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ボラン農場の牛たち

アルモリカの小さな村からアルモリカンArmoricaine牛たちのお話をお届けします。

冬はどこへ行った



冬至も過ぎ、これからは毎日1分ずつ日が長くなる、と思っただけで、気分も明るくなります。

少しぐらいお天気が悪くても、お外で遊んだり、お昼寝したりの子牛ちゃん。たとえ運動場の場所を変えても、夕方になると、ママたちといっしょにちゃんと牛舎に戻って来ます。

一度だけ、ルーがとんでもない所にふら〜っと行ってしまったら、ママのジゼルがパニックになって追いかけ、ルーはすぐに牛舎まで戻って来たのに、それを知らないママだけ、ボラン農場北の果てに向かって全力疾走。止めようがなかったので、とりあえずルーだけ牛舎に入れている間に、どこでUターンしたのか、ジゼルが牛舎に突進して来て、めでたし、めでたし。

それにひきかえ、ルーシーが生まれる前の日にちょっと来た冬は、なかなか戻って来ません。お肉の販売をしたこの週末も、買いに来てくださったお客様は、口を揃えて『寒くならないねぇ。』

車で通り過ぎた道ばたに黄色い花が咲いていて、『まさか!?』と思って、車から降りて確認しにに行ったら、やっぱり黄水仙だった、という話は、二人別々の方から聞きました。

ボラン農場でも、タンポポやひなぎくが咲き、お天気が良い日は小鳥がさえずり、まるで春。温暖化がとうとうここまで来てしまったの? とちょっと怖くなります。

でも、子牛ちゃんたちは、モコモコの毛皮を着て生まれたし、他の牛たちも、オスカルも、いつもこんなだったっけ、と思うほど毛が長いし、きっと寒波はやって来る、と思います。何年か前のように、突然雪が降り出して、あっと言う間に1メートル、なんてことが起るかも。(次の日にはほとんど解けたけど。)

冬の間、生活必需品は買いだめしておくこと。あんまり暖かくて、忘れてしまうところでした。

秋、か・・・

Grand Champ

ファンタも、もうとっくにお肉になって家に戻り、お客さんがそれを取りに来てくださって、それぞれのお家でポトフや季節のお料理になり、おいしく食べていただいています。

あれから、某銀行のミスがどんどん発展して、わが家の銀行口座からお金を引き出され、うちの取引銀行に連絡してその金額を取り返してもらったら、手数料を取られた、などなど、つまらないことで忙しくしてました。(もう大丈夫なはずだけど・・・。)

例年通り、ボラン農場の牛たちは、南側の牧草地を食べ尽くしたら、去勢くんたちのいるジョンさんちへ移動する予定です。

今年はなぜか、ありとあらゆる果実や木の実がたわわに実り、Jおじさんは気味悪がっています。

どんぐりも風が吹くたびに(風がなくても)雨のようにポロポロ落ちて来て、牛たちやお馬さんたちが食べ過ぎて、ドングリ中毒にならないか、心配です。でも、牛にわざわざどんぐりを与える人もいるそうなので、毒じゃないみたいだけど、草を食べないでどんぐりだけ拾って食べる子がいると、要注意です。

また、秋になると狩猟も始まり、特に週末は、あちこちで狩猟犬の群れが吠え、うちのオスカルがそれに応酬し、うるさくてやってられません。果ては、迷子になった犬が、夜中に牛たちを追いかけ回したり、いい迷惑です。

周りは危ないので、ボラン農場の林に鹿が住んでいるらしくて、時々、林のすぐ外に姿を現します。

木の実など食べるものが豊富なので、大小いろんな種類の鳥が来るし、ここだけ動物の天国のボラン農場の秋です。

『こちらからお電話します。』と言われたら

Okazou - Lutic

ファンタが出発した次の日に、おんまさんたちは、ボラン農場に戻って来ました。私の担当じゃないので、あまりかまってやりませんが、それでも、すぐ近くにいると思うと安心です。

うちの最後の雄牛、リュリュくんも、去勢牛になりました。去年、ジョジョとジャコは二頭とも失敗して、ひどい目にあったので、毎日監視中。(少し、しわしわになって来たので、大丈夫だと思う。)

