ボラン農場の牛たち

アルモリカの小さな村からアルモリカンArmoricaine牛たちのお話をお届けします。

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らなちゃんの不運



ちょっとたれ目がかわいい、らなちゃん。16ヵ月になりました。
昨日は、らなちゃんの人工授精がありました。

並木道から北側の放牧地にいる牛たちが、牛舎に近い牧区にいる間に、大きくなった一年生たちと、出産後なかなか発情しないいちまの人工授精をしてしまう計画でした。そのために、好みの種雄牛の冷凍精液も、ちゃんと注文しておきました。

そして、予定通り、一昨日の夕方あたりから、まさお(5ヵ月)が、らなちゃんのお尻にくっついていました。
夜中に牧草地からバタバタ音がするので見に行ったら、リリーが、らなちゃんをしつこく追いかけまわしていました。
朝になっても、リリーは、しきりにらなちゃんに乗ろうとしていました。(でも、発情してるのは、らなちゃんだけ。)

人工授精センターに通報です。

午前中に電話すると、午後、授精師さんが来てくれます。あの感じだと、午後がちょうど良さそうです。

授精師さんが来るのは午後2時から5時頃の間。らなちゃんを牛舎につないだら、私は、先に買い物に出かけました。Jが家にいるし、希望の種雄牛は電話した時、番号をインプットしておいたし、私が留守の間に授精師さんが来ても大丈夫、と確信して。

スーパーで買い物をしている間に、携帯が鳴りました。Jおじさんです。

『授精師さん、来たけど、ディアウリグ(私が注文した牛)ないんやて。』

『ええっ!!!』としか言えません。

授精師さんによると、システム上は、ストロー15本、とインプットされているのに、ボンベの中には1本もなし!
どこかにあるはずだから、それを持って明日の朝また来る、と。

でも、らなちゃんの発情が始まったのは昨日の夕方です。明日の朝だともう終わってます。

しょうがないので、あるもので済ますしかない、ということに。

授精師さんが持ってストローのうち、ボラン(らなのおじいちゃん)以外は、名前も聞きたくない私たちの大嫌いなタイプの牛ばかり。その中から一つ選べと言われても、どれが最悪の中で一番マシか私には判断できないので、そこはJに任せてしまいました。

しばらくして、Jから携帯にメッセージが届きました。

『Alxxxx !』(種雄牛の名前)

カバのような牛がいる牧場で生まれた牛です。

私のかわいいらなちゃんがカバを産むのか、と思うと涙が出そうです。

食べ物を与え過ぎ、カパのようになり、脂肪過多でとうとう見捨てられる、という運命をたどったアルモリカンです。絶滅しそうになった当時と同じことをしてはいけない、とボラン農場ではアルモリカン牛形成以前の原種の特徴を持った、スリムなマルキーズをベースに、見た目も良い健康な牛を選んで育てて来ました。

それが、人工授精センターや授精師さんの理解や協力が得られないため、計画通りにできない、と腹立たしく思います。今までに、こういうトラブルは何回もありましたから。

『自分が注文したものが無い!』と怒るJに、授精師さんは、『この忙しいのに、何でも良いから早くしろ!』といら立ったそうです。

他の生産者さん、授精師さん、その他業界の人達なら、らなちゃんがだれの子を産もうが、子牛一頭に変わりはない、と思うでしょう。でも、私たちは違います。

生まれた子牛がオスなら、3年後にお肉になります。そのお肉がいつもよりおいしくなかったら、お客さんを失うことになりかねません。

ボラン農場では、たくさんの頭数が飼えないので、一頭一頭がとても大事です。人工授精センターは他にはないし、思い通りにしたければ、ストローを買って自分で人工授精するか、または、気に入った種雄牛を飼うしかないのでしょうか。


昨日、私が出かけていなかった間に、わけの分からないことをされて暴れたらしい、らなちゃん。いつもかわいい子だから、どんなにデブな子牛を産んでもかわいがってあげるね。
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はあぁ???



写真は、新しい牧草地に移動した時の牛たちです。タイトルとは関係ありません。

びっくりしたのは、巨大去勢牛イノックスの枝肉重量です。

392キロ!

たったの・・。いなりは、461キロあったのに。

見てください、前にお見せした写真です。
160504.jpg

左端のいなりと、右端のイノックスに70キロの差があるように見えるでしょうか。
私は、イノックスの方がずっと重い、と思っていました。

確かに、いなりは胴が長くて、やっとこさトレーラーに収まったけれど、イノックスは、すんなり入れました。でも、幅の広さや、お尻を見ると、イノックスの方が大きかったのに・・・。

ランクは、どちらも肉付き《O=》。でも、脂身は、いなりが4(標準より脂身が多い)、イノックスは・・・

3でした。

ふつうです。
イノックスのお尻のこぶ(ラクダのこぶと同類)は何だったのでしょうか。私は、絶対に5(脂肪過多)だと思ってたのに・・・。

これは何かの間違いだ、と思ったのですが、そう書いてあるのだから、うそだ!とは言えません。Jが来週、モツをもらいに業者さんまで行くので、もう一度確認してもらいますが、まさか、あのリムジンと取り違え、なんてことはあり得ません。リムジンだと、お尻が大きいので、肉付き《O》なんてことは考えられませんから。少なくとも《R》です。

私は、イノックスの外見を見て、
枝肉重量、約500キロ、等級R5、と決めていたので、えらい期待外れです。

業者さんの予想では、枝肉/精肉の歩留りが58%で、10キロ入りが22〜23箱、ということですが、きっと、iマックの時のように、開けてみたら脂身だらけで歩留りは54%以下になると思います。

とすると、21箱。
もう、ほとんど売り切れです。きっと28箱位できる、と販売促進計画を立てていたのに・・・。

残り数箱。お客さんから注文があると、もうない、とは言えません。
じゃあ、私たちが食べる分は???

