朝6時過ぎ、母牛の叫び声に起こされました。牛たちは、家のすぐ横の牧区です。
見ると、子牛4頭が家の前をご視察中。

4頭です。3頭ではなくて。あれからみんなに合流したみみちゃんもいっしょに。
みみちゃん、昨日の午後もいなくなって、夕方、放牧地のすみっこで寝ているのを見つけました。ひとりでもぜんぜん怖くない子です。今朝は、お仲間と、と言うか、お仲間を引き連れて脱走したのでは・・・。
ただでも忙しい時に、いい迷惑。四人組はその後おんまさんたちを見に行って、追い出されて、もっと遠くに行こうとしてるところを呼ぶと戻って来たので、許してやりました。
そう、お天気が良くなり、Jおじさんは乾草作りの真っ最中。それも、これから業者さんにロールにしてもらうところで、一番大変な時。なのに、この週末はお肉の販売が・・・。
Jは『なんでこんな時に販売やねん!』と怒りますが、それって私だけの責任じゃないよね。
おかげで、私は一歩も外に出られず、ごはんはあるもので済ませ、どうにか生き延びてます。
さて、正真正銘のだんぼくんのお肉。
枝肉で413,30キロのR+4、精肉で243,29キロ、歩留り58,30%でした。
今回は、ソーセージをたくさん作ってもらってこの数字ですから、まずまずの成績です。
だんぼくんは骨が細い方だったのも、良い成績の一因でしょう。
で、肉質は・・・,
真っ赤っかではなく、多少サシが入っています。ある部位だけに限らず、どの部位を取っても、サシが(フランス人が見て)ほどほどに入っているのが、だんぼくんの特徴です。
そして、お味は・・・、
う〜ん、45カ月だけあって味があるかな。いつものサクサク感はまだ確認できていないけれど、まあ、いつもどおりのお肉です。お客様に気に入ってもらえますように。
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生まれて4日目のみみちゃんに朝昼晩の晩の分の薬を飲ませよう、と牛舎裏に行くと、
みみちゃんがいない!
ママがいるだけ。
牛舎裏は、放牧地とは言っても、牛舎に入る前の待合室のようなもので、狭いです。
そこは土手に囲まれていて、柵に電気を通していないので、子牛が土手によじ登って寝ていることはよくあります。でも、何回も何回も土手にそってぐるぐる見て回っても、どこにもいない。
そこにはいないのは明らかで、次に他の牛たちのいるすぐ下の放牧地を見に行きました。
何度数えても、子牛は3頭で、みみちゃんは混ざっていません。
そのうち、ママのげんきが、みみちゃんを呼び始めました。
特に娘の姿が見えずあわてている様子はなく、ただ『ごはんの時間よ〜。』程度。
母親が取り乱していないので、そのへんにいるんだろう、とあちこち見てまわったけど、いない。
時間はもう10時前(まだ明るい)。暗くなるまでに見つけたいので、Jおじさんも動員してあちこちくまなく見てまわったけど、どこにもいない。
もうすぐ日没。途方に暮れていた時、さっきから、時々『ごはんよ〜。』と叫ぶげんきの声に応えるように、遠くから『ベー!』と声が。その『ベ〜!』がだんだん近づいてきて・・・

こんな顔で来られたら、叱る気にもなれません。
すぐにママのところに飛んで行って、晩ごはん。お尻はそれほど汚れていなかったので、お薬はもういいことにしました。
一人で帰って来れて、めでたしめでたしの翌日。
今度はお昼過ぎのことですが、また、みみちゃんがいない。
昨日、戻ってきた方角から、ひょっとして、と思い当たる場所に見に行きました。
そこは、柵外でよく子牛がお昼寝している場所です。でも、それは、ママが近くにいる時のこと。
で、みみちゃん、そこにいました。となりの放牧地のそれも一番遠いところに。ママから150メートルほど離れていて、もちろん、ママは見えません。
みみちゃん、怖いものなしは良いけれど、放浪癖は困るよね。こんなことを繰り返してた、ホームレスになっちゃうよ。
朝、牛たちの様子を見に行ったら、こんなのがいました。

