進路をどうするかが今一番の心配事です。

スーパー子牛

朝晩はもう寒い(肌寒いなんてもんじゃない)けれど、日中はけっこう暑くなるボラン農場です。

Osi + Cloclo 1
左 : クロシェットちゃん、右 : オージーくん

おっぱいが足りているのが確認できないまま、他の牛たちに合流したオージーくんとママ。ぼんやりママは、食べるのに夢中で、オージーくんは、誰もいないところにぽつんと落ちていることがしばしば。ママは、時々、オージーくんの姿が見えなくてパニックに。一度、夜中と朝6時前に警報を出し(家にいても聞こえる大声)、私が北の放牧地まで見に行ったことも。

ママのリラは、大食いのデブなのにおっぱいは貧弱で、オージーくんはいつも腹ペコの様子でした。でも、数日前から、オージーくんは下痢気味で、黄色いものをお尻に付けています。ということは、ミルクの飲み過ぎ? じゃあ、足りてるね、とJおじさん。こんな無責任な態度で牛飼いが成り立ったら、だれも苦労しません。

そこで、おなじみ、子牛の下痢対策レメディです。生まれたばかりの子牛の下痢は放っておけませんから。で、どうするか。

オージーくんが寝てるのを見計らって、そーっと近づいて、ふわっふわっの頭や体をなでて、ちょっと顔を持ち上げて、レメディを横から口に押し込む。そう、それだけ。逃げないんです。

レメディは甘いから、喜んで食べてくれるんでしょ、って? いえ、いえ、それだけじゃなくて、マダニも抜かせてくれるんですよ。

いくらでも触らせてくれる ➡︎ マダニが食いついてるのに気が付く ➡︎ 専用器具で抜く ➡︎ 恐ろしい病気を予防する、という素晴らしいシステム。子牛は全頭こうあってほしいものです。

でも、オージーくんが逃げて行かないのは、寝てる時だけで、立ってる時に捕まえようとしてもダメ。遊びだと思ってるのか、追いかけると、猛スピードで見えなくなるまで走って行きます。他の先輩子牛たちも、あっけらかーん、と見るばかり。どこまで行ったのか心配していると、そのうちどこかでUターンして、また猛スピードで戻って来ます。

オージーくんは、まだまだ寝てる時間が多くて、子牛4人組とは別行動だけど、そのうち4人組の一員になって(5人組か)、もう触らせてくれなくなるんでしょうね。

お仲間にはなっていないけれど、なにかとオージーくんをいじりに来る先輩子牛たち。

Osi + Mimi 1

中でも、4人組の末っ子、みみちゃん、がよく見に来ます。

おっとりオージーくん

あと数日でお産予定日のリラ。土曜日の午後、みんなとは離れたところにいました。最初見た時は、息子のノノくんと。夕方見た時は、ポツンとひとりだけ。それ以外はお産の兆候もなし。

暗くなる前にもう一度、と見に行ったのが9時20分前。リラはさっきと同じ場所で、今度は立ってました。

おしりに水の入った風船をぶら下げて。

ええっ、産むのぉ、と思って見ていると、ささっと寝そべって、いきみ開始。即、子牛の前足が・・・。(前足でよかったよ。)

もうすぐ暗くなるのに、Jおじさんはジョンさんち牧場にトラクターで行ったきり。

そのうちノノくんがママに何が起こったのか見に来ると、若い子たちも物珍しそうに寄って来て、ついに他のママたち全員が押し寄せて来るありさま。もう私一人でリラを守るのは無理。Jおじさんに『リラうむ。すぐかえれ。』のメッセージを送り、母子を牛舎に入れる準備をしに戻りました。

牛たちがいるのは北の端の放牧地で、牛舎からは遠いです。暗くなるので、隣の放牧地経由ではなく谷の上の道から行こうと、誘導のためあちこち紐を張り巡らせて、準備OK。10分〜15分ほどでリラのもとに戻りました。

リラはひとりポツンと立ってました。

見物に来ていた好奇心のかたまり牛たちは、もう遠くへ。それに、生まれたはずの子牛の姿も見えません。

そのうち(かなり待たされたけど)Jおじさんが戻ったので、リラを牛舎裏まで連れて来ました。

さあ、もう産むだろう、と思ってしばらく見ていたら、リラは草を食べるばかりで、産む気配は全くなし。

Jおじさんが、ごはんにしよう、と言うので(牛のお産よりごはんの方が大事か?)、そっとしておくことにしました。お産が始まったのが8時としても、12時までは子牛に危険はないので。

