ボラン農場の牛たち

アルモリカの小さな村からアルモリカンArmoricaine牛たちのお話をお届けします。

天国に行ったイッジーばあちゃん



12月に膀胱炎で獣医さんに来てもらった時は もうすでに手遅れで 注射も効かず もう助からないのはわかっていました。だからと言って 痩せてしまわないうちに市場に連れて行くなんて 絶対にできないので、生きられるだけ生かせて、食べられるだけ食べさせることにしました。

あれから毎日 牛たちを牛舎に入れる時、『ああ、今日もイッジーばあちゃん来てる。』と 幸せに思いました。そのうち 下痢が来て、だんだん痩せて、あまり食べられなくなっても 毎日毎日牛舎に来ました。

ところが 15才の誕生日だった26日、イッジーばあちゃんは 土手の前に座り込んだまま立てなくなりました。このごろずっと立ちっ放しで疲れないのかな と思っていたのですが、多分 座ってしまったらもう立ち上がれないのを 知っていたのでしょう。

立てなくなっても それほど具合が悪そうではなかったので 水を飲ませたり、大好物のビートを食べさせたり 少し様子を見ていました。

それでも、土曜日になると 水さえ飲まなくなり、雨に濡れてかわいそうなので トラクターで納屋まで移動させることにしました。その移動が終わって、私たちの小屋の前に寝かせると すぐに息を引き取りました。

これで良かったのか、もっと他にしてあげられることがあったのか よくわかりません。でも、少なくとも私たちがいっしょだったのは イッジーばあちゃんにもわかったはずです。

天国に行ってしまったイッジーばあちゃん。ジュリーやアリスや他の牛たちといっしょに 幸せにね。
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牛飼いへの道

突然ですが、私は牛飼いではありません。牛飼いはあくまでもJであって、私は簡単なこと(水やり、掃除など)しかできません。だから、私が『子牛に耳標を付けました。』とか『マルキーズに注射をしました。』とか書いても、実際に牛を扱うのは いつもJです。

今年も伝染病予防血液検査の時期になり 今週の火曜日(古い話ですみません)、獣医さんに採血に来てもらいました。約束の時間ちょうどにおいでになったのは B先生でした。いつもはできる限り 牛の扱いが上手なM先生に来てもらうことにしているのですが、今回はそうは行かなかったようです。B先生は気難しそうで、私は苦手です。その上、最悪なことに Jはジョンさんちにいる去勢君たちを出荷柵につなぎに行ったきり まだ帰っていませんでした。

牝牛たちは いつものように牛舎につないでありましたが 獣医さんが注射器を刺して採血する間 牛が動かないように 誰かがおさえていないといけません。Jがいなくて叱られると思い 怖かったのですが B先生、『手伝いはあんたか。』と言うのです。私は 牛をおさえたことがない と言ったら『教えてやるから、おいで。』ということになりました。

牛舎の入り口から一頭目はベルナデットです。牛の右の角を私の左手で先端をかくすように握って、牛の肩の位置に立って 牛が動かないようにする と説明通りにやってみました。はじめはいやがったけど どうにか取りおさえました。こうして、順番にやって行きました。

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私がぐずくずしていると叱られそうで、絶対に手を離すものか とがんばったのですが、私の力不足でした。それでも B先生は 辛抱強く、機嫌良くやってくれました。どうやら、今まで苦手と思い込んでいたのは 偏見だったみたいです。

ジョンさんちにいる去勢君たちの採血とカランバーの去勢は Jが手伝いました。私はまだ大したことはできないけど、牛のおさえ方を教わり なんとなく一人前の牛飼いに近づいたような気がして うれしかったです。

それにしても、なんでいつもおとなしい牛に限って こんな時暴れるんでしょうね。

ボラン農場のボケ牛たち

今朝は 昨日の低気圧とこれから来る低気圧に挟まれて つかの間の青空となりました。

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もう三月も終りに近づき 食堂が閉まってしまう前に これまでに出産した母牛の種付けをしたいので 毎日、午前中の見回りは欠かせません。

で ふと気が付くと・・・

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クイズです。この写真にとんでもない間違いがあります。何でしょうか。ヒント:牝牛はみよです。

おわかりになった方は かなりボラン農場通の方です。そうです。みよは 5月に出産の予定です。このごろおっぱいが大きくなってきたとは言え、いくらがんばってもミルクは出て来ない と思うのですが・・・だいごくん、向こう側とこちら側と場所を替えながら、10分位ねばっていました。

