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ボラン農場の牛たち

アルモリカの小さな村からアルモリカンArmoricaine牛たちのお話をお届けします。

ヌリアちゃん2度目の挑戦

久々に雨のボラン農場です。これだけ降れば、牧草地に緑が戻って来るわ。

左脚が腫れて5日間注射を受けたオージーくんも、びっこを引かなくなり、平熱になったので、ママといっしょにみんながいる放牧地に戻りました。

まだリラ - オージー母子が牛舎裏にいた間、ヌリアちゃんの人工授精がありました。2回目です。

1回目は9月のはじめ。なんとなくそわそわして、時々大声を出したヌリアちゃん。まあまあ、前回の発情から数えて妥当な日数。人工授精センターに通報する前に、本当に発情なのを確信すべく、決定的な兆候を待っていました。

でも、そういう時に限って何も起こりません。

しばらく待って、時計を見ると、12時15分前。午後の人工授精受付終了まであと15分。もう最後の手段、と私の目の前に突っ立ったままのんびり反芻していたヌリアちゃんのお尻に手を置いて、マッサージを始めました。発情している牛は、そうされるとしっぽを上げるものです。

でも、ヌリアちゃん、全く反応なし。

やっぱりダメか、と引き上げかけると、近くを通りかかったリラが、いきなりヌリアちゃんのお尻に乗っかりました。ヌリアちゃんは逃げもせず、まんざらでもなさそうな様子。私は、急いで家まで電話しに走りました。

それが1回目。授精師さんもごく普通にしていたから、間違いなく発情だったはず。

ところが、その12日後の午後に、ヌリアちゃんはまた大騒ぎを始めました。

その時は、もうみんな南側の放牧地。ヌリアちゃんは、大声で叫びながらひとりで放牧地を行ったり来たりするにとどまらず、土手の向こうにいるお隣のリムザン去勢たちに向かって呼びかけてます。(種雄牛がいなくてよかった。)

どう見ても発情のようだけど、他の牛たちは完全に無視。その日はパスして、次の朝何度も見に行ったけれど、叫ぶばかりで何も起こらず、人工授精のやり直しはしませんでした。

そして、それから16日経った夜、ヌリアちゃんは、またまた大声で騒ぎ始めました。今回は、ほとんど休みなく叫び続け、寝たかな、と思っても、夜中にわざわざ家のすぐそばに来て大絶叫。その声を聞いて、牛舎裏で寝ていたリラが返事をするし、えらい近所迷惑です。

朝になって、今度こそ人工授精のやり直しをしよう、とヌリアちゃんを捕まえに。相変わらず大声で何か叫びながら、本人(本牛)もやる気満々で、早足で牛舎裏まで迷わずずんずん進んでくれました。

牛舎裏では、叫ぶヌリアちゃんを待ち構えていたリラが大歓迎。いきなりヌリアちゃんの後ろから乗っかりました。

人工授精が済み、みんなのところに戻った後もまだ興奮状態だったヌリアちゃん。今回はちゃんとタネが付きますように。

これで2回目だから、チャンスはもう一度だけ。いえ、べつに何度やり直してもかまわないけれど、今までの経験から、3回発情しても付かない場合は、何度やってもダメでした。まあ、それはまたその時に考えるとして、今後も監視体制を続けます。

ほんとにほんとにかわいいヌリアちゃん。

Nouria 20181006

斜面でヘンな格好してるけど、実物はミス・アルモリカン級の美少女です。
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牛たちの秋

ちょこっと雨が降った後、またまた秋晴れが続くボラン農場です。もういいかげん雨になって欲しいところだけど、やっぱり青空だと心も晴ればれするものです。

今、牛たちのいる南側の牧草地は、もうカラカラの北側に比べるとまだ多少緑が。

GCh 20181001

“大畑“が大好きな牛たちは、草を探して歩き、飽きたら一つ上の牧区に乾草を食べに来る日々。そこは家のすぐ横だから、いつでも水桶に水が入ってるし、天国だわ。

朝晩はぐんと寒くなったけれど、みんな機嫌良く元気・・・、と言いたいところだけど、一頭だけ具合の悪そうなのが。それをJおじさんに言うと、

『また、あいつか。』

“あいつ” と言うのは、オージーくんのことです。

獣医先生に耳を診てもらった数日後、なんかびっこ引いてるような感じだったオージーくん。そのうち本格的なびっこに。

関節炎じゃないかと心配したけれど、ひざの腫れはなし。Jおじさんは、子牛同士で遊んでてアホなことしたんやろう、と全く気にせず、しばらく様子を見ることにしました。

私が仕事で家を留守にして、2日ぶりにオージーくんを見に行ったのが土曜日の朝。私がいない間、気を付けておくようにJおじさんに頼んだのに、いつ行っても寝てたとか。(それだけでも心配じゃない?)

