ボラン農場の牛たち

アルモリカの小さな村からアルモリカンArmoricaine牛たちのお話をお届けします。

だなえ と申します

080229 1

日曜日の夜遅く生まれたアーニカの娘です。ああでもない、こうでもない と迷ったあげく《だなえ》と名付けました。だっこちゃんとか どれみちゃんとかいう案もあったのですが、だごべえ王に合わせてだなえ姫(ギリシャ神話です)にしました。

そのうちお肉になる男の子に比べて 女の子の名前は気を使います。その子に似合わないといけないし、こうなって欲しい という願いもあって、考え出したらキリがありません。

で、そのだなえですが、いつ見に行ってもおっぱいを飲んでいて さすが大食いシスターズ姉の子です。

今朝は 曇り空だったけれど 雨が降っていなかったので 朝早くからアーニカとだなえを外に出しました。まだ夜は牛舎に寝かしていますが、今から少しずつ外の空気に慣れさせます。

牛たちのごはんの時間になったので 牛たちを呼びにいったら だなえはもう(また)お食事中でした。ごはんが終わったら牛舎に来るだろう と思っていたら アーニカだけ先頭集団に混じって さっさと牛舎に来てしまいました。めんどう見の良い、やさしいお母さんと思っていたのに とんでもない母親です。

放牧地に見に行くと だなえは野原の真ん中で眠りこけていました。私たちが見に行くと目を覚ましましたが、置き去り意識の全くない 大した度胸の子です。おしりをたたいて立たせたら Jおじさんの後をついて トコトコ牛舎に行きました。こんなかわいい子ばっかりだと 楽なんですけど。(ねっ、かなちゃん。)

今週は だなえの誕生だけでなく、お肉のお客さんもあったし、急に翻訳の仕事をいただいたし、仕事の問い合わせが2件もあったし、目が回るほど忙しい週でした。おかげで絵を描くひまもありませんでした。アイディアはいっぱいあるのに。
スポンサーサイト

大きなお耳の女の子です

080225 1

昨日の午後ずっと アーニカの様子がおかしかったので もうそろそろ と思っていました。それで 夜遅く何回も放牧地まで見に行ったのですが アーニカが大げさに(本人にはそんなつもりはなかった?)泣き叫ぶので 難産かも知れない と心配でした。

12時近くになって バシャー と派手な音とともに破水して、子牛の爪が出て来ました。子牛は正常な頭位なのに アーニカは苦しそうで、Jは子牛の脚を引っ張るために 牛舎までロープを取りに行きました。

その間 私はアーニカのそばについていたのですが 座り込んでいたアーニカが 猛烈にいきみ始め、子牛の前脚が二本とも出てきました。あともうちょっとやで とはげますと アーニカもう一度『うーん』とうなり 子牛の腰が出てきました。

座ったままのお産を見るのはこれが初めてで へーえ、こういうのもあり?と驚きましたが とにかく無事に生まれました。そこに Jがロープを持って戻って来ました。やれやれ、使わずにすんで良かった。

子牛は元気そうで それほど寒くなかったので 朝までそっとしておくことにしました。

080225 2

朝になって見に行くと 母子ともみんなといっしょにいました。アーニカの巨大だったお腹に比べると いやに小さいですが お母さんに付いてしっかり歩く元気な子です。それどころか 柵をくぐって土手に登ってしまい 一時お母さんはパニック状態に。でも、私が救助に行くと ひとりで下りて行きました。この子は マルキーズのひ孫にあたるので 運動神経が発達しているみたいです。

さて この子の名前を考えているのですが Dで始まる女の子らしいかわいいのがなかなか浮びません。ウラニウム - ラシーヌ - マルタノ という天然記念物みたいな血統の子なので とびきり良い名前にしたいけど それよりも何よりも 性格の良いかわいい子になって欲しいです。

バルダのサシはどこ行った?

バルダのお肉が(バルダがお肉で)戻って来たので、さっそく品質検査をしました。

今日は 煮くずれしないかどうかの検査です。

080222 1

ボラン農場のアルモリカン牛の特長は 柔らかく煮えているのに見た目はしっかり です。煮込み料理は 温め直すほどおいしくなるものですから お肉がぐちゃぐちゃになっては落第です。

一般にメスのお肉や去勢でも36ヵ月以下のものは 若干煮くずれしやすい傾向にあります。でも、バルダのは・・・

080222 2

4時間ガンガン煮た結果 煮くずれはありません。いつもよりキメが粗いような気がしますが 食感は悪くありません。今日のお昼は このシンプルな《アルモリカン牛とニンジンの煮込み》でした。(ポテトは冷凍の市販品 - 時間がなかったので。)