だいごくんもボーッとしてるけど みよもみよです。《キャー、ひとのおっぱいさわらんとってや!》とか言うべきでしょ~。これも陽気のせいでしょうか。

春・復活祭・雪

このところ 仕事関係でずいぶん忙しかったので 春分の日は20日だったのか、21日だったのかわからないまま 春になってしまいました。(こちらでは 春分の日から《春》です。)それだけでもあせり気味だったのが 今日は復活祭と聞いて パニック寸前です。

ここは春が遅いので、復活祭より前に種を蒔いてもムダ と言われています。でも、今年はもう来てしまって、ニンニク、エシャロット、タマネギはもとより ジャガイモも植えないといけないのに 菜園の準備などできていません。

それに 実際は春どころか 昨日から雪がちらついています。この冬(春?)最初で最後の雪です。気温が数℃なのですぐに融けてしまいますが、今朝撮った証拠写真です。

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雪がないのは楽ですが、年々雪が少なくなって、とうとう全く降らなくなってしまったのは恐怖です。ほんの数年で それだけ気温が上がった ということですから。

さて、今朝のほんの少しの雪で大喜びした りんりん。いつもは寝てばかりのぐうたら犬なのに 急に元気になりました。雪を食べてみたり、雪に埋もれてみたり、さすがピレネーの犬です。りんりんのために もっと雪が降れば良いのになぁ。

雪が降ると喜ぶのは犬で、猫は外に出たがりません。そういうわけで、猫のカネルは 一日中私たちのいる小屋のまわりをうろついています。怖いものなしのカネル。昨日はこんなことを。

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りんりんとカネルは 仲が良いのか悪いのかわからない、兄弟みたいな関係です。

《だんご》改め《だいご》です

“だいご”やったらええよ とJが言ったので ベルナデットの息子は “だいご”と命名しました。(東京の大吾さん、すみません。お名前拝借しました。)でも、私はつい“だんご”と呼んでしまいますが。

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目が合うと寄ってくるので こんな写真になってしまいました。男の子でここまでかわいいのは初めてです。昨日は 外で眠りこけている間に 置いてきぼりを食らったけど(お母さんはみんなと食堂に)私が呼びに行くと ちゃんとついて来て、ふたりでかけっこになりました。

だいごはまだ小さいし、ベルナデットは後産が停滞しているので 夜も牛舎に居残りです。おとなしく牛舎にいる2頭は まるでぬいぐるみの親子です。

ベルナデットの後産停滞は 今朝獣医さんの診療所に行ってお薬をもらって来ました。それが ホメオパシーのレメディだったので もううれしくなりました。ミルクやお肉が食用禁止になるような薬を使わず、ホメオパシーで治療ができるようになれば それこそ大きな進歩です。

もちろん効き目はありました。夜になると強烈な匂いの大きなかたまりが 床に落ちていました。

今日のボラン農場です。

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ハエが戻って来た日

今日は 朝から青空が出て良いお天気になりました。外にいてもぼかぼかして、は~るがきた、は~るがきた そのものでした。

でも、陽気に浮かれたのは 私だけではありませんでした。ちょっと窓を開けたら 小屋の中がハエだらけなってしまいました。あーあ、またハエとの闘いの季節が来ました。

そう言えば 今朝は牛のふんにも 黄色いハエがたかっていました。でも、なぜ朝からそんなとこにいたか と言うと この子のお付き合いをしていました。

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あの羊毛のベルナデットです。10時頃から産気づいて 放牧地をうろうろ歩き回っていたのですが、お昼ごろからこの体勢に入りました。でも、いくらがんばっても 子牛の蹄しか出て来なくて 本当につらそうでした。

初産の子に 大型牛バンブーの種を付けるんやなかった と後悔しても後の祭りです。なるべく自然に産んで欲しかったのですが、大事を取って共同作業となりました。

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男の子です。ちょっとしんどいお産で はじめボーッとしていましたが、すぐに活発に動き始めました。ベルナデットも若いだけあって元気です。これで一安心 と母子を置いて 私たちはお昼ごはんを食べに小屋に戻りました。

おっぱい飲んだかなー と思って放牧地に戻ると これでした。

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夕方になって 母子をみんなのいる牛舎に入れました。子牛は バンブーの子にしては性格の良さそうな おっとりした子です。顔を見ていて ふと《だんご》(吉備ダンゴ のイントネーションで)と呼んだのですが Jはこの名前が気に入りません。こちらの言葉で 頭がいかれてる という意味だからです。

《花よりだんご》で良かったのになあ。

もう春だね

と歌い出しそうな(私以外にこの歌知ってる人います?)お天気です。3月らしく 晴れたと思ったらにわか雨が降って来たり、あられが降って来たり、また晴れたり とくるくる変わり 洗濯物はとうとう取込んでしまいました。