見るからにおいしそうなイノックス。これが食べられなかったら、すごく後悔することでしょう。

お次はイノックス

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いなりが行ったばかりなのに、昨日はもうイノックスの出発でした。
今回は、いつも通り、ボラン農場での販売用です。(ご予約承ってます。)

3月のiマックの時も、いなりの時も、候補にあがりながら、結局選ばれなかったイノックス。今回は、ジンとイノックスのうち、とにかく重そうな方、ということで、イノックスに軍配が上がりました。

ご覧のように立派な体格をしたイノックスですが、三年生の中では一番神経質。トレーラーに乗せる作業は、怖がらせないように、ごきげんを取りながら。こんな大きいのに暴れられたら、出荷柵なんか壊されるか、軽く飛び越えるかのどちらかですから。

でも、そこは、立派な牛になるために小さい時からちゃんとしつけて来た子です。怖かっただろうけれど、ゆっくり、一歩ずつ、トレーラーに乗ってくれました。

以下、と畜場にイノックスを届けて戻って来たJおじさんの話です。

向うに着くと、朝からあちこちの牧場をまわって来た業者さん(お肉屋さん)のトラックが到着していました。このところ、業者さんが扱う牛の頭数が少なくて・・・、という話で、昨日も、牛を入れる待合室はガラガラでした。Jがイノックスを連れて中に入り、周りを見回すと、

先日、ボラン農場に侵入して来た怖がりリムザンが。

やっぱり、あれからちゃんとおうちに戻っていたわけです。(だから、心配することはなかった?)

おとなりのリムジンは背は高いけれど、イノックスの方がずっと重そうだから、いじめられることはないでしょう。
それに、リムジンはお尻が大きくても、イノックスの方がずっとおいしい自信があります。

おまけ:
イノックスの写真を撮っていたら、どうしても写真を撮って欲しがって動かなかったジャンポ(愛称ダンボ)くん。あんたの出荷はまだまだ先よ。
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となりのリムザン



いなりが出発した日から、北の放牧地に移動した牛たち。こんな感じで、の〜んびり、だったけれど、もうそろそろ飽きたみたいだから、移動させようか、と外に出たところでした。

牛たちの、非常事態発生時の叫び声が。

大急ぎで飛んで行ったのは、私とオスカル。数日前から腰痛のJおじさんは『なんかあったら駆け付けるから、見に行って。』と。

牛たちのいる北の牧区は、これから牛を入れるつもりだった傾斜地上の道の先です。あと10メートルで到着、という地点から放牧地をのぞくと・・・・、

ジゼルの横に、うんと背の高い黄色い牛が。

おとなりのリムザンに違いありません。あの背の高さだと、オス。肉付きからすると去勢のようだけど、もしも種牛だったら攻撃されるので、迷わずUターン。

Jおじさんに報告して、おとなり(とは言っても、家は遥か遠くで、農地が隣接しているだけ)のLさんに来てもらうしかありません。

数日前にも、私たちが知らない間に、誰もいない南側の放牧地におとなりの去勢の群れが侵入した、とLさんからのお詫びの電話があったばかりです。

とにかく、いったい何頭侵入して来たのか、Jおじさんが確認に行っている間、私は、うちの牛たちだけ牛舎側の牧区に移動させようと、放牧地を横切って走ると、牛たちはもう向うの牧区の柵の前で全員集合して待ってました。

あとは、柵を開けるだけ。侵入して来た去勢牛(種牛ではなかった)がみんなに付いて来ないよう、Jおじさんが威嚇して、うちの牛たちは無事避難し、おいしそうな草を夢中になって食べ始めました。

そうこうしている間に、おとなりのLさんと、もう一人、同じ村のJさんがどこからか出て来ました。去勢が一頭いなくなったのがわかっていたのでしょう。(後で聞いたところによると、去勢の群れが、今度は、道路に出て、そこにJさんが通りかかり、Lさんに通報し、二人でLさんの牛舎に入れようとしたけれど、一頭だけボラン農場に侵入。)

そのリムジン去勢牛を、Lさんがすぐ隣の自分ちの放牧地に入れようと、しばらくの間、呼んだり、犬に追いかけさせたり、いろいろやってみたのですが、牛さんは、Lさんから逃げるばかり。とうとう、電牧を突っ切って、私がさっき走って来た傾斜地上の道を家に向かって突進し、家の前を通過(私が目撃)し、並木道から出て行ってしまいました。

こうなったらもうどうしようもない、とそこで捜査は簡単に打ち切られてしまいました。えっ、牛が一頭道路を走ってるのに、いいの?と思われるでしょう。そのうち自主的に家に戻って来るだろうから、いいんだそうです。

ふと、Lさんを見ると、バケツを持っていました。そう言えば、Lさんが牛を呼ぶときは、いつも穀物が入ったバケツを持っています。おいしいもので釣ろう、と言うことでしょう。

でも、うちの牛たちにその手は使えません。バケツは水を入れるもので、穀物など食べさせてもらえたことがあるのは、マルキーズだけです。牛たちにとっておいしいものは、野草か、牛舎で食べる乾草ですから。

事件の後、牛たちを予定していた傾斜地に移動させました。せっかく新鮮でおいしい草を食べていたのに、私が命令すると、マルキーズを先頭に、文句も言わず、みんなJおじさんに向かって歩いて行きました。

牛を飼っていて、これほど楽しいことはありません。

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