ボラン農場の牛たち

アルモリカの小さな村からアルモリカンArmoricaine牛たちのお話をお届けします。

モロッコからシベリアに

最高気温がやっと14℃、なんて日が続いたと思ったら、急に30℃まで気温が上がったのがこの日曜日。あんまり暑くて、Jおじさんも私も半袖、というふつうではありえないことになりました。翌日、月曜日も同じ暑さで驚いていたら、なんでも、モロッコから南風に乗って熱気が流れて来たとか。

でも、昨日は風向きが変わり、冷たい北東の風に逆戻り。昔、このあたり、ブルターニュの山奥を《シベリア》と称したそうですが、それが身にしみてわかります。

暑くなったし、お天気も良くなったので、どこの農家も乾草作りを始めたのに、うちのJおじさんは、またまた出遅れてしまいました。これもみんな、当たらない天気予報のせいです。

インターネットは全然ダメだけれど、これだけは見られる という天気予報があるのですが、これがまた当たらない。それを知っていて、半信半疑だったけれど、日曜日と月曜日は雷雨 と出ていたので、ずっと良いお天気だったのにかかわらず、Jおじさんは、草を刈るのを見合わせました。(よそは刈った。)

ところが雨は全く降らず、月曜日の午後に、あわててトラクターに草刈り機を付け、今年初の乾草収穫がスタートしました。今年は、草の量が極端に少ない上、毎年刈らせてもらっていた3ヘクタールがダメ というひどいことになったので、少しの失敗も許されません。あさってが新月で、次の日曜日は雨の予想なので、機械の故障がないことを祈るばかりです。

さて、もう先週から、食べる草が少なくなってぶーぶー言い出した牛たち。なぜか、暑かった間は、おとなしくしていました。でも、これ以上草をかじられたら枯れてしまうので、昨日、並木道を渡った向かい側に移動しました。

これから移動。何にも言わないのにもうわかってる牛たち。(ファンタだけわかってない。)
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どうしても先頭に立ちたがるバランチーヌとファンタ。
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後ろの方は押し合いに。
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あぁ、極楽、極楽。
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牛たちが無心に草を食べてる風景は、天国そのものです。
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ハーブ・アルモリカン

一昨日、デラックスが、お肉になりに出発しました。

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出荷柵に入るまで、みんなで待っていた所に、カモミーユ(カミツレ)が一面ぎっしりと生えていて、多分それを食べたから、お肉にその甘い風味が付くでしょうか。

デラックスは、ABマーク(無農薬・有機)を取った後に生まれたこともあって(ABマークの付いた飼料など、高くて買えない)、ボラン農場産の草以外は、一切食べていません。今までに、《草だけ》を何度もアピールして来ましたが、本当に、草(青草か乾草)しか食べさせていません。草のサイレージもゼロです。

でも、穀物とかちょっと食べさせるんでしょ なんて言わんといてください。本当に、草100%です。

『牛は、自然に生える草だけで生きて行けるんです。』

だから、農作物(穀物など)は、牛に食べさせてお肉にするよりも、直接人間が食べた方が効率が良い と言う人に、じゃあ、野草を食べてください って言いたいです。

人間が食べない草だけで育てたし、もともと時代遅れのアルモリカンだから、体重も大したことはないし、枝肉重量対精肉の歩留りも悪いです。このごろ、最低の歩留りが続いたので、まあ、54%出れば良い方 というレベルの低さ。ちなみに、前回のアンガスくんは、70%だったとか。

久々のタンブーの子で、その機敏さは良く心得ている(電気が通っていても、柵を飛び越える)ので、Jおじさんも、今回はちょっと緊張気味でしたが、無事に出発しました。トラックには、また偶然にも顔なじみの(何度もうちに侵入して来た)お隣の牛が乗っていて、少しは気がまぎれたかな。

デラックスの写真をもう一枚。母親のみよにそっくりな顔をしています。

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さて、ボラン農場では、前々回の6月12日以来、毎日なんだかんだと雨が降り、今日はやっと雨なしの日になりました。前にも書いたけれど、ここのお天気は、何でもまとめて来られるのでいやになります。

遅れ挽回のボラン農場案内図です。

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オスカルは、ぼぉ~っとしているようでも、なかなか機転の利く名(迷?)犬です。