さて、今日のテーマですが、『これがフランス流か!?』と最近つくづく思ったことです。

『お電話します。』と言っておいて、何の連絡もしてくれないのは、農業を得意とする某保険会社でした。

車の保険料が、今契約している別の保険会社より安そうだから、電話で問い合わせたら、
『今、料金の改定をしているところなので、二週間後にお電話します。』と。
あれから、1年位経ってます。

次に、任意共済保険の期限が切れるので、問い合わせたら、
『えっ、保険は全部1月1日から12月31日の契約になっていて、そんなのはありませんけど。』と言うので、
『うちのは、国の援助を受けていて、9月30日までです。』と答えたら、
『ちょっと、その契約が画面に出て来ないので、明日、こちらからお電話します。』と。
その後、音沙汰なしでした。

強制加入の社会保障費は、けっこう高いのに、医療費100%カバーしてくれません。自己負担分を軽くするために加入するのが、任意の共済保険です。低額所得者のわが家は、そのために国から援助を受けているのですが、毎年、その更新手続きに苦労させられます。

『こちらからお電話します。』と言われたのに、全く連絡がないので、一ヵ月ほど後に私が電話すると、
『7月からシステムが変わって、国の援助付きは、一定の機関にしか加入できなくなりました。うちが窓口となっている機関は、○○○で、直接そちらに問い合わせてください。電話番号(特殊番号:通話料金込みの契約でも、別に加算される)は・・・・・です。』
システムが変わったなんて、全く知りませんでした。更新時期が迫っているのに、その保険屋さんから何の案内もありませんでした。

とにかく、その新しいシステムとはどうなっているのか、インターネットで調べることにしました。また、私たちのことを放ったらかしにした、あの保険会社が窓口になっているところには絶対に加入したくないので、他にどんな機関があるのか、見てみました。

そうして選択したのが、某農業銀行が取り扱う保険でした。保険料はよそより安いし、窓口となるその銀行の支店がすぐ近くの町にあります。

ちょうどその町に行く用事があったので、銀行に行くと、
『その保険だったら、ここよりも電話で問い合わせた方が早いですから、こちらに電話してください。』と。
『いえ、この保険専門の係に電話したら、どこでも良いから支店に行って手続きしてください、と言われたんですが。』と言っても、聞く耳持たず。
家に帰って電話せえ、と言うことです。

お客さんに対して、こんな失礼なことはない、と私は思うのですが、どうでしょうか。これは、各電話会社がよく使う手です。わざわざお店に行っても、追い返されますから、ご注意ください。

でも、今日のテーマは、それではありません。

その農業銀行にも腹が立って、結局、保険会社や銀行を窓口としない、直接コンタクトできる別の機関を選びました。電話も無料の番号で、すぐに出てくれて、感じが良かったので、契約書類を送ってもらうことにしました。

でも、その書類がなかなか届かず、そうしてるうちに、やっぱり、あの農業銀行の方が100ユーロ安かったなぁ、100ユーロは大きいよなぁ、と気になって来ました。

それで、今度は、前に行ったところより近い(小さい)支店に問い合わせて見ることにしました。
すると、今度は、すんなりアポが取れ、すぐに契約するつもりでその銀行に行きました。

私たちはその銀行に口座を持っていないので、あれこれ聞かれ、保険料も聞いていたより高いことが判明しても、まあ、しょうがないわ、と動揺せず、1時間以上経って、後はサインだけ、という時に、担当者いわく、
『自動引落しではなく、小切手での支払いはできないかも知れません。』
本店に問い合わせたくても、もう閉店時間をとっくに過ぎているので、誰もいません。

『明日、本店に問い合わせてお電話します。』

もちろん、お電話などありませんでした。

次の日、無料電話番号の機関から書類が届いたので、そちらと契約しました。

フランス流では『お電話します。』は、どうも断りの手らしいです。

まあ、とにかく今年の契約更新はこれで一件落着、と思っていたら、大間違いでした。

一昨日、あの農業銀行から郵便で、
『ご契約ありがとうございました。年会費を以下の口座から引き落とします。』!?