遅い夕飯を食べ終わって(Jおじさんはまだデザートを食べてた)、牛舎裏を見に行くと・・・、

ふわっふわっの子牛が落ちていて、リラが懸命に舐めていました。子牛は寝そべったままだけど、頭を上げるので、大丈夫そう。ちょうど良いポジションだったので、ちょこっと脚を取って・・・、男の子でした。

Jおじさんもデザートを食べ終わり、子牛も落ち着いたところで、母子を牛舎へ。

この子牛、ほんとに『男の子やなぁ。』です。お腹の下を見る必要なんかなし。

お腹が空いたけど、おっぱいはどこに落ちてるんかな、とウロウロする子。男の子です。

女の子は、おっぱいはどこについているかすでに知っていて、迷うことはありません。

そのうち、だいたいの位置を検知した子牛くん。それでも、どうしてもうまく飲めず、私が手を貸してやって、やっとわかったような・・・。幸い、自分の子以外におっぱいを触られても抵抗しないママで良かった。(鈍感なのか?)

生まれた次の日、日曜日は一日中雨で、ずっと牛舎でママの顔が届くところでうずくまってました。男の子です。

女の子は、牛舎をあちこち歩き回って、おもしろいものに遭遇すると飛び跳ねます。

それでも、初めてお外に出た時はうれしそうに駆け出したし、牛舎裏の囲いから出てしまって迷子になるほど元気です。

迷子になって泣きべそかいてたのを、ママのところに連れて行こうとしても、なかなか歩いてくれない子牛ちゃん。よそ見ばっかりしてるから。おしりを押して歩かせながら、ニコくんもこうだったなぁ、って思い出したりして。

仲良し母子 :

Lilas + Osy 1

Lilas + Osy 2

子牛の名前はオジリス。愛称オージーくんです。

美少女ヌリアちゃん

早朝の霧も晴れ、青空に洗濯物が輝くボラン農場、だったのが、午後からはどんより曇り空。

こちらは、昨日の夜からテンション上がりっぱなしの子たち。

Nico + Nuria 180819

左はニコ(デム)くん、右はヌリアちゃん。数日違いで生まれてから、ずっと仲良しです。

昨日の夕方からニコくんがヌリアちゃんのお尻に貼りついて、アルモリカン牛繁栄に貢献・・・は気持ちばっかり。(ニコくん、残念ね。)

昨日は、そう、リリーが発情し、授精師さんに来てもらったところです。発情はよく集団で起こるので、リリー以外にも発情した牛はいないか、注意して見ていたつもりなのに・・・。発見した時間はもう完全にアウト。月曜日に来てもらっても、もう遅すぎます。

だいたい、ヌリアちゃんは発情間隔がめちゃめちゃ。この数日前にもニコくんに乗っかられ、べつにイヤそうでもなかったので、授精師さんを呼ぶところでした。

牛舎を片付けて、わらを敷いて、乾草を餌箱に入れて、準備が整ったところで電話するつもりでした。ちょうど祝日前日で、その日の夕方に来てもらえる日でした。でも、授精師さんを呼ぶ前に、本当に間違いないかもう一度確認に。

ヌリアちゃんとニコくんは、離れ離れでおとなしく草を食べてました。それから45分観察してたけれど、完全に別行動。もちろん、ヌリアちゃんに関心を示す牛もなし。結局、発情したわけではなさそうで、すぐに電話しなくてよかった。

で、今回、ヌリアちゃんはそわそわして落ち着きがなく、時々叫び声も上げるし、間違いありません。

日曜日で種付けはできなかったけれど、次回に期待したいと思います。

タイトルにあるように、ヌリアちゃんは私好みの美少女です。お姉ちゃんのルーシーに続いて、私の理想に近い牛第二弾。その上、どちらも良い性格。ママのげんきも良い牛だと思うけれど、この2頭にはもう『こんな牛が欲しかった!』と大満足です。

でも、見た目が美しい牛に限って、繁殖障害が起こるんですよね。〇〇のようにデブでブスの牛や、いちまやリリーのようにあまり性格の良くない牛は、問題なく良い子牛をどんどん産んでくれるのに。

まあ、たとえヌリアちゃんが繁殖できなかったとしても、アルモリカンでこんな良い牛ができただけでうれしいです。

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