ビール・アンガスを食す

先週の月曜日のことです。(前回でやっと追いついた と思ったら、また遅れを取りました。)アルモリカンに興味を持って、以前お電話くださった方が、ちょうどこちら方面に用事があって、ボラン農場に寄ってくださいました。

そのAさんは、ここからもっと西に行った隣の県で、年に1万1千リットルもの泌乳力を持つホルスタインをメインに、ご主人と大規模な牧場を経営されているそうです。お供のMくん(3才)もめちゃかわいかったけれど、Aさんは、エネルギーのかたまりみたいな方で、興味のあることに対する熱心さや行動力には圧倒されるばかり。

その新しいチャレンジの一つが、この地方産の牛であるアルモリカン(牝牛だから本当はアルモリケヌ)の泌乳能力を試すことで、これには私たちも、ものすごく興味があります。この話はまた改めてすることにして、早く表題に移ります。

電話でお話しした時、Aさんの牧場では、アンガスも飼っている と聞き、今度は私たちの方が興味を持つことになりました。和牛以外では、世界で一番おいしい とされているアンガスは、フランスでは、アルモリカンに負けないくらい珍しい種類です。何年か前に調べた時は、フランス全国で数カ所にしかいなくて、見学に行くには遠い所ばかりで、私たちにとって、アンガスは幻のお肉のままでした。

さて、Aさんのもう一つの特色は、日本が大好きで、日本語を勉強していて、日本人のお友達も多く、一年に二回は日本に行くことにしているそうです。(うらやまし~。)だから、当然おいしいお肉のお手本は、和牛。そうです、Aさん牧場のアンガスは、サシが入るように育てられているのです。マッサージにビール。そうして肥育されたのがこれ。

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もっと近くで。

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和牛の霜降りを見慣れている方には、どうってことないかも知れませんが、このアンガスくんは、18ヵ月 と聞いて、ため息が出ました。うちで言うと、ジョンさんちに行ったばかりの去勢たちがこの年齢で、まだ背ばっかり高いガキです。この骨付きリブが、1キロ100グラムだったので、枝肉の重量は、500キロ近かったのでは と思います。(うちでは、このところ400キロ以下で、リブ一本900グラム。)後日送っていただいた写真を見て納得したのですが、アンガスは、アルモリカンより数倍成長が早そうです。

月曜日にいただいたこれを冷蔵庫に入れたまま、私は火・水と仕事で留守をして、家に戻った木曜日に、いよいよ試食を行いました。

このアンガスくん、若いだけあって、見た目も柔らかそうだったけれど、丸のままオーブンで焼いたのを切り分けよう とナイフを入れると、まるでケーキを切るようにススッと入って行き、びっくり仰天。ビール・アンガスは、まるで仔牛肉のように柔らかかったです。

もらいものだから、たった二人で、1キロ100グラムの骨付きリブを焼いたけれど、パリの和牛専門店では、これをキロ二百何十ユーロで売っていたとか。すると、これ・・・・、すごい贅沢なんだ と改めて認識しました。

サシが入るように育てられただけあって、脂身は多め。Jおじさんは、いつも、うちの脂身だらけのお肉に慣れているはずなのに、おいしいけどそんなにたくさん食べれない と。そう言えば、この脂身、お肉を切ったナイフがすぐに白くなったり、取っておいた肉汁があっと言う間に固まったり、私は、またびっくりしてしまいました。脂身の融点が低いからそうなるんだ とその時思ったのですが、後でよくよく考えてみたら、必ずしもそうではない?

Aさんちも、私たちと同じで、真空パックしたものを、ごく普通のお値段でお客さまに直接売っているそうですから、こんなに柔らかいお肉は、私たちには手ごわい競争相手です。でも、うちのような零細農家も、Aさんちのような優秀牧場も、それぞれに適した動物や飼育方法があり、それぞれ違った役割があって、両方とも存在するところがまた良いんだ と言うのが今日の結論です。

あめ、あめ、ふれ、ふれ

このところ、水滴の数が数えられるほどの超小雨があったと思ったら、金曜日にはちゃんとしたにわか雨が降り、今日はとうとう一日中雨になりました。これで、水不足も、草不足も解消 というわけにはいかないけれど、まずは、ほっと一息です。

だなえの出発と前後してしまいましたが、ボラン農場で冬を過ごした去勢一年生たちは、もう先週の日曜日に、羊飼いのジョンさんちに行きました。これからは、お兄ちゃん牛たちと、一人前の去勢牛生活が始まります。

