ボラン農場の牛たち

アルモリカの小さな村からアルモリカンArmoricaine牛たちのお話をお届けします。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

『こちらからお電話します。』と言われたら

Okazou - Lutic

ファンタが出発した次の日に、おんまさんたちは、ボラン農場に戻って来ました。私の担当じゃないので、あまりかまってやりませんが、それでも、すぐ近くにいると思うと安心です。

うちの最後の雄牛、リュリュくんも、去勢牛になりました。去年、ジョジョとジャコは二頭とも失敗して、ひどい目にあったので、毎日監視中。(少し、しわしわになって来たので、大丈夫だと思う。)

さて、今日のテーマですが、『これがフランス流か!?』と最近つくづく思ったことです。

『お電話します。』と言っておいて、何の連絡もしてくれないのは、農業を得意とする某保険会社でした。

車の保険料が、今契約している別の保険会社より安そうだから、電話で問い合わせたら、
『今、料金の改定をしているところなので、二週間後にお電話します。』と。
あれから、1年位経ってます。

次に、任意共済保険の期限が切れるので、問い合わせたら、
『えっ、保険は全部1月1日から12月31日の契約になっていて、そんなのはありませんけど。』と言うので、
『うちのは、国の援助を受けていて、9月30日までです。』と答えたら、
『ちょっと、その契約が画面に出て来ないので、明日、こちらからお電話します。』と。
その後、音沙汰なしでした。

強制加入の社会保障費は、けっこう高いのに、医療費100%カバーしてくれません。自己負担分を軽くするために加入するのが、任意の共済保険です。低額所得者のわが家は、そのために国から援助を受けているのですが、毎年、その更新手続きに苦労させられます。

『こちらからお電話します。』と言われたのに、全く連絡がないので、一ヵ月ほど後に私が電話すると、
『7月からシステムが変わって、国の援助付きは、一定の機関にしか加入できなくなりました。うちが窓口となっている機関は、○○○で、直接そちらに問い合わせてください。電話番号(特殊番号:通話料金込みの契約でも、別に加算される)は・・・・・です。』
システムが変わったなんて、全く知りませんでした。更新時期が迫っているのに、その保険屋さんから何の案内もありませんでした。

とにかく、その新しいシステムとはどうなっているのか、インターネットで調べることにしました。また、私たちのことを放ったらかしにした、あの保険会社が窓口になっているところには絶対に加入したくないので、他にどんな機関があるのか、見てみました。

そうして選択したのが、某農業銀行が取り扱う保険でした。保険料はよそより安いし、窓口となるその銀行の支店がすぐ近くの町にあります。

ちょうどその町に行く用事があったので、銀行に行くと、
『その保険だったら、ここよりも電話で問い合わせた方が早いですから、こちらに電話してください。』と。
『いえ、この保険専門の係に電話したら、どこでも良いから支店に行って手続きしてください、と言われたんですが。』と言っても、聞く耳持たず。
家に帰って電話せえ、と言うことです。

お客さんに対して、こんな失礼なことはない、と私は思うのですが、どうでしょうか。これは、各電話会社がよく使う手です。わざわざお店に行っても、追い返されますから、ご注意ください。

でも、今日のテーマは、それではありません。

その農業銀行にも腹が立って、結局、保険会社や銀行を窓口としない、直接コンタクトできる別の機関を選びました。電話も無料の番号で、すぐに出てくれて、感じが良かったので、契約書類を送ってもらうことにしました。

でも、その書類がなかなか届かず、そうしてるうちに、やっぱり、あの農業銀行の方が100ユーロ安かったなぁ、100ユーロは大きいよなぁ、と気になって来ました。

それで、今度は、前に行ったところより近い(小さい)支店に問い合わせて見ることにしました。
すると、今度は、すんなりアポが取れ、すぐに契約するつもりでその銀行に行きました。

私たちはその銀行に口座を持っていないので、あれこれ聞かれ、保険料も聞いていたより高いことが判明しても、まあ、しょうがないわ、と動揺せず、1時間以上経って、後はサインだけ、という時に、担当者いわく、
『自動引落しではなく、小切手での支払いはできないかも知れません。』
本店に問い合わせたくても、もう閉店時間をとっくに過ぎているので、誰もいません。

『明日、本店に問い合わせてお電話します。』

もちろん、お電話などありませんでした。

次の日、無料電話番号の機関から書類が届いたので、そちらと契約しました。

フランス流では『お電話します。』は、どうも断りの手らしいです。

まあ、とにかく今年の契約更新はこれで一件落着、と思っていたら、大間違いでした。

一昨日、あの農業銀行から郵便で、
『ご契約ありがとうございました。年会費を以下の口座から引き落とします。』!?