品質検査では もう一つ ソトモモのステーキの柔らかさを見ます。ステーキ用に切ってある部位の中で 一番かたいところなので これが充分柔ければ安心できます。この検査は 昨日行いました。色が薄くて、キメが粗く、サシが全く入っていない(いつもは少し入っている)のが少し気になったのですが 驚くほど柔らかかったです。

うちで 一度お産をしたメスをお肉にしたのは 今回が初めてですが、こちらの通説通り 柔らかく、おいしいお肉ができました。それに バルダはもともとおしりにお肉が付きやすかったのか、肉専用牛に負けない歩留りになりました。枝肉と製品になるお肉の割合が62,2%、全部のお肉の内 さっと焼いて食べられる(柔らかい)ものが60% とボラン農場の新記録です。

特に 製品/枝肉の歩留りは 今まで良くても57%台で 60%を目標にしていても いったいどうすれば目標を達成できるか わかりませんでした。それを今回軽く達成して 信じられない気持ちです。

巻き毛と皮下脂肪の厚さの関係は 照長土井さんに教えていただいた通りでした 巻き毛は体にしっかりくっついて 寒さから保護してくれるそうで バルダも皮下脂肪が少ない枝肉になりました。ところが 皮下脂肪だけでなくサシも少なくなってしまいました。全くないわけではありませんが、36ヵ月以上の去勢は もっともっとあります。

焼くと脂が溶けておしいいのよー といつも言っているのに 今回はちょっと困りました。でも、この成績で こんなに柔らかいお肉は こちらで言う最高の品質のお肉に近いのだと思います。まぐれでできた最高のお肉。うーん・・・ちょっと違うんやけどなぁ なんて言うと お客さんは困ってしまうでしょうね。

明日は 煮込み用のお肉の残りで ハンバーグを作ってみます。

毎日同じ幸せ

相変わらず青空のボラン農場では 毎日毎日同じような日が続きます。

080218 1

これからが牛舎に行く牛たち。大きい順に整列して イッジーばあちゃんが先に行くのを待っています。

乾草を食べて、ビートを食べて、水を飲んで、また乾草を食べて 牛たちのメニューも 毎日同じです。お母さんたちから離されて、お馬さんのボックス(と私たちは呼びます)に閉じ込められているカランバーとカリプソが泣き出すのも 毎日同じ時間です。

まだ小さいだごべえだけは 牛舎でお母さんといっしょですが どこでも扉が開いていたら トコトコやって来て あっちこっちを探検します。特に 乾草ロール置き場が大好きで 中に入って走り回っては Jおじさんに叱られています。

息子が見えなくなると ユプサはパニックになって泣き叫ぶのに そんなことは平気で どこへでも行ってしまうだごべえくん。このあいだ見ていて ふと思い出したことがあります。

Cana 56 1

Cana 56 2

Cana 56 3

Cana 56 4

やっばり運動神経抜群なのは マルキーズの血統なのでしょうか。イッジーばあちゃん系は とにかく性格が良い子ばかりで だごべえも例に洩れません。私はそちらの遺伝子の方が好きです。

夜になって みんなを放牧地に放したら、一度水を飲みに行ったユーチカが 急いで牛舎に残り物を食べに戻って来ました。これも毎日同じです。

アンドゥイユ! と言われたら・・・

今まだ寒い日本やカナダのことを考えると ちょっと気が引けるのですが、こちらはぽかぽかの陽気です。朝は0℃まで気温が下がりますが 日中は日なたにいると暑いほどです。

昨日は 食肉処理業者さんのところに バルダのモツを取りに行きました。レバー、ハツ、マメ、カシラは賞味期間が短いので お肉が来る日まで待ってられません。ふつうは お肉といっしょに配達してくれるものですが うちは 枝肉の熟成期間を2週間にしてもらっているので こうなってしまいます。

業者さんの工場のあるボーという町は ここから南に1時間ほど行ったところにあります。べつに私まで行く必要はなかったのですが、今度仕事で出かける時に通る道なので 下見のために いっしょに連れて行ってもらいました。

お天気が良いので 牛舎で寝ているユプサとだごべえも さっさと外に出してやり 私たちとしたらものすごく早く家を出ました。Jは家の工事を進めたいので なるべく早く戻るつもりでした。

業者さんに着いて、モツの入った段ボール箱を受け取って さあ帰ろ と言う時に つい私が『せっかくここまで来たんやから、ついでにアンドゥイユ買いに行けへん?』と言ってしまいました。