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これで、全部で17頭だったボラン農場の牛たちが、14頭になり、そして今は13頭になりました。ボラン農場には牛13頭 というのがアルセーヌおじさんの代からの習慣で、べつに意識してないのに、なぜかいつも13頭で落ち着くのは不思議です。

先週は、去勢たちを移動した後、火曜日にユーチカの人工授精。そして、みんな牛舎に来たついでに、獣医さんに来てもらって、血液検査やり直しの採血もやってしまいました。それに、牛たちがいた放牧地も、もう草を食べくしてしまったので、いつもは牛たちを入れない半分湿地の牧区に行かせるのに、新しく柵を立てたり、いやに忙しい週でした。

ああ、これで《ボラン農場案内図》の遅れを取り戻した と思ったのもつかの間、牛たちが騒ぎ出したので、明日にでも林の入り口にある小さな牧草地に移動できるように、Jおじさんが柵の準備を始めました。

フェスト・ナットのママは・・・

『私のママが誘拐されました。みなさん、助けてください。』とか言ってるのは、フェスト・ナットです。

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昨日、だなえがかわいいトレーラーに乗って、出発するまで、そして出発した後も、何も言わず、ずっとこのスタイルで見ていました。

フェスト・ナットは、もう11ヵ月で、もうとっくにおっぱいは拒否され、お母さんなしでも大丈夫な年頃です。でも、他の子たちはみんなお母さんがついているのに、ちょっとかわいそうかな。

だなえは、お父さんが《ウラニウム》の、世界にたった一頭しかいない牛です。でもそれ以外は、可もなく不可もなく、ごく普通のアルモリカンにしか見えません。まあ、骨が細めで、胴長なので、このままボラン農場にいると、ある日お肉になってしまう可能性も、ゼロではありません。だから、それよりも、末永くかわいがってもらえそうなお家に、お嫁に行かせることにしました。

行き先は、ボラン農場から十数キロのところで、牛は他に二頭いるそうです。二頭では食べきれないほどの草があって、だなえはラッキーです。でも、大食いシスターズ姉の子で、食べるのが大好きだから、デブになりませんように。

フェスト・ナットの方は、放牧地に見に行くと、昨日はまだ泣いていたけれど、草を食べながら休み休みだったので、心配しませんでした。今朝は、もう泣き止んだみたいです。

みんな、なんかおかしい

この春(こちらはまだ春)は、記録的に暑くて、雨も極端に少ないそうです。ふつうなら、雨ばかり降って脳ミソも腐りそうになる というのがここのお天気なので、こんなに降らないと、心配を通り越して、これはきっと何かの前兆 とか・・・。

と言うのも、このところ、『その人、頭おかしいんちゃう?』と思うようなことが続いたからです。いえいえ、日本でも、フランスでも、政治家が信じられないような言動をするのは、今に始まった事ではありません。そうではなくて、私たちの周りの人たちで、今まであたりまえのようにしていた事が、突然できなくなった と言う話です。

その一:
毎年のように牛たち(24ヵ月以上)の血液検査をして、獣医さんからその分の請求書が来ると同時に、電話がありました。うちの牛たちの血液がダメになっていて、検査できないから、もう一度採血しないといけないので、いつが良い と。

ねえ、ちょっと待ってよ。年次の血液検査は、費用の払い戻しを受けられるけど、一回に限られてるでしょ。(去年の先生は、ボラン農場とジョンさんちの両方に行ったから と往診費二回取ったけど、払い戻しは一回分だけ。)誰が、二回目払うの、と聞くと、答えは、『そりゃ、あんたたちやん。』?!

