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ボラン農場の牛たち

アルモリカの小さな村からアルモリカンArmoricaine牛たちのお話をお届けします。

雪なし雨、たまに晴れ : マックスくんの結果

Vaches 20190203

天気予報が外れまくって、今朝は青空が。でも、ほとんど毎日雨、またはにわか雨のボラン農場です。

昨日、とつぜん豆まきの音が聞こえて、あれっ、節分って今日だっけ?、と一瞬思ったら、あられでした。雪も少しは降ったけれど、すぐ雨に。どうも予想ほど気温が下がらないようです。

さて、前日(と言ってもかれこれ1ヶ月)出発したマックスくんの結果です。

枝肉重量 388.7キロ、等級 O+3(日本だと C3 ?)

おいおい、33ヶ月でほとんど400キロなんて、どうする? マックスくんより若干大きかった36ヶ月のももくんは、400キロを軽く越してる?

今まで、去勢は36ヶ月で400キロが目安だったけど、みんなもっと早く大きくなるような気がします。なんか、次回が心配・・・。

マックスくんの枝肉は、2週間と畜場の冷蔵庫に吊るしておいてもらって、1月下旬に無事パリのレストランに到着しました。

Quinsouさんの方は、その週の土曜日、Facebook でヒレ(あんまりサシ入ってない)の写真に『今晩限定、走れ!』と。

Les Résisitantsさんからは『想定外の事態』と。

売れ過ぎて、もう今週中に半頭分終わっちゃうそうです。(パリにいらっしゃる方、お急ぎください。)

Les Résisitantsさんでは、サービスの方たちもその日使う食材のことはよく知っていて、ボラン農場のアルモリカン牛もお客様に上手にお勧めしてくださっているようで、本当にありがたいです。

今回マックスくんのパリ行きを実現させるため、何から何まで全てお膳立てしてくださった Les Résistantsさんには感謝の気持ちばかりです。

私たちは、マックスくんをと畜場に連れて行くだけだったけれど、そのあとが大変だったんですよ。お肉屋さんを通さないので、箱入りで発送するしかなく、そのためにどんな分け方をするか、と畜場と細かく打ち合わせる必要がありました。それにパリまでの冷蔵輸送の手配。今回は、初めて試験的にやってみたので、それはそれは膨大な時間と手間がかかっています。

シェフたちが腕を振るって、おいしいおいしいお料理になったボラン農場のアルモリカン牛。Jおじさんは、パリまで食べに行く、って言ってたのに、もう遅いわ。また今度、牛たちが完全放牧で牛舎に来ない時にね、ということに。
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初荷

遅ればせながら、みなさま、どうぞ健康で穏やかな一年を。

さあ、いよいよ寒くなってきた、と思ったら、またお天気が悪くなり、ごくふつうの気温に戻ったボラン農場です。

今日は、新年早々去勢牛の出荷。でも、昨日まで、誰を行かせるか決めていませんでした。

順番で行くと、今月で3歳になる、あのももたろうくん。夏にジョンさんち牧場に行った時は、ももくんだけ他の同年代の去勢たちに比べてやせていたので、この子はみんなより後かな、と思っていました。

ところが、10月に見に行くと、やっぱり、まさおくんが一番大きかったけれど、ももくんもけっこう良い体型に。

Momotaro 190108

その時、もう一頭11月に出荷を予定していて、候補にあげていたマックスくんよりも、ももくんの方が良いかな、とか・・・。

今回の行き先は、パリのレストラン。もう何年も前に、レストラン開店に先がけ、生産者の顔が見えるおいしい食材を求めてフランス中を旅した方たちです。その時ボラン農場にも立ち寄られて、残ったもので良いから、と何度もお声をかけていただいたけれど、うちのアルモリカン牛各部位詰め合わせは、レストランでは使いづらく、実現しないままになっていました。

そこに、夏ごろ、そのレストランの方から、枝肉の半分ならお店の冷蔵庫に入るから、とお話が出て、残り半分の引き取ってくれるレストランを見つけるべく、私が営業さんをやりました。でも、慣れないことはやめといた方が良かったです。あちこちツテを探し、電話をし、メールを送りまくったけれど、全く売れず。

やっぱりダメか、とがっかりしていたところ、レストランの方から、知り合いのレストランと枝肉を半分ずつ分けるから、と連絡が。なんでも、アルモリカン牛の宣伝をしてくださったとかで、こんなにありがたい話はありません。何がなんでもアルモリカン牛をお届けしなくては、といつもお世話になっていると畜場とも連絡を取って、準備を進めて来ました。