アンドゥイユというのは 豚の腸をぐるぐる巻いたソーセージのようなものです。(アンドゥイユという言葉は『アホ』という意味でも使います。)この近くにそれが名物の町があって そこまで行かないと買えないおいしいアンドゥイユ専門店があるのです。

こういう話になると Jも『うん。行ったらあかんってことはないな。』とすぐに決りです。地図を見ながら 一番わかりやすい道を選んで はいっ 次の出口、そこを左 とかやっていると 右手に教会が見えて来ました。繊細な姿で手の込んだ彫刻で飾られた立派なものです。

地図を見ると なになに、聖ニコデモ教会? 昔、家探しをしていた時代に行ったことがある教会です。梁に彫刻されたカラフルな空飛ぶ天使は 私たちのお気に入りです。

『カメラ持って来た?』『うん。』『ほな 行こ。』と 途中下車です。観光シーズンではないので 残念ながら中には入れませんでしたが、彫刻好きのJは 写真をパチパチ。牛たちや工事のことは完全に忘れています。

でも、アンドゥイユは忘れていません。写真を撮り尽くしたら出発です。お店のある ゲムネ・シュール・スコルフの町までは 風光明媚な観光ルート。お天気も良いし ちょっとしたバカンス気分です。

大きなアンドゥイユの看板が目印のお店に入ると まずは試食です。腸なので ふつうはかなりにおいがするのですが ここのはしっかりスモークされていて 全く気になりません。数週間日持ちするので 40センチ位のを一本と お客様用に取っておく真空包装された半本を買いました。

080213 1

そうして やっと家に帰るともうお昼でした。午前中何もしなかったしわ寄せは かなりのもので 晩ご飯は11時過ぎ というハードな一日でしたが おいしいアンドゥイユが食べられて幸せでした。

080213 2

さて、バルダですが、タンを見て『わー、こんな小さいかわいい舌やったんや。』とか、ほっぺたを見て『ふーん、えらい大きいな。そう言えば 頭でっかちやったもんな。』とかやっています。等級もアルモリカンとしては 優秀(おしりが大きかった)なので、おいしくなってくれれば せめてものなぐさめなのですが。

子牛も楽じゃない

というのは だごぺえくんを見ていて思ったことです。これは 生まれてすぐのことです。

Dago 1

Dago 2

Dago 3

Dago 4

生まれて次の日は さっそく耳標を付けられました。その日は バランチーヌにもう少しで蹴られるところだったり、イッジーばあちゃんの下敷きになりかけたり、Jおじさんは気が狂いそうになっていました。

昨日は お天気が良かったので、朝からお母さんと外に出すことにしました。お母さんのユプサは駆け足で出て行ったのに、だごべえは牛舎から出たがりませんでした。お母さんがいくら呼んでも行かないので、とうとう Jが外に押し出しました。

ところが こんなことに。

080209.jpg

どうも牧柵の電気にびっくりして 上の方に逃げたらしいです。Jおじさんが下ろしてくれたけど きっと 世の中怖いことだらけ と思ったことでしょう。

さて、こちらは もう春が来ちゃったの と思うような陽気です。鳥たちも 南には行かず 冬の間もずっとこのへんでぶらぶらしているので もう完全に春の雰囲気です。お天気が良いのに寒くないと なんだかトクした気分です。

だごべえ

このところ 雨の日と晴れの日を毎日交替でやっているような気がします。今日は 晴れの番でした。朝から暖かい穏やかなお天気だったので、新月ももう近いことだし ひょっとしたら と思い、ユプサの具合を見に行きました。

牛たちは まだ草が残っている方の区画にいました。そこまで行くと すぐに 私のカンが当たっていたのがわかりました。ユプサは 落ち着きがなく しっぽを上げながら二つの区画を行ったり来たりしていました。

まだすぐに産みそうではなかったので その後 何回か見に行ったのですが、あまり変わりはありませんでした。今朝 Jはずっと去勢くんたちのいるジョンさんちに行っていたので ボラン農場は 私一人でした。私は 歯医者さんの予約があったので少し留守にして、12時半ごろに戻り 放牧地に直行したら・・・

080106 1

ちょうど子牛が立ち上がったところでした。

080206 2

脚が細長くてヨロヨロしていて 大丈夫かな、おっぱい飲めるかな としばらく少し離れたところから見ていました。子牛は ものすごい勢いで お母さんのあっちこっちを吸うのですが みんなはずれです。それに ユプサが動き回るので 子牛にはなかなかおっぱいが見つかりません。歯がゆい思いをしながら 見ていると・・・