血液がダメになったのは、獣医さんか、配達人か、血液検査担当者のだれかが、冷蔵庫にも入れず、放ったらかしにしたせいでしょう。関係した人の中で、全く責任がないのが明らかなのは、私たちです。その私たちが、どうしてやり直しの費用を負担しないといけないのか、全くスジの通らない話です。自分のミスを隠している人、それを知りながら平気な顔して往診料を請求する人。みんな、なんかおかしい。

その二:
前にもあったけれど、このところ続けて三回、郵便配達人が、《書留が来てるからココに取りに行ってください》という通知を郵便箱に入れて逃げて行きました。三回とも、私たちは家にいたから、郵便屋さんが並木道の向こう側(郵便受けがある)で止まって、100メートル先の家まで来てくれなかったのは、明らかです。

三回とも、私の仕事関係の大切な書類で、通知にあるように、翌日の15時以降に指定されたお店に取りに行ったのでは、郵便物の収集時間が15時45分なので、すぐに内容を確認して返送することは不可能です。書留の素通りは慣れているので、すぐに郵便局に電話して(公開されていない電話番号)、その日のうちに取りに行きました。そこで、私たちがいたのにかかわらず、ちゃんと手渡してくれなかったのはおかしい と言いながらも『クレームは本人にしてください。』?!

怒ったJおじさんは、郵便屋さん素通りの度に、次の日待っていたのですが、なぜかいつもよりずっと早く来たり、うちへの郵便物がなくて来なかったり、未だにご本人とは顔を合わせたことがありません。

郵便配達人がなぜ、車に乗ったまま100メートル進んで家まで来るのを嫌がるのかわからないし、そういうことが三回あった と言っても『いえ、私のレベルでは何ともできませんので・・・。』と言う郵便局の人。みんな、なんかおかしい。

と言っていたら、とうとううちの牛たちやお馬さんまでおかしくなった というのが今日のボラン農場案内図です。ちょっと古い話ですが。

それは、ここから始まりました。Jおじさんがトラクターで水を運んで来たのと同時に、牛たちの移動です。

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牛たちが移動した新しい放牧地は、冬の間に野生の動物(鹿または隣の牛たち)が柵の一部を壊して行ったのを知っていたけれど、先に修理に行くと、牛たちが《早よせー!》とうるさいので、まず牛たちを入れて、草を食べている間に というのがJおじさんの作戦でした。

ところが、牛たちは、突如興奮し出して、群れになって放牧地を猛スビード行ったり来たり。柵は、もう一カ所壊されているのを発見し、何かの拍子に牛たちが出て行きはしないか、私たちは大あせりです。私がワイヤーの切れたところをそれぞれ右手と左手に持ち、柵の一部になっている間に、Jおじさんがほとんど放牧地を一周して、やっと全部つなぎ終えました。

牛たちが走り回ったので、いっしょに興奮したお馬さんたち。どさくさまぎれに、柵を体当たりでぶっ飛ばし、大脱走をしていました。(柵の修理のために、電気を切ってあった。)それがわかったのが、私一人で(オスカルと)家に戻った時で、お馬さんたちが家に見とれていて、ボラン農場から出て行かなかったのが幸いでした。

ィヤッホー、マルキーズ!

ボラン農場のカンバンばあちゃん、マルキーズは、5月20日に15才になりました。生後一週間でうちに連れて来た時、必死に逃げ回って、《野蛮牛》のレッテルを貼られたけれど、今は、何でも言うことを聞いてくれる、理想のばあちゃん牛です。

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そのマルキーズ、昨日、授精師さんにエコーで妊娠鑑定してもらって、OKでした! まあ、せっかく発情したから と人工授精してみたけれど、それほど期待していませんでした。それが、OKとわかり、久々の明るいニュースとなりました。やっぱり、《すもう》のおタネがとりわけ元気だからでしょうか。

で、授精師さんにエコー検査を頼んだのは、だなえがよそにお嫁さんに行くための準備です。ついでに、マルキーズも、ベルナデット(検査しなくても、妊娠してるのは歴然)も診てもらいました。バランチーヌ(みんなの中で一番騒いだ)もつないだけれど、まだ人工授精から21日で、検査不可能でした。

そう、だなえを手放すのは、口減らしのためです。とにかく、雨が降らなくて草が全く伸びず、この先、牛たちに食べさせる草の確保が困難 と見て、買ってくださる方がいれば、毋牛を売ることにしました。

でも、ご心配なく。マルキーズとベルナデットだけは、何があっても死守します。それに、かわいい子牛たちが7頭もいるし、お肉のストックは今のところ充分だし。

昨日は、南端の放牧地から、まるで毎日のことみたいに、きれいに一列に並んで(グリ子とジゼルだけははしゃいだ)牛舎まで登って来た牛たち。このところ、いつもここの木の下で休んでいます。

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牛たちがどんどん南に移動したのに、ボラン農場案内図は遅れたまま。急いで挽回しないと。

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