当初11月の予定が遅れて、と畜場が混みあう12月を避けて、いよいよ今日が出荷の日。さて、だれを連れて行こうか、というところに戻ります。

月齢を考えると、ももたろうくんを先に出した方が良い。- 次のボラン農場でのお肉の詰め合わせ販売は3月の予定で、それまでももくんを待たせると、400キロをはるかに超える枝肉になって、冷蔵庫に入りきれず困る可能性が。

今回のお客様は、なるべくサシの入ったお肉を希望されてるから、マックスくんの方が良い。- マックスくんの兄、iマックくん、は、サシがビシビシ(フランスの基準では)入ってたし、同じく兄のリュリュくんも、けっこう入っていたとか。ももくんは巻き毛で、ママから DM(ブタ尻)遺伝子をもらった疑いがあるので、サシなしの真っ赤なお肉の可能性が。

と、ほんとに最後まで迷ったのですが、Jおじさんの一声で決定。

『マックスは問題牛やねん。柵を壊して、みんなを連れて外に出るのがあいつや。』



マックスくんをトレーラーに乗せて、ジョンさんち牧場からボラン農場に戻った時には、もう暗くなっていました。

マックスくんは牛舎のおんまさん用ボックスに。牛舎側に母牛全員と子牛たちがつながれているのを見て、安心するかな、と思ったら、他のみんなが牧草地帰って行く時、事件は起りました。

マックスくんは、みんなといっしょに行きたくて、ボックスの柵(横木)を乗り越えそうに。

おんまさんボックスの1メートルほどの壁より上は、横木が数本通ってるだけです。一番上の横木は、マックスくんが上を向いた時の鼻の高さ。それを乗り越えようと、後ろ脚で立って、顔を外に出して・・・。

そう簡単には飛び越えられないだろうけど、失敗してケガをする恐れがあります。それで、あわてて、そこらにあるものでバリケード。ちょうどサイズの合う金網があったので、それを釘で打ち付けて、とにかく顔を外に出せないようにしました。

他の牛たちが行ってしまって、牛舎の扉を閉めた後も、何度も後ろ脚で立って外に出ようとしたマックスくん。ジョンさん牧場の柵を乗り越えて、壊してしまうのも納得です。

今まで、出荷前夜の去勢牛はもちろん、もっと背の高いおんまさん(おかずくん)さえ、ボックスから外に出ようとしたことは一度もありません。おかげで、今回、ボックスのもう少し上まで横木を付けた方が良いのがわかりましたが。

きっと、マックスくんは、自由がないとイヤだったんだよね。子牛の時はおとなしかったんで、全く予期してなかったけど。そこまで閉じ込められるのが嫌いな性格だとわかっていれば、もうちょっと早めに出荷してたのに。

去勢くんたちは、1歳を過ぎるとジョンさんち牧場に行ってしまうので、どんな性格に育っているのか、私にはわかりません。それがすごく残念で、行き届かないところだと私は思います。これは、早いうちに何とかしたい課題の一つです。

スキさえあれば、必死に逃げ出そうとするマックスくん。心配していたわりには、今朝は、素直にトレーラーに乗ってくれました。トレーラーの小さな窓から鼻を出していたので、手を振って、『マックスくん、バイバイ。』

あとは、おいしいお肉になってくれて、レストランの方たちに気に入ってもらえることを祈るばかりです。

霧が晴れたら

20181227

このところ、ほとんど毎朝霧のボラン農場です。“霧のち晴れ“はまれで、青空が見えているのに霧がかかったままだったり、一日中霧だったり。でも、雨が降らないだけありがたいです。

朝、牛たちを見に行っては、まだ、『あっ、マルキーズはもういないんだ。』ってやってます。もう会えないのは淋しいけれど、マルキーズがどこかで倒れたままになっていないか、以前のように心配することがなくて、ほっとしたり。

冬のボラン農場が開店してもう1ヶ月。今年の牛舎は静かなものです。

並び方をきっちり月齢順にしてみたら、隣の牛をぶっ飛ばしたり、脅したりすることはありません。(先にお隣の分を食べるのはあるけど。)

牛舎に入る順番も、まず、いちまが娘のリリーを従えて来て、3番手のリラはいつもぐずぐずして、4番手のルーシーが先に到着、とか、気がついたらヌテラ(=ヌリア)が子牛たちの席でごはんを食べてる、とか、だいたい決まってます。

最年長のげんきは、みんなが席に着いた後に来るのか好みだけど、たまに早く来られるとあわててしまいます。(隣の席にリリーがすでにつながれているので、攻撃する恐れあり。)