080206 3

自分でおっぱいを見つけたかしこい子です。男の子かな、女の子かな と見てみたら うしろの方に丸い物が付いていました。

そうしているうちに 子牛のお姉さんにあたるたコラ(一才)がやって来ました。赤ちゃんにさわるな ってお母さんに叱られるかな と思って見ていたら・・・

080206 4

ユプサは本当にやさしいお母さんです。

もう大丈夫 と一旦小屋に戻りながら なぜか突然『だごべえ』という名前が閃きました。本当は Dagobertと書く、フランク族の王様の名前です。(一世から三世までいます。)うちのだごべえは お母さんに似ておっとりした良い子です。

バルダが行ってしまった日

本当は12月に予定していたお肉の販売ですが 私が忙しくて段取りが整わないまま クリスマスとお正月に突入してしまい そのままのびのびになっていました。いつもなら そういう時は Jにうるさく言う私ですが 今回はバルダの番 と思うとあまり気が乗らなかったのも 遅くなってしまった理由です。お客様からも(ありがたいことに)お問い合わせがあり、早くしなければ とは思ったのですが それでもずっと気が重くてしかたありませんでした。

うちでオスの子牛が生まれると まるでお肉が生まれたようなものですから おしりをさわって わー、この子おいしそう とか平気で言えます。でもメスの場合は 長く付き合うつもりなので まるでうちの子のようになってしまいます。今まで どうしても種が付かなかったメスを3頭お肉にしました。かわいそうだとは思ったけど たまたま あまり性格の良くない子ばかりだったので《お肉の方が好き》ですませることができました。

でも、バルダは別です。小柄な“たま”の最初の子だったので 生まれた時からちっちゃな子牛でした。巻き毛がくるくるで 見た目もかわいかったのですが 性格も本当にかわいい子でした。ちょっとピンぼけですが 生まれて数日の時の 私が一番好きな写真です。

Valda 2

去年の冬 初めてシュパを生んだバルダ。肝心な時に座ってしまい しっかりいきむことをしなかったので Jが子牛の脚を引っぱってやっと生まれました。でも きっと二度目にはちゃんと産めたはずです。なのに なぜ繁殖させないか と言うと バルダは小さくて 顔も形もアルモリカン牛には似ても似つかないからです。

搾乳できるおとなしい牛が欲しい人なら バルダをかわいがってくれただろうと思います。でも、書類上純粋なアルモリカン種 とされているのに似ても似つかないのでは まるで詐欺です。なので、うちでは去勢たちの数が足らないこともあって バルダをお肉にすることを決め、人工授精もしませんでした。なので今さら 予定変更は不可能です。

と言うことで とうとう業者さんに電話して日にちを決めたのは 先週のことでした。お客様へのご案内に こんな絵が入ったカードも もう送りました。

Viande Lin Can

バルダがトラックに乗って行ったのは 今朝のことでした。バルダは 昨日の夜から牛舎に残しました。ひとりでは不安だろうと イッジーばあちゃんがお付き合いです。みんなが外に行ってしまったので しばらく泣いていましたが 雨が降っていたので 牛舎も悪くない とわかったのでしょう。そのうち泣き止んで 夜はぐっすり寝てくれました。

朝 私が見に行くと バルダがしきりにビートの入ったバケツを指して催促したので 食べたいだけ食べさせました。そうすると イッジーばあちゃんがムームー抗議したので そっちにも投げてやりました。その後 バルダにブラシをかけてやると ぴかぴかの牛になりました。

時間になったのにトラック来ないなー と思っていると 電話が鳴りました。業者さんからで 45分ほど遅れる と言うことでした。よそでまたトラブっているようです。ようやくトラックが着いた時 そのトラブルの種がすぐにわかりました。トラックの中で バカでかい牛が怒り狂っていました。ろくに人間を見たこともない野生の牛は 群から離されトラックに乗せられると パニック状態になります。

トラックの中は4つに仕切られていて すでに3頭の牛が乗っていました。やたら暴れているのが 前から3頭目の牛です。運転手さんは なんとその牛を押さえている仕切りを開けて そこにバルダを入れようとするのです。私はあわてて その気ちがい牛といっしょだったら バルダは渡さない と言いました。お肉販売の予定が狂っても 絶対に行かせない覚悟でした。

運転手さんは困ってしまいました。だいたい、4つに仕切ってあるトラックに5頭乗せよう というのがおかしいのですが、それは運転手さんの責任ではありません。結局、気休めかも知れませんが、バルダの後の最後の牛が《牝牛》ということで、バルダはその牛と乗るように 一番うしろに入れてもらいました。