(写真は翌日。耳標付けて生まれて来る子牛はいない。)
前日、げんきは落ち着きがなく、多分朝までに産むだろう、と思いながらも、冬のように寒くないので、お外に放っておきました。
他の牛たちから離れたところにいた、げんき親子。私が近くまで見に行くと、3匹の子牛もついて来て、生まれたばかりの子牛はもみくちゃに。その後、親子を牛舎裏に避難させました。
生まれた子牛は、見るからに女の子。骨格はしっかりしてるけど、脚は細め。胸囲は80センチもあって、かなり大きい方です。
今年生まれの子牛は、Oから始まる名前。まさか今回もメスとは予想していなかったので、女の子の名前のストックはゼロ。子牛の顔を見ながら『オー』と呼んで、良い名前がひらめくのを待ちます。
で、『おうみ』ちゃんと名付けました。愛称『みみ』ちゃん。げんきママの(四産)四女です。
みみちゃん、生まれて3日目にしてすでに下痢気味。でも、素直にお薬を飲んでくれるよい子です。
げんきママを今一度ご覧ください。きっとおっぱいの飲みすぎだと思います。
ある晴れた朝、ふと見ると、オスカルが猛スピードで家の前を通過中でした。口に獲物をくわえて。

そんなもん持ってどこ行くつもりやら。やたらなものを食べたらあかんので、あわてて、

落としたのは、まだ子供の野うさぎ。
猫ちゃんたちの獲物を横取りしたにしては、大き過ぎるし・・・。
とにかく、重い荷物をくわえて、ものすごいスピードで駆け抜けて行くほどオスカルは元気です。
と言うのも、以前、オスカルはそんなに活発ではなかったんです。
あんまり走りすぎると倒れこんでハアハアとか、だいたい食べるものに興味がなくて、ごはんを食べさせるのに苦労しました。食べ物でツルのは不可能で、薬を飲ませる時なんか、おいしいものにはさんでも知らん顔。
オスカルはシェルターからもらってきた(結構高かった)犬なので、子犬の時に何があったのか、全くわかりません。そこの獣医さんからは、胃腸が弱いのでドッグフードはドライタイプのもの、と聞いただけです。
確かに胃腸が丈夫じゃなくて、食べたものを吐いて、どんなおいしいものをやっても、数日間ほとんど何も食べなくなる、を何回か繰り返しました。以前は・・・。
で、その以前って何か。
冬の間、ジョンさんちにいる去勢たちは、森と小川に囲まれた丘にいました。ある夕方、Jおじさんに連れられてそこに行ったオスカルは、森の主、巨大イノシシに攻撃されたんです。Jおじさんいわく1年生牛位の大きさのイノシシに、オスカルは踏みつけられしまいました。
歩くこともできないオスカルをすぐに獣医さんに連れて行って、即入院。幸い、牙で傷つけられなかったので、外傷はなかったけれど、大事をとって。翌朝、犬猫専門の先生に診てもらって、脾臓が破裂しているのがわかり、摘出手術を受けました。
退院して家に戻った時に、先生から言われた通りお肉を食べさせたら、今までに見せたことのないすごい食欲で食べる食べる・・・。お肉がドッグフードに変わっても同じ。それからは、何をやってもぺろっと食べるようになりました。
食べる量に比例して、元気さも倍増。ものすごいスピードで走るし、うれしい時は飛び跳ねるし、前のはいったい何だったの?
生まれ変わったように元気になったオスカル。脾臓がないと疲れ知らずで、馬みたいに倒れるまで走るそうですから、気をつけないとね。
食肉処理業者さんに、取り違いはなかった、と言われても、成績があまりにも良すぎて、確認の必要があっただんぼくん。
結論から言うと、間違いなくだんぼくんです。みなさま、どうぞご安心を。
検査に使ったのは、お肉より先にもらえるレバーとほっぺた。