オージーくんは、左脚全体が腫れて、その足を前に投げ出した格好で寝そべってました。(これをスフィンクス座り、と呼ぶの知ってました?)

それでも、私が行くと立ち上がって、残りの3本の脚で器用に走る走る。

それだけの元気があれば命に別状はなし。でも、オージーくんはまだ1ヶ月の赤ちゃんです。急に容態が悪化することも考えられるので、獣医診療所に電話で相談し、また先生に来てもらうことになりました。

今回も、先日耳を診てもらったR先生。本人(本牛)は元気だし、特に心配することはないけれど、自然に治るまで放っておくと発育の妨げになるので、抗生物質の注射をしてもらいました。

それから4日間は、毎日注射を続けないといけません。今まで筋肉注射をしたことのないJおじさんが挑戦。(私にはムリ。)けっこう上手にできて、オージーくんは動きもしませんでした。

オージーくんとリラ母子は、治療が終わるまで群れを離れて牛舎裏に。幸い、リラは食べるものがある限り文句も言わず、おとなしくしています。オージーくんも、やっぱり疲れるのか、今のところ囲いから脱走もなし。

みんなそれぞれ、穏やかな秋を過ごしています。

逃げるオージーくん

ひとりで休んでる時は、いくらでもさわらせてくれたオージーくん。でも、このごろは私が近づくと、スックと立ち上がって逃げるようになりました。そんな年頃なんでしょうね。さびしいけど、これも群れの中で生きていくための学習のうちかな。

ところが、先日、オージーくんの姿が見えないので探すと、どう考えても快適とは思えない場所でうずくまってました。牧草地の真ん中、岩肌が見える窪みの中。そっと近づいて、手が届くところまで行っても、逃げない。頭をなでても、逃げない。

具合でも悪いのかな、と思ってよく見ると、片方の耳が重そうに垂れ下がってます。その耳の耳標を付けた穴の周りに血がこびりついていて、周囲が腫れてます。

急いで、家からヨードチンキと化膿止めのレメディを持って来て、その日はもう遅かったので、それだけで様子を見ることにしました。

翌朝、見に行くと、オージーくんは別の場所でうずくまってました。私が近づくと、今度は逃げたそうな素振りで、立ち上がってしまう前に、昨日と同じレメディを口に押し込みました。

それ以降は、耳を消毒して、レメディを飲ませようとしても、逃げるばかり。まあ、あれだけ元気があるんだから、大丈夫?

ところが、何日経っても腫れは引かず、耳の毛もだんだんはげて来たので、獣医さんに来てもらうことにしました。ちょうど、5月1日に生まれたおさむくんの去勢の時期が来たので、そのついでに。

そして今朝、獣医さん診療所に電話して事情を説明すると、じゃあ、今日中に誰か手の空いた先生に行ってもらいます、という返事でした。

そう言われたら、早めに準備をしておくものです。でも、Jおじさんはいつものペースで、いつも通り。

診療所から電話があって、『R先生、今そちらに向かいましたから、あと15分で着きます。』で、大パニックに。

牛たちは牛舎から一番遠い南端の放牧地にいます。そこから牛舎裏に連れてくるだけでも、10分はかかります。その前に牛舎の準備もあるし・・・。

Au Sud

とにかく、15分でできるだけのことを、と大あわてで牛たちを呼びに行きました。幸い、よそに行ける、と大喜びの牛たちは、子牛たちを連れて駆け足でやって来ました。急いでるわりには歩きが遅いマルキーズだけは、かわいそうに、置いてきぼりにして。

(マルキーズ以外)全員が牛舎裏に入った時、獣医のR先生が到着。牛舎に入れないといけない2頭の子牛のうち、どちらか1頭を先に診てもらおうと、まずいちま - おさむ母子の捕獲に成功しました。

おさむくんの去勢をしてもらっている間に、まず、リラを捕まえて、次にオージーくんを牛舎に放り込もう、と思ったら・・・,

オージーくん、逃げる、逃げる。

背が低いので、電気の通ったワイヤでも、触らずにくぐり抜けてしまいます。すばしっこいので、ロープで捕まえるのもムリ。あんまり機敏に逃げ回るので、

あんたのために先生に来てもらったのに、元気すぎるやないか、

と怒ったり・・・。

結局、リラをおとりにして、先生にも手伝ってもらって、やっとこさ牛舎に収容できました。ほんと、獣医先生が急いでなくて、待っててもらえたから良かったけれど、あれだけ元気だったら診なくても大丈夫、って言われてもしょうがないレベルでした。