それにしても ベルトコンベヤ式大量生産の気ちがい牛やそのシステムを目の当たりにして あまりの憤りに うちで大事に育てた牛が行ってしまう悲しさも 吹っ飛んでしまいました。

こちらの農業は ヨーロッパの助成金が年に一頭につき、一ヘクタールにつき なんぼ がベースです。繁殖用の牝牛を上限の80頭(だったと思う)まで飼って 土地(野原)をふんだんに使って 人間と接することのない野生の牛を大量に生産します。牛は 大きなおしりの肉専用種でないと高く売れないので どの地方に行っても同じ種類ばかりになってしまいましたが 一般に出回っている牛肉は 信じられないほどまずいです。

さて、うちのJおじさんですが 今日も《今度から野菜生産に転業しよう。》と言っていました。

ボラン食堂臨時休業

昨日は アルモリカン牛生産者組合(2007年の)年次総会の日だったので Jは朝から留守でした。(と 簡単に言っておきますが、車が凍っていて出発が大幅に遅れたり、向うで迷子になって2回も電話して来たり かなりの騒ぎでした。)

Jがいないと 牛たちはかわいそうに乾草がもらえません。私も一人前に 牛たちをつないで 乾草やビートを食べさせられるようになりたいのですが Jは 危ないから とやらせてくれません。たしかに一昨日 Jが痛い目にあったので 私もすんなり納得しました。

だからと言って 牛たちをハラペコのまま放っておくわけにはいかないので 隣の区画にほんの少し生えた草を食べてもらうことにしました。でも ずっと乾草ばかり食べている牛たちが 急に青草を食べ過ぎて 下痢をしてはいけないので 前の晩から柵は開けてありました。

ところが 夜になって牛舎から放り出された牛たちは いつもの習慣で 草を食べ尽くした区画に戻りました。隣の区画の柵が開いているのには 全く気が付かなくて 牛たちは昨日の朝になっても まだいつもの区画でごろごろしていました。

昨日の朝は 久しぶりに寒くなり(-2℃)、夜の間のほんの少し雪が降ったらしく、牧草地は一面真っ白でした。そんな時に お腹が空いている牛たちが隣の区画に行って 凍った草を食べ過ぎるとそれこそ危険なので 私も知らないふりをしていました。

お昼前に 外にいるお馬さんたちに乾草を持って行ったころには、牧草地の霜も溶けました。なので いよいよ牛たちを 隣の区画に連れて行くことにしました。少し寒いけれどお日さまが出て 外の方がずっと気持ち良いピクニック日和です。それに 真冬に青草が食べられるなんて 本当に幸せな牛たちです。

Carte 080203

Veaux Idji

生まれてから ずっと納屋の横の区画から出たことのない子牛たちは 他の牛たちがどうやって隣の区画に行ったのかわからず 入り口の近くでうろうろしていました。後から来たイッジーばあちゃんと私が 閉まっているはずのところを通って行ったのを目撃して あわてて追いかけて来ました。

こうして一日草だけで過ごした牛たち。夕方になっても飽きずに草を食べ続け、文句を言う牛は一頭もなく 無事にお留守番ができました。

Jが行った組合の総会は ボランくんがいるレンヌのエコミュージアムで行われました。おみやげにポランくんの写真を頼んだのですが 残念ながら 暗くて ピンぼけで 一枚もまともな写真がありませんでした。ボラン君は 私が去年の7月に会いに行った時は 放牧地のひとりでボツン としていたのですが、今は他の牝牛たちと一緒に 牛舎につながれているそうです。

一才を過ぎ(14ヵ月)胴が長い立派な雄牛になったボラン君。あと5週間したら 人工授精センターに行き、検疫期間を置いて採取が始まります。今年の秋には冷凍精液が出回るそうですが 売れっ子になったらうれしいな と思います。

今日は 組合の総会に出席するため パリからこちらに来ていた 畜産研究所のAさんが ボラン農場にお見えになりました。毎年 うちの牛たちを見ていただいているのですが、今回は特にカリプソが目的でした。カリプソも 予定通り人工授精センターに入ることが 決まりました。巻き毛は ベルナデットのようにくるくるでなければ かまわないそうです。

ボランくんもかわいかったけれど カリプソは 下痢をした時 赤ちゃんみたいにめんどうを見たので いっそうかわいくてしかたありません。この子が あと一年ちょっと種雄牛になる と思うとなんだか笑ってしまいます。

FC2Ad