ほっぺたはごくふつうの重量だけれど、タンが1キロ800グラム、ハツも大きく、レバーなんか6キロもあって、いったいどんな身体してたんやろう、と思います。
レバーは45カ月の牛とは思えないコリコリした食感で、甘味があります。私は鶏のレバーみたいに熟した感じの方が好みですが、これはこれでおいしいです。レバーも冷凍で販売しますので、どうぞお試しを。
ほっぺたは煮込んでみましたが、ゼラチンがいっぱいで、『牛は歳をとるとコラーゲンが増加する。』に納得です。(そうおっしゃった方にすると、肉が硬くなると言う意味なんですけど。)真っ赤なお肉で、だんぼくんもどうやらサシなしタイプのようです。
ということで、今回もまた、フランスでおいしいとされる赤身肉ができました。(ああ、サシはどこへ・・・。)
詰め合わせのお肉(10 kg)の方は、おかげさまで、今回も完売いたしました。ありがとうございました。
以前、パリまたはパリ近郊の方からお肉購入のお問い合わせがありましたが、ご興味のある方、今週あたりからリュリュくんが店頭に出てるようなので、以下、ご参考まで。
Boucherie Timothée SAUTEREAU - 25 rue Ramey, 75018 Paris
わざわざご足労いただいても、ないといけないので、もしもお近くまで行く機会のある方は、どうぞリュリュくんを見に行ってやってください。
ニュースを見ていて、『〇〇〇〇か。』というタイトルが気になります。
はっきりしないことなら報道するなよ、と思うのですが、今日はその手を使います。
先日出発しただんぼくん。今回も、終わりごろを見計らって行ったつもりが、待合室にはまだ牛がいっぱい。
建物に入る列には子牛が並んでいたので、だんぼくんは、行き先の食肉処理業者さん専用の囲いに
・・・のはずが、隣の囲いに行ってしまいました。そこはBio食肉専門会社用。その日は、その会社分が入っていて、いつになく混み合っていたようです。
行き先が違うところにだんぼくんが紛れ込んで、担当の人も困っていたけれど、牛を積んだトラックは次々と到着し、Jおじさんの車とトレーラーがじゃまになるので、そのままだんぼくんを置いて帰りました。
枝肉が食肉処理業者さんに届いた2日後、枝肉の重量と格付けを教えてもらうため、Jが電話をしました。
417,3キロ、R+4
で、《雄牛》になってる。
雄牛です、雄牛。去勢牛じゃなくて。
なんでやねん、って言っても、事務のお姉さんにはわかりません。屠畜場に問い合わせてもらうことにしました。
だんぼくんは、1回目の去勢が完全ではなく、その後全摘しました。だから《雄牛》の証拠となるものは付いていません。
ということは、枝肉の取り違い ?!
上記の成績も良すぎます。あの小さな、乳牛系のだんぼくんにしては。
リュリュくんはひとまわり大きくて、胴長だったけれど、422キロのR-3(R+の方が2段階良い)でしたから。
もしも本当に取り違いだったとしても、トレーサビリティー上、これがだんぼです、と言われたら、私たちには反論する術がありません。
そこの食肉処理業者さんは、生産者直売専門で、雄牛を扱うことはほぼありません。雄牛なんてイメージが悪いし、もうひとつおいしくありませんから。
でも、Bioでは聞いたことがある、とか、ものすごく疑ったのですが、結局、事務のお姉さんから、
《去勢》になりました、の一言で決着がつきました。
6月22日販売開始分にご予約いただいているお客様、ご心配をおかけしてすみません。
来週の火曜日、Jおじさんがタンやらハツやらレバーやらを取りに行きますので、その時に確認します。
アルモリカン牛は特殊なので、いつもと違えばわかりますから、ご安心を。

