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ボラン農場の牛たち

アルモリカの小さな村からアルモリカンArmoricaine牛たちのお話をお届けします。

わ・か・ら・な・い : まさおくんの結果

雨はまだだけど、強風のボラン農場です。

昨日、私が仕事で留守していた間に、箱入りまさおくんが家に戻って来ました。

まず、数字の結果は :

枝肉重量 376,1キロ
等級 O(なんでやねん。Rやないの?)3
精肉重量 233,16キロ
枝肉/精肉歩留り (ソーセージたくさん作ってもらったから) 62%

思ったより重い枝肉で、お肉にするタイミングは早すぎませんでした。こんなんだと、あとの2頭も早めに出さないと、とちょっとあせります。

で、お肉は :

まさおくんは、ダネット(母)ー フリゼット(祖母)ー ベルナデット(曽祖母)とさかのぼる、くるくる巻き毛の家系です。元祖巻き毛牛バルダ(ベルナデットの姉)は、フランス人が最高においしいとする、それはそれはすばらしい柔らかい赤身肉になりました。

だから、まさおくんも、あの真っ赤な柔らかいお肉になることを期待していました。これまでのくるくる巻き毛牛は、全て真っ赤(脂身全くなし)なお肉だったので、今回は、硬いお肉にしないようにだけ気をつけていました。そのために、早めの出荷でした。

そして、戻って来たお肉を見ると :

Masao 20181109

あれっ?! なんですよ。

これって、日本で言うと《赤身肉》なんでしょうけど、こちらの基準では《サシ入ってる》です。2年半ほど前のマックくん(巻き毛じゃない)のレベルには及ばないけど・・・。これでも、まあまあ適度にサシが入った、赤身と脂身のバランスの取れたお肉だと、私は思います。

巻き毛でこれ、って想定外で本当に驚きです。いや〜、遺伝子って、そうかんたんなモノじゃない、って思い知らされました。ほんと、わからない、です。あえて巻き毛を淘汰しなくても良かったのかも。

写真の肩ロース、お昼に試食(品質検査)したけれど、焼いても縮まず、柔らかく、脂身が赤身の味を引き立てて、おいしかった。ただ、焼いた時の香りがちょっと足りないような気がしたけど。

先にもらっていたレバーも、甘みがあって、サイコーにおいしかったので、ひそかに期待してはいたけれど、久々に満足の行く結果になりました。

申し遅れましたが、今回もご注文をいただいたお客さまに感謝です。真空パックではなく、それぞれの部位を最適な状態でお渡ししたいとか、欲を言えばキリがないけれど、それなりにおいしく食べてくださいね。
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ジュリー出発

Vaches 20181105

とうとう平年並みのお天気が戻って来たボラン農場です。今日は、まだ雨が降らないだけマシですが。

タイトルにあるように、今日はジュリーが出発しました。いえいえ、お肉ではなくて、よそのお家にお嫁入り。“牧場”と呼ぶほどの規模ではない、牛や馬が何頭かいるふつうのお家です。

げんきの娘のうち一頭を、と話が出て、私は即『ジュリー』!

うん、気が合わないんです。私があんまり近づくと頭を振り回して脅したりとか。だから、最近の写真もなし。

午前中、ジュリーを牛舎に入れるため呼びに行ったけど、Jおじさんは『なんでうちで一番きれいな牛を・・・。』と不服そうにしてました。Jおじさんにすれば、ジュリーは“すばらしいアルモリカン牛”なんだそうです。私にしたら、大きくて締まりがないイモムシなんだけどなぁ。だいたい、私はガラの大きい牛は嫌いだし。

でも、決定権は私なんです。そう、最近私の地位が上がりまして、牛の責任者に任命されました。Jおじさんはいろいろと忙しい上、本当は馬にしか興味がなく、こういう体制になりました。

私の好みは、もちろん、げんきとその(ジュリー以外の)娘たち。それぞれ欠点はあるけど、良い方に行ってる、と思うのは私だけかなぁ。

さて、牛舎におとなしくつながれたジュリー。出発前にきれいにしてやろうと背中にブラシをかけ始めると、激しく拒否されました。しばらくして、Jおじさんがブラシをかけようとしても、やっぱり頭を振って断固拒否。おかげで、ジュリーはかわいくないことが明白に。