さすがの私もびっくりしてしまいました。その銀行はちょうど定休日で、直接なぐり込みにも行けず、契約していないことは明らかでも、お金は盗られるかもしれない、と不安な1日を過ごしましたが、昨日、(やっと)担当者から電話があって、インプットミスでレターが送られただけ、とわかりました。

こんなことがしょっちゅう起るお国がらですから、繊細な感性をお持ちの方には耐えられないでしょうね。

Mutuelle加入のため、Aide au paiement d'une complémentaire santé (ACS)を受けられる方のご参考になれば、と以下に私の体験談を追記します。 【“『こちらからお電話します。』と言われたら”の続きを読む】
スポンサーサイト

アルモリカン雌牛300頭

毎年夏の終り頃に(もう一ヵ月以上前に)パリの畜産研究所から、前年末でのアルモリカン雌牛の頭数やオーナーの数を集計した小冊子が送られて来ます。頭数が少なくなり、保護活動が行われているフランス種の牛、全13種は、パリの畜産研究所が管理しています。

それを見ると、2014年末に、アルモリカン種のメスの数が300頭を超えました。保護しないと絶滅してしまう、と言われた時に20頭いなかったアルモリカン雌牛が、30年以上かけてやっとこのレベルに達しました。これだけの頭数になると、今後は急激な増加をたどることでしょう。

全体の頭数が増えたのに対して、オーナーの数はほとんど増えていません。以前は、個人が庭に1〜2頭、というのが主流だったのが、数十頭を飼う《生産者》と呼べる人が出てきたからです。

それは結構なことなのですが、それで、どんなアルモリカンになるのだろうか、と少し気になるところです。

もともと、牛はミルクが目的で飼われていました。家に牛がいるのに牛乳がない、なんてことはあり得ませんでした。ですから、アルモリカンも、あたりまえのように搾乳されていました。どこの農家でも、牛乳またはクリームは、大切な収入源でした。そのために、毎年必ず副産物の子牛が生まれ、オスはお肉になりました。(正確に言うと、子牛で売るか、農作業に使った後肥育してお肉になった。)

牛は、ずっと昔から、農家の大事な家畜として、人といっしょに生活して来たものです。そういう過去のある牛だから、アルモリカンも、人間好きです。

残念なことに、アルモリカンを搾乳し、乳製品に加工し、朝市などで売っていた人達は、次々にお肉生産に移行してしまいました。確かに、今のアルモリカンの乳量は少ないので、商売として成り立たせるのは難しいのでしょう。

ミルクもお肉も、どちらも得意だったアルモリカンが、こうして今は、肉専門牛になってしまいました。肉牛、とは言っても、ほとんどの生産者が売っているのは、8ヵ月までの仔牛肉です。そこまで大きくなると、お肉は真っ赤だし、牛肉の味がします。それが、アルモリカンだと、とびきりおいしいのだそうです。

なぜ、仔牛肉でもない牛肉でもないものを販売するのか、それにはアルモリカン特有の理由があります。もちろん、他の肉専用牛(リムザンなど)の8ヵ月仔牛肉も存在しますが、アルモリカンの場合、これがほとんどのようです。

アルモリカンのお母さんは、肉牛にしては乳量がとても多いので、子牛がおっぱいを飲んでくれないと困ります。だから、仔牛肉ギリギリの8ヵ月まで待つ傾向があります。

うちの例ですが、放っておくと、お母さんは、次の子牛を産む直前まで、一歳になった前年の子牛におっぱいを飲ませます。これを無理やりやめさせると、お母さんは乳房炎を起こします。じゃあ、搾乳してあげようとしても、がまんして出してくれません。だから、もうあきらめて、やりたいようにさせていますが、一頭のお母さんに子が二頭(その内一頭はお母さんと同じ大きさ)食らいついているのを見るのは、稀ではありません。