さすがの私もびっくりしてしまいました。その銀行はちょうど定休日で、直接なぐり込みにも行けず、契約していないことは明らかでも、お金は盗られるかもしれない、と不安な1日を過ごしましたが、昨日、(やっと)担当者から電話があって、インプットミスでレターが送られただけ、とわかりました。

こんなことがしょっちゅう起るお国がらですから、繊細な感性をお持ちの方には耐えられないでしょうね。

Mutuelle加入のため、Aide au paiement d'une complémentaire santé (ACS)を受けられる方のご参考になれば、と以下に私の体験談を追記します。 【“『こちらからお電話します。』と言われたら”の続きを読む】

零細農家であること

PM paysage

夏の初めはカラカラお天気で草も枯れかけたけど、今週は雨。乾草ロールもお道具も全部納屋に入れたので、はい、どうぞ好きなだけ降ってくださ〜い。

タイトルに《スモールファーマー》を考えたけれど、人によって、この《スモール》の定義がまちまちで、私たちとは違うと思っている人たちといっしょにされるのはイヤなので、《零細農》という言葉を選びました。ボラン農場では、農地はたった25ヘクタールしかなく、牛もそんなにたくさんの頭数は飼えず、私が翻訳の内職をして生計を支えているので、当たっていると思います。

ボラン農場には草しか生えませんから、冬のために、草を刈り、それを乾燥させてまとめたのを、業者さんにロールにしてもらいます。その業者さんのトラクターや機械が年々大型化し、もうこれ以上大きくなったらうちには入れなくて、頼めなくなります。(小さいサイズのロールベーラーを買うしかない?)

ヨーロッパの農業政策は、大規模優秀農業を推進するためのものであって、零細農がもらえる助成金が減りました。今年から、肉牛の助成金は、24ヵ月以上の経産牛を常に10頭以上飼っていないと、もらえなくなりました。もともと、純粋の乳牛(?!)と誤解されていたアルモリカン牛は対象外で、私たちは今まで助成金なしでやってきたので、どうってことはないのですが・・・。

フランスの農業も、つい最近まで、家族でやっていたものです。それが、農業の近代化で、大規模農家でないと生き残れない、と脅され、周囲の零細農家を買い取って農地をどんどん拡大して来た結果が、今のフランスの農業です。

ヨーロッパ農業政策推進のために農家に配る助成金の基本部分は、1ヘクタールに付きなんぼ、ですから、土地は広ければ広いほど金額も多いです。そのために、土地の取り合いのようなことも起りました。おかげで、新規就農希望者は、土地が見つからない、という事態もありました。

この夏のはじめごろから、乳牛、肉牛、豚などの畜産農家が、今の肉や牛乳の相場では生きて行けない、と大規模な抗議を始めました。組合がコーディネートする抗議アクションとか言って、あちこちで主要道路を占拠して、みんなに多大な迷惑をかけました。(この近くでもあって、びっくり!)

写真でその様子を見ると、倒産寸前の農家の人達が、みんな最新式の大型トラクターに乗っていて、笑えました。Jおじさんが、その最新式大型トラクターの値段を教えてくれましたが、びっくりするほど高額、としか覚えていません。

農家の人達はみんな、組合や農業機関や公認会計士の言うことをしっかり聞いて、模範的な農業経営をして来たのに、畜産製品の相場が安過ぎて利益が出ない。なんで自分たちはこんな目に遭わないといけないのか、と怒ってはります。

政府は、大臣を交渉に行かせたり、農家の人達をいっしょうけんめいなだめようとしましたが、実際に豚肉を買って加工する大手企業が、そんな高いもんは買わへん、とセリをボイコットしたり、もめ続けてます。

フランスの消費者が、いくら安いからってよその国で生産したものは買わないで、フランス産のものをすすんで買ってくれたら自分たちの儲けが増える、とゆうてはりますが・・・。

こんなこと大きな声では言えないのですが、ごく普通にスーパーとかで売っているフランス産の牛肉も豚肉もまずいです。だいたい、大量生産した食品で、おいしいものなんてあります?

零細農家は、はじめに書いたように、いろんな方面から『早くやめて土地を譲ってよ』といじめられ、肩身のせまい思いをさせられていますが、おいしいものを作るのは得意です。自分で作ったものは、自分で食べますから、おいしくないと絶対にイヤです。助成金がもらえないアルモリカン牛でも、うちにはこれが最高!と思うと、アホと言われようが飼い続け、もっと良くしよう、と工夫します。

零細農家もそれなりの役割があり、そこに《いる》だけでも大きな意味がある、と思いませんか。
世界中の《スモールファーマー》が団結したら、どんなアクションを起こすか?
きっと、みんなが幸せになることをすると思います。