アニマルウェルフェア(日本語は?)って言葉をよく聞きます。
一般市民や団体が、畜産業界でごく普通にやっている動物虐待はもう止めよう、と言う提案をしても、業界側が反対して、なかなか法律に反映しません。(グリフォサートの禁止しかり。)
だんぼくんの1カ月前に、リュリュくんが出発した時のことです。
パリにある会社に買い取ってもらったもので、いつもとは違う屠畜場のお世話になりました。
以前、いなりくんを買ってもらった会社であり、屠畜場も場所は違うけれど前と同じ会社で、あの時と同じように大切に扱ってもらえるだろう、と信頼しきっていました。
だいたい、出発の数日前に屠畜場からお迎え時間連絡の電話があった時、『運転手に銀行口座証明書を渡してくださいね。』と言われて、はぁー? 担当の人は、リュリュくんは屠畜場(を経営している会社)に買ってもらうのではないことを知りませんでした。で、いや〜な予感が。
当日、お迎えのトラックを見ただけで、後悔しました。
トラックはオンボロで、汚れたまま。車体を下げる装置は壊れていて(いつから?)、リュリュくんは、私の背とほとんど同じ位の高さまでよじ登らないといけませんでした。中にすでに小さなホルスタイン牝牛がいて、きっと乗せるのに苦労したんだと思います。トラックは、予定の時間を40分ほど遅れて来ましたから。
運転手さんは、牛を前進させるために電流で脅す装置(日本語で何て呼ぶんでしょうか)、バットのような棒、ロープの三種の神器を出してきました。
リュリュくんは、他のメンバーのように、うちのトレーラーに乗るのは慣れています。牛によっては(例えばマルキーズ)いったん足を踏ん張って乗るのを拒否し、これから行くところを充分観察してからでないと乗らないのもいますが、時間さえ与えれば、決心して乗ってくれるものです。
でも、トラックはとてつもなく高く、どんなに慣れた子でも、ずんずん乗り込むわけがありません。
私たちがリュリュくんのおしりを強く叩いたりしないので、イライラし始めた運転手さんは、
『まだ、あと、雄牛二頭乗せなあかんのやから、早よしてよ。』
あの、あんたが遅れて来たんですけど、とは言いませんでしたが。。。
運転手さんに叱られて(叩かれて)、いやいや汚いトラックに乗り込んだリュリュくん。
あの小さなホルスといっしょに、一番前の仕切りに閉じ込められたので、あとから乗ってくる雄牛たちにいじめられる心配はないけれど、でも、でも、これから何時間走るのやら。で、最終目的地に着いても、時間的に生産ラインは止まっているだろうから、明日の朝まで待たされる?
私たちとしたら、それはイヤなので、いつもは、待ち時間のないタイミングで、自分たちで屠畜場まで連れて行くようにしています。
リュリュくんの扱われ方は、私たちにしたら大NGです。さっそく、会社にクレームしました。(あと2頭ではなくて、3頭だった。)
なにも、うちの牛たちだけ特別扱いしてもらいたい、というものではありません。これから死んでいくものに、あんな扱いはない、と思うんです
業界にすれば、牛も豚も家禽も、みんな大量生産の原料。動物も感性のある生き物、という認識を持ってもらうまで、まだまだ時間がかかりそうです。
でも、もっと認識を変えないといけないのは、生産者だと思います。
特に肉牛の場合、どこも完全放牧です。畜主のすることは、柵の管理と飲み水を持っていくことぐらい。牝牛の種付けは雄牛がしてくれるし、お産もたいてい助産なし。(子牛には耳標を付けてやらないと。)牛が人間と関わり合う機会はほとんどありません。たまにあったとしても、怖いことや、痛いことばかり。
いえ、完全放牧がいけない、と言っているわけではなくて、牛が好きでもなく、本当は興味のない人に飼って欲しくないんです。
人間を知らずに大きくなった牛が出発する時、無理やりトラックに乗せられたら、恐ろしくて、恐ろしくて、暴れるでしょう。牛があんまり暴れるので、屠畜場の係の人も、武装して立ち向かうしかありません。
牛は野生の動物のように、自然の中で一生を終えるわけではありません。どうしても人間と関わらないといけないのだから、たとえ最後は裏切ることになっても、人間好きな牛に育てたいんです。それも、アニマルウェルフェアでは?
牛もそれぞれ性格が違って、中にはいくらやさしく接しても、信頼してもらえず、逃げてばかりの子もいます。でも、顔見知りになるだけでも、恐ろしさは軽減されるはずです。
ほんとに人間好きの子は、たとえ脱走しても、ちゃんと戻って来てくれますから。
もうほとんど暗くなりかけている(日没は10時ごろ)時に、Jおじさんが、おんまさんたちを見に行ってくる、と言って出て行ったきり、なかなか戻ってきませんでした。11時とっくに過ぎてます。
もしかして、牛舎かな、と思って見に行くと…
馬用ボックスに閉じ込めておいた(はず)のだんぼくんが!