子牛たちも自分の席を覚えたけれど、Jおじさんがいつもと違う方向から来ると逃げたり、まだ、おしりを押さえておく必要があったりします。

でも、一番端で壁ぎわのみみちゃんだけは、さっさと自分の席に着いて、他の子たちが逃げようが知らん顔。そこは、昔カリプソが子牛だった時の席で、カリプソもそうだったのを思い出します。みみちゃんも大物かな。まだ席を与えられていないオージーくんがみみちゃんの横に来ても、いっしょに仲良く食べてるもんね。

こうして、静かに過ぎて行くボラン農場の一年。霧が晴れたら、青空なのか、曇り空なのか、わからないけれど、行きたい方向に前進のみ。これからは、少しずつ日も長くなるし。

では、みなさま、よいお年を。

マルキーズの毛もふわふわモコモコだったのを初めて知った日

夕方、もうとっくに暗くなった頃のこと。牛たちはごはんを食べ終わり、牧草地に帰って行ったはずなのに、牛舎から牛が乾草を食べる音が。Jおじさんは掃除中。

また、子牛の食べ残しを狙うみよが居残ってるのかな、と思って見に行きました。

『えっ、マルキーズ?!』

Jおじさんによると、牛たちを外に出そうと戸を開けたら、そこにマルキーズが立っていて、乾草を食べたそうにしてるから、自分の席に行かせた、と。

その日は、いつものように、マルキーズはみんなと牛舎に来ませんでした。午後、牧草地に様子を見に行くと、土手の近くで座ってました。夕方また見に行くと、同じ場所で、同じ格好のまま。

立てないのかなぁ、と見ていると、脚を踏ん張って、はずみをつけて、立ち上がろうと。でも、立ち上がれず、だんだん土手の方へずり落ちて、電気牧柵が角に絡まりそうに。私は、あわてて電源を切りに納屋に走りました。

電源を切って戻って来た時には、マルキーズは、何もなかったように立って、草を食べてはりました。

立てるのはいいけれど、この間から気になっていた右後脚が痛そうで、ビッコ引いてます。やっぱり爪切り屋さんを呼ばないと、と思いながら、電源を入れに戻りました。

そんなことがあったので、あの場所からビッコ引き引きよく牛舎まで来れたもんだ、と本当にびっくりしました。私は、脚のことばかり心配して、お腹が空いてるなんて察してやれなかったね。

牛舎で、機嫌よく、乾草をもりもり食べるマルキーズ。しばらくすると、戸の前に行って、牧草地に戻りたいような・・・。でも、牛舎の戸の前はぬかるんでいて、そこで転んだりすると、もう立てません。どうしても外に出たいのか、少し様子を見ることに。

夜遅く牛舎を見に行くと、マルキーズは、Jおじさんが用意したふかふかのお布団(わらだけど)の上に、ちょこんと座って、こっちを見ていました。

『ほな、お泊りね。』と周りにもいっぱいわらを敷いて、立ち上がる時に痛くないようにして、『おやすみ〜。』


次の朝、まだお日さまは昇らず暗いので(でも7時過ぎ)、ゆっくり寝かせておくつもりだったけれど、小屋のストーブに火を点けていると、マルキーズが目を覚ましている気配が。

どうしてるかな、と牛舎に行くと・・・、

マルキーズの姿が見えません!

もうその時、何が起こったのかわかりました。

牛舎から納屋に行く出入り口の前は、ちょうど牛一頭が入れる大きさの通路になっています。そこに牛が入ってしまうと、その先は乾草ロールが積んであって進めません。もしも、他の牛に後ろから攻撃されても、逃げ場のない恐ろしい場所です。今は、その通路がわら置き場になっていて、ふつうに考えると牛は入れません。

前の晩、その場所が気になったけれど、まさか・・・。

マルキーズは、わらの山を越えて、そこにあったはしご(木製ですごく重い)を倒し、乾草ロールが頭につっかえて倒れていました。

ケガは無いようだけど、何時間その格好で倒れたままだったのか。きっと、夜中に外に出たくなって、こんなところに入り込んだんだよね。

その狭い通路から出すのにすごく時間がかかり、やっと引っ張り出せた時は、マルキーズは横向きに倒れたままでした。時々もがくけれど、いつもの“お座り”のポジションにさえ戻れません。

しばらく休めばまた立ち上がるかも、とわずかな期待をかけたけれど、だんだん動きが少なくなり、目を開けているのがやっと。とうとう獣医さんを呼ぶことにしました。

午後の早いうちに来てくれた獣医さん(女性)は、やさしい先生でした。3人がかりで座らせようとしてもマルキーズにはその力もなく、良くなる可能性なし。今すぐ楽にさせたいか、もう少し時間が必要か、私たちの気持ちを聞いてくださいました。