R先生によると、オージーくんの耳は耳標の素材のアレルギー。化膿はもう治りかけているので、耳標を外すだけで良いそうです。

やれやれ、耳標を付けた時の傷が化膿したのではなくて、ホッとしました。

今回、オージーくんもおさむくんも、立派な牛になるためにおとなしく繋がれる訓練を始める良い機会になりました。

それにしても、この騒ぎの間、フラッと牛舎に入って来て、黙々と乾草を食べて、またフラ〜ッと出て行ったヌリアちゃん。私、この子好きやわ。

去勢組の新学期

おだやかな秋晴れの日が続くボラン農場です。

もうこれ以上雨が降らないと草が枯れてしまうよ〜、というところでほんのお湿り程度の雨が降って、どうにか今まで持ちこたえて来たけれど、いよいよ限界です。牛たちが今いる牧草地の草を食べ尽くしてしまったら、しばらく乾草がメニューに。

だいたい、乾草が大収穫の年は、刈った後の草の伸びが悪くて、冬になる前に乾草を与えることに。今からこんなに食べさせて、冬になったらどうしよう、と心配するけれど、草が伸びるタイミングが遅くなるだけ。冬に草を食べる分、乾草の消費は減るものです。

心配してもしょうがないので、今は、雨が降り出す前にしておくべきことが優先。

もう先週のことですが、ボラン農場で、まだ母牛と子牛グループにいた2頭の去勢くんたちが、去勢組に編入しました。ジョンさんち牧場です。

Les bœufs

日差しの強いお昼過ぎで、全員木陰に隠れてます。

よく見えないけれど、全部で9頭。もうそろそろ・・・の年長組が3頭、新入りのニコくんとノノくんを含めた年少組が6頭。みんなよりずっと小さいノノくんも、ニコくんがついてるから、うまく仲間入りできたようです。ノノくんがいなくなっても、ママ泣かなかったしね。(やっぱり、リラはぼぉーっとしてる?)

ジョンさんち牧場で自然児のようにたくましく生きる去勢くんたち。私は、たまにしか会えなくなるので寂しいけれど、彼らにしたらどうなんでしょう。自由気ままに歩き回れる方が幸せ?

もうすぐ3歳で、立派になりつつある年長さん3頭。将来の進路をどうするかが今一番の心配事です。

スーパー子牛

朝晩はもう寒い(肌寒いなんてもんじゃない)けれど、日中はけっこう暑くなるボラン農場です。

Osi + Cloclo 1
左 : クロシェットちゃん、右 : オージーくん

おっぱいが足りているのが確認できないまま、他の牛たちに合流したオージーくんとママ。ぼんやりママは、食べるのに夢中で、オージーくんは、誰もいないところにぽつんと落ちていることがしばしば。ママは、時々、オージーくんの姿が見えなくてパニックに。一度、夜中と朝6時前に警報を出し(家にいても聞こえる大声)、私が北の放牧地まで見に行ったことも。

ママのリラは、大食いのデブなのにおっぱいは貧弱で、オージーくんはいつも腹ペコの様子でした。でも、数日前から、オージーくんは下痢気味で、黄色いものをお尻に付けています。ということは、ミルクの飲み過ぎ? じゃあ、足りてるね、とJおじさん。こんな無責任な態度で牛飼いが成り立ったら、だれも苦労しません。

そこで、おなじみ、子牛の下痢対策レメディです。生まれたばかりの子牛の下痢は放っておけませんから。で、どうするか。

オージーくんが寝てるのを見計らって、そーっと近づいて、ふわっふわっの頭や体をなでて、ちょっと顔を持ち上げて、レメディを横から口に押し込む。そう、それだけ。逃げないんです。

レメディは甘いから、喜んで食べてくれるんでしょ、って? いえ、いえ、それだけじゃなくて、マダニも抜かせてくれるんですよ。

いくらでも触らせてくれる ➡︎ マダニが食いついてるのに気が付く ➡︎ 専用器具で抜く ➡︎ 恐ろしい病気を予防する、という素晴らしいシステム。子牛は全頭こうあってほしいものです。

でも、オージーくんが逃げて行かないのは、寝てる時だけで、立ってる時に捕まえようとしてもダメ。遊びだと思ってるのか、追いかけると、猛スピードで見えなくなるまで走って行きます。他の先輩子牛たちも、あっけらかーん、と見るばかり。どこまで行ったのか心配していると、そのうちどこかでUターンして、また猛スピードで戻って来ます。

オージーくんは、まだまだ寝てる時間が多くて、子牛4人組とは別行動だけど、そのうち4人組の一員になって(5人組か)、もう触らせてくれなくなるんでしょうね。

お仲間にはなっていないけれど、なにかとオージーくんをいじりに来る先輩子牛たち。

Osi + Mimi 1

中でも、4人組の末っ子、みみちゃん、がよく見に来ます。

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