こんなかわいげのない牛で、新しい飼い主さんはどうするか。ちょっと気になるけど、立派な体格の美しいアルモリカンだから良いよね。新しいお家で、末長く幸せに暮らすことを祈るばかりです。

ボラン農場の農地の面積や牛舎の大きさ、それに、今後どんな気候になるかわからないことから、これからは少数精鋭を目指します。

で、あともう一頭売りたい牛がいます。ご希望の方はどうぞ。やっぱり、体が大きくて気の強い子です。

おんまさんの爪切り

このところ急に寒くなったボラン農場です。土曜日なんか、気温が2℃まで下がり、最高気温も5℃で、Jおじさんが『雪になるで。』と言ったら、本当に雪が降りました。すぐに雨に変わったけど、10月に雪なんて、初めてのことです。

さて、今朝は、馬の爪切り屋さんに来てもらいました。ボラン農場のおんまさんたちは、蹄鉄を付けていないので、長く伸びた蹄を切ってもらうだけです。

Jおじさんが自分で手入れできる前足だけではなく、後ろ足も、となると、ちゃんとした枠が必要です。そして、その中に入るだけでも、慣れていない馬にしたらものすごい恐怖です。

いつもはおとなしい(どちらかと言うとぼぉーっとしてる)ごはんくん(1歳半)は大暴れ。けがをしないか心配になるほど抵抗してくれました。ごはんくんはまだ小さくて、軽いから、どうにか取り押さえられたけど、おかずくんは・・・、

Okazou 20181029

意外とリラックスして、半分寝てます。獣医さんが怖くて、獣医さんの車が来ただけで、手をつけられないほど暴れる子だとは思えません。

多分1トンはあるだろう超大型馬に本気で暴れられたら、どうなっていたことでしょうか。(獣医さんは注射でおとなしくさせた。)来ていただいた爪切り屋さんは、輓馬専門なので、枠も特別丈夫にできているでしょうけど。

ブルトン種は、一般的におとなしく、調教しやすい馬です。中でも、おかずくんのように、自分で考えて行動できるかしこい子は貴重です。

ブルトン種を知り尽くしている爪切り屋さんだから、やっぱり、あのことが話に出ました。

今、人といっしょに仕事をするブルトン種の輓馬が、絶滅の危機にさらされています。

いえいえ、アルモリカン牛の時のように、頭数が激減しているのではありません。そうではなくて、生まれる子牛がほとんど全て肉用に買い占められているからです。おかげで、おかずくんが生まれた年は、子馬1頭600ユーロから買えたのが、ごはんくんの年は1000ユーロ、今年は、なんと1600ユーロに高騰しているとか。(比較のため : アルモリカン母牛1頭1300ユーロから。)

子馬を肉用に高く買い取ってもらえるのに、調教していっしょに仕事をしたい、という人にそれ以下で売ってくれるわけがありません。あんまり高いので、農作業用の馬が必要な人は、ブルトンはやめて大型のポニーで代替えしているそうです。

今までは、フランス国内の馬肉の消費が減り、繁殖用または調教用に売れ残った子馬だけが、安い値段で肉用に買い取られていました。言わば、輓馬や乗馬に向いていない子馬が淘汰されていたわけです。

ところが、数年前から子馬の値段がバカ高くなり、人と仕事をする資質のある馬が、生き残れなくなっています。その張本人が・・・、

日本人 !

と言われてますよ。その高い馬肉の行き先が日本だから。Jおじさんのように馬と仕事をするのが大好きな人たちから、日本人は悪者にされてます。

でも、本当の悪者は、子馬の高値のおかげで大儲けしている人たちであって、一般の日本人には関係のないことですよね。

私には、他人のビジネスをとやかく言う権利も何もありません。でも、《ボラン農場の牛たち》を読んでくださっている方々には、今、フランスのブルターニュ地方で、貴重なブルトン種の輓馬が危機に直面していることを、知っておいていただきたいのです。