私たちは、もう獣医さんを呼んだ時から、心を決めていました。Jおじさんが前から言っていた通りに。

獣医さんが注射の用意をしている間、私はマルキーズの頬と首のあたりを撫でていました。小さくカールした毛は、ふわふわモコモコ。

子牛のお尻を触っては、『わ〜、ふわふわ、気持ちイイ〜!』って喜んでるけど、マルキーズも、いえマルキーズが、その“ふわふわモコモコ”の毛の持ち主だったんだ。

マルキーズは、小さい時から触られるのが大嫌い。頭に手を持って行くと、首を振ってイヤイヤ。一度、背中に手を置いたら、後ろ脚が宙を舞ったことも。それからは、なるべく触らないようにしてきました。

それが、こんなことになって、初めて撫でさせてくれて・・・。


マルキーズがいなくなったボラン農場は、今までとは違います。これからはどんなボラン農場になるのか。今はまだわかりません。

おまけ : 私のお気に入りの一枚。2009年7月。ちっちゃい子牛はエドワード。
Marquise + Ecouard

マルキーズがころんだ

Marquise 20181105

毎日、雨かどんより曇り空のボラン農場です。午後はお家(牛舎)でゆっくりごはんの牛たち。子牛たちは、まだ自分の席を覚えないけれど、ごはんを食べるのは得意で、あっという間にえさ箱は空に。

冬季限定ボラン食堂の第2日目、牛舎入り口にある溝を飛び越えた時、着地に失敗し、マルキーズは転んでしまいました。床はコンクリート。さぞかし痛かったことでしょう。

入り口の排水溝は、そんなに深いものではなく、脚を取られたとしてもどうってことなし。だけど、牛の眼で見ると、恐ろしく深い障害物に見えるのでしょう。慣れない子牛は、大げさにジャンプして飛び越します。ふつうに歩いて行けるのに。

その日、マルキーズもジャンプしたあと、ふらついて、その場に倒れてしまいました。そう言えば、前日もそこでふらっとなって、危なかった。

しばらく、左後脚を下に倒れたままだったマルキーズは、立ち上がろうとしたのか、前脚だけで体を引きずって、自分の席の方へ。止まったところが、となりの席のいちまの脚のすぐ後ろ。踏まれるといけないので、立ち上がらせようとしたけれど、前脚の力で床を這うばかり。そうして、ほぼ自分の席まで行ったけれど、立ち上がれませんでした。

『立てなくなったら獣医さんを呼んで注射してもらう。』と言っていたおじさん。なすべきことは何もないと判断して、他のことをしに行ってしまいました。残された私はパニック。

倒れた時床にぶつけた左後脚を確認すると、動かせるようでした。反対に、上になっていた右後脚が動かないようで、触っても、叩いても反応なし。そういえば、歩く時、引きずってるのが右脚だったような・・・。やっぱり、爪の手入れをすればふつうに歩けるようになるものではなさそうです。

座ったままではごはんも食べられないし、床は冷たいだろうし、なんとか立ち上がらせようとしたけれど、マルキーズは、前脚で這うだけ。でも、ほんとに座ってるだけで、頭を上げて反芻もします。具合が悪いわけではなく、ただ立てないだけ? ムリをさせるのも良くないので、しばらくそっとしておくことにしました。

とは言っても、最悪の事態になったのではないか、と心配で、何も手につきません。自主的に立ち上がる、という奇跡が起こっていないか、時々見に行ったり・・・。

マルキーズが倒れてから、どれ位時間が経ったでしょうか。1時間半後か、2時間後か、様子を見に行き、もう一度後脚を触ってみると、右脚もかすかに反応したような。試しに、マルキーズのお尻を叩いて。立つように言ったら・・・、

前脚で力いっぱい踏ん張って、

立ち上がりました。

ほっ。

その日は、やっぱり疲れたのか、あまり食べませんでした。夕方、みんなを外に出す時、マルキーズだけは牛舎に残しても良い、と思ったけれど、チェーンを外すと、みんなといっしょに外に行きたがったので、行かせました。

その日から、マルキーズを無理に牛舎に入れるのはやめました。来たければ、いつでも来れるようにして。

本人(本牛)にしたら、外で草を食べる方が良いようで、乾草をやっても食べないし、それだけで足りているようです。

座って(寝そべって)いる時は、時々見に行って、いつまでも座ったままではないことを確認しています。立ち上がるのは、ほんとうに大変そうだけど、今のところ大丈夫。

それがいつまで大丈夫か・・・。覚悟はしてるけれど、そんなに先のことではなさそうです。

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