反対に、オスは、8ヵ月になると一人前の種雄牛の役を果たせます。だから、それまでに出荷してしまうと、去勢しなくてすみます。

もちろん、最長8ヵ月で子牛を出荷すると、回転が良くて、収益も上がります。仔牛肉なので、成牛の牛肉よりも、キロ当たりの値段も高いです。そういうシステムだと、全体の頭数も少なくてすむので、土地がそれほど広くなくてもできるなど、良いことばかりです。

じゃあ、なんでボラン農場もそうしないの、とおっしゃるでしょう。

じゃあ、私は、こう言います。
あんなにかわいい子牛を食べれる?

せっかくうちに生まれて来てくれた子牛に、短いながら、できるだけ幸せな生涯を送って欲しいんです。そのためには、牛は家畜ですから、私たちと関わり合って、この人たちに任せておけば大丈夫、と思ってもらいたいんです。(時には、信頼を裏切ることもあるけれど・・・。)

牛たちのいる毎日は、ゆっくりで、楽しいです。
特に、アルモリカンは、そんな毎日に適した種類の牛です。

Lana Lilie

ファンタ出発

ボラン農場のアルモリカンで、こんなに愛想の良い牛はいなかった、と自信を持って言えるのがファンタです。お客さんが来ると、すかさず、『あんた、だれ〜?』と見に来ては、頭をなでてもらいました。目がよく見えないのか、独特のまなざしで、人の顔をじっと見つめる子でした。

でした、と言うのは、今日、お肉になりに出発したからです。

Jは、また、菜食主義になる!と言っています。

ファンタは、母がバランチーヌ、父がすもう、と抜群の血統を持った牛です。ところが、どういうわけか、ファンタ本人(本牛)は、やせっぽちで、おっぱいも貧弱で、性格以外は良いとこなしの牛です。

第一子出産の時に、思いっきり引っぱってやっと生まれた息子が《イマジン》。ひ弱で、なかなか大きくならず、2才を過ぎた今も、他の去勢に比べて見劣りします。

逆子の横向きで、獣医さんに来てもらって生まれたのが、第二子の《ジャンボ》。牛のお産に獣医さんを呼んだのは、この20年で2回目で、本当に稀なことです。幸い、子牛が小ちゃかったので、お腹の中で反転させることができ、母子とも無事でした。その《ジャンボ》も、いつまでたっても大きくなりません。

ジャンボを産んだ後、ファンタはふつうに発情したけれど、種が付かなかったのか命取りでした。

Fanta-Jumbo-Gisele
ジャンボ(左)が去勢組に行く前の写真。右はお友達のジゼル。

せめて最後は怖い思いをしなくてすむように、と前回から○○場へは、Jが自分で連れて行くようになりました。そのために、牽引免許を取り、車+トレーラーの重量制限内で、しかもそれなりの馬力のある車種をみつけ、その中古を探し当て、それを引き取りに行くまでずいぶん苦労しました。

でも、これで、うちのかわいい牛を、生まれて初めてトラックに乗せられ、恐怖で暴れ狂うよその牛たちといっしょにしないですむようになりました。

今日は、業者さんのトラックなら午前中にお迎えだったところが、うちは午後からで良く、時間的にも余裕がありました。

午後から準備を始めて、いざ、ファンタを呼びに行くと・・・・

みんなとお昼寝していたのに、私たちが行くと立ち上がって、うれしそうに牛舎目指して駆け出しました。おかげで、いっしょに来たがった子牛トリオを振り切り、一頭だけで牛舎へ。そして、牛舎を通り抜けて、反対側に駐車していたトレーラーに乗せるまで、5分とかかりませんでした。トレーラーには何度も乗っているので、無理やり押し入れる必要もありませんでした。

私たちを信頼して、安心してトレーラーに乗って行ったファンタ。
おいしいお肉になって、それを感謝していただくのが、私たちにできること、かな。

FC2Ad

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。