まさおくん出発

Masao

霧のち晴れ、が続くボラン農場です。秋晴れももう終了寸前で、この後は雨が並んでます。特に、気温が冬並みに下がるとか。

さて、昨日は、ボラン農場名物の巻き毛牛の一頭、まさおくんのお見送りをしました。

まさおくんが生まれたのは、忘れもしない、あの古いピアノが来た日。あれからもう3年近く経ったなんて、信じられません。

Jおじさんが運送屋さんを頼んでピアノを取りに出かけた直後産気づき、4時間苦しんだジャネットママ。Jおじさんがやっと戻り、引っ張ってもらってやっと生まれたのがまさおくん。新米ママはワケが分からず、赤ちゃんを放り出して、みんなの所へ。産み落とされたままのまさおくんは、私がタオルで拭いてやりました。

それから、ジャネットを連れ戻し、まさおくんが自分の子であることを認識させて・・・、と通常より手がかかったお産でした。

くるくる巻き毛で、ぬいぐるみのようにかわいかったまさおくん。それは、大きくなっても変わりませんでした。

今までの経験から、巻き毛の牛は皮下脂肪が薄く、サシの入らない肉質と見て、早めの出荷を考えていました。夏に見た時は、大きいけれど胴が短く四角い体をしていたので、年上のももたろうくんより先に行ってもらうことに。

ところが、ジョンさんち牧場にお迎えに行って見ると、まさおくん、いつの間にか良い体型に。胴は長く、お尻は丸く・・・。ほんの短い間にこんなに変わるものか、と驚きました。そして、相変わらず全身クルクル巻き毛のぬいぐるみ。いきなりお友達から離されて、落ち着かない様子だったけれど、泣くこともなく、おとなしく牛舎で寝てくれました。

翌朝、出発の準備を始めた時、一声発しただけで、あとはあくまでもおとなしく、トレーラーにもすなおに乗ってくれたまさおくん。こんなにかわいい子だと、連れて行くのが本当にいやになります。

まさおくんがいたおんまさんボックスを掃除しながら、あんなにかわいい子を食べることをどうやって正当化しようか、ぼやっと考えてました。

しばらくして帰って来たJおじさんから、今回は待ち時間もなく、よその牛はもういないレーンを進んで行くまさおくんを見送った、と聞いて、少しほっとしました。

草伸びる

Brouillard 20181016

朝は霧、続いて晴れの日が続くボラン農場です。毎日青空で、Jおじさんはごきげん。クリスマスまで雨はいらないそうです。

そんなある日の午後、家でデスクワークをしていて、ふと外を見ると、芝生の上に赤牛が!

『なんでこんなとこに牛やねん?!』と私。

その叫び声に、どこか遠くの方からリアクションがあったような・・・。

家の前で草を食べていたのは、リラ。牛舎裏から脱走して来たようです。そこは、他の牛たちがいる放牧地の入り口から10メートルもない所。みんなに合流しに行くより、まずは腹ごしらえ、とリラらしい行動です。

今までにそのへんで、子牛がうろうろしていたり、おんまさんが外から家の中を眺めていた、というのはあったけど、大きな牛は初めてです。芝生の上に大きな落し物をされないうちに、急いでリラを捕まえに。

元いた牛舎裏に押し返そうとしても、脇見して隣の小さな牧草地に行ってしまったリラ。新鮮な草を夢中になって食べ始め、なかなか手こずったけれど、あわてて駆けつけたJおじさんの支援もあり、無事(落とし物もなく)牛舎裏へ。なぜかオージーくんが牛舎裏に居残っていたのが幸いしました。

脱走を起こした犯人はJおじさん。単なる柵の閉め忘れです。

その時、オージーくんの5回目の注射をする直前でした。母子でみんなの所へ戻っていたら、大変めんどうなことになっていたでしょう。ちなみに、オージーくん。5回の注射が終わって様子を見ているけれど、びっこはおさまったようです。ひざが変形していたように見えたのは、コブでした。見た目は良くないけれど、歩くのに支障なければ放っておくしかありません。

さて、リラを追いかけて、草が伸び始めているのに気が付きました。雨も、夜の間に、少し降ったし、カラカラ状態は解消かな。朝は気温がけっこう下がり、うっすら霜も降りるけど、そこは土地育ちの丈夫な草たちです。冬が来る前に、もう一度伸びて、牛たちがボラン農場をもう一周できるといいな。

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