ボラン農場の春はこれ。

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白菜がなかなか巻かず、大きくならず待っていたら、とうとう花が咲いてしまいました。大根も花が咲くかな と思って見てみたら 立派な大根ができていました。

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これは 凍るのが心配でまだ小さいうちに収穫してしまった残りで ラディッシュのおばけではなくて 大根らしいのができました。これを ブルターニュ産昆布のおだしで煮て、今晩のおかずにします。

今日のボラン農場です。

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おとといが新月の大潮で またまた嵐が来ています。夜中から明日の夜まで大西洋岸に強風注意報 と言われても べつに心配はありませんが、牛たちは風当たりの強くないところに避難させました。

牛たちを移動させる用意をしていたJは 夕方6時15分前になって あわてて村役場に飛んで行きました。今日は市町村会議員の投票日で 投票は6時まででした。

この選挙なのですが T村のような小さな村では投票の仕方が特殊です。まず有志が集まって候補者リストを作成します。このリストは複数あっても良いのですが、今回は1つだけでした。以前、あるリストに入れてもらえなかった人たちが 別のリストで立候補したことがありました。

さて、リストが一つでも二つでも 投票者は、T村の村会議員定数である11人を選びます。リストの中から 村会議員にはふさわしくない と思う人の名前に線を引いて消します。候補者の中に普段から気に食わない人がいたら こんなに気分の良いことはありません。

もし 消し過ぎて人数が足らなくなったら 候補者でなくても 村に住んでいる人の名前を記入すれば有効です。実際に 立候補していないのにいつも票が集まる人がいて,Jも2票もらったことがあるそうです。

今回のT村の選挙では候補者が12人いました。どうしても ひとりだけ落選する人がいるわけです。ひとりだけ なんて きびしいですよね。それなのに立候補した人たちって 勇敢だと思います。

ナントに行って来ました

今日は 牛とは全く関係ない話です。仕事ではるぱる《ナント》というところへ行って来ました。ブルターニュ半島の付け根の ロワール川が大西洋に行き着く少し手前にあります。その昔 ブルターニュの大公さんが代々住んだお城があって ナントの勅令(聞いたことない?)がサインされたところです。

今回は またとない機会なので 早めに行ってゆっくりして来ました。ナントは なんとJおじさんが生まれた(産院がナントにあった)ところで その昔住んだことがあります。でも、話に聞いていたものの その変わりようにはびっくりしました。

ここはトラムが交差する街の中心の大通りです。これお昼前なんですけど、ほとんど車が通っていません。

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だいたい街の真ん中は どこに行っても車が少ないです。と言うか、車が通りにくくなっているようです。その分 歩道は広いし、歩行者にとっては天国です。ふつうの日なのにえらい活気で、その上清潔で これだと市民の満足度も高いだろう と思います。(ちなみに今度の日曜日は 市会議員選挙で事実上の市長選挙。)

午後の仕事場までの時間を考えて 少し早めに食事をすませようと 観光案内所お薦めのお城側の旧市街に行きました。

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このあたりは 昔から歩行者専用だったので さほど変わっていないようですが レストランやお店は倍ぐらい増えたような感じです。

クレープがいいかな、サンドイッチでもいいか とかキョロキョロ歩いたのですが、まだ12時5分前だったので 閉まってるとこばかり。ええーっ、どうしよう と思って歩き続けると 日本の定食屋さんみたいなレストランに行き当たりました。さすが日本食レストランで もう営業していました。

選んだのは一番安い串焼き定食。お魚も鶏肉も同じタレで焼いてあっておいしかったです。ふと 隣のおっちゃんのところ来たものを見ると・・・

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ねー、お昼からこんないいもの食べてるんですよ。それも 労働者風のごくふつうのおっちゃんが。お茶碗に入った白いごはんに お醤油ぶっかけて食べてました。他のお客さんを見ても ごくふつうの学生風の若い人たちから年配の人たちまで ごくふつうの顔して のり巻きやにぎり寿司やお刺身を食べてました。もうびっくりした と言うか 時代は変わった と言うか うーん、ボラン農場もレストランを始めるべきか 真剣に考えてしまいました。

さて、トラムに乗って仕事場に行って、今度は帰りです。電車の時間までまた街をぶらぶら。

ここはロワイヤル広場。ここも車閉め出しです。周りの建物も磨かれて、一段ときれいになりました。

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早めに駅に着いたので 駅前の植物公園に行ってみました。

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T村にいるとなかなか気が付かないのですが、もう春が来ています。スイセンも咲いたし、桜も咲き始めました。

と 久々の大都会でした。ナントは とても良いところですから みなさんも機会があったら行ってみてくださいね。

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