『あかん!』とあわてて止めようとしたのですが、うまくかわされて、だんぼくんは私が来たのと反対の方向に逃げて行きました。
その時、牛舎の中から、『ええっ、出て行った???』と叫び声が。
Jおじさん、やっぱり牛舎にいました。
夕方ジョンさんちから連れて来た、翌朝出発のだんぼくんの敷き藁を替えていたとか。ボックスの扉をしっかり閉めないで藁を取りに行ったらしいJおじさん。大あわてしても、もう遅いわ。
牛舎の横から牛舎裏の放牧地の方へ行っただんぼくんを、Jおじさんが追いかけます。放牧地は入り口が閉めてあるので、そこでUターン可能。私は、だんぼくんが戻って来た時に、牛舎の入り口を素通りしないよう、逃げ道を塞いでました。
Jおじさんがだんぼくんの後ろに廻って、もと来た道に誘導してたら…

土手を飛び越えるのならカッコ良かったのに、どっこいしょ、とよじ登り、降りた(落ちた)ところは、北の放牧地に続く道。
その道を進んで行く前に、放牧地の入り口が2つあり、どちらも開いたまま。(教訓 : 柵はいつも閉めておくこと。)だんぼくんは、いったいどこまで行ってしまうやら。
時は夜中の12時近く。おまけに霧が出てて、なんにも見えません。
最悪の場合、北の放牧地にいるボラン農場の牛たちに合流させて、明日の朝、みんなといっしょに連れてこようか、とか、ヘタをすると、明日の出荷はダメかも、とか、頭の中は大パニック。
とにかく、ボラン農場の外に出してしまったらもうおしまい、と要所要所にナイロンのヒモ(電気が通ってると思わせる)を張りめぐらし、懐中電灯の電池を新しいのに替え、最低限の安全を確保することから始めました。
それにどれ位時間がかかったでしょうか。こういう時って、時間がすごく長く感じられます。
Jおじさんがだんぼくんを呼ぶと、こちらに向かって来ているような気配が。私は、遠回りをしてだんぼくんの後ろに廻り、開いていた放牧地の柵を閉めまわりました。
その間に、だんぼくんは、自主的に牛舎のボックスへ。
ほんとにかわいい子で良かった。(だんぼくんの話は
こちらでどうぞ。)
結局、落ちたところからほとんど動かなかったとか。
ということで、だんぼくんは、無事に(私たちの見解)翌朝出発できました。
箱に入ってボラン農場に戻って来る6月22日(金)が待ち遠しいです。

この冬は、乾草もモリモリ食べ、元気に過ごせたマルキーズ。5月20日に22歳になりました。
ふだんは歩くのもゆっくりだけど、たまに、言うこと聞かないで叱られた時の逃げ足は速いです。見た目もそんなに老けた感じはしないし、まだまだ元気でいてくれそうです。
22歳、なんて言うとびっくりされます。でも、それは、うわ〜、すごい長寿!、ではなく、すごい経済観念のなさ!という驚きです。
家畜は経理上ストック。だから、必要最小限で、かつその価値を下げないように管理すべきものです。
それがマルキーズのように、価値はほとんどゼロ、その上餌を食べる(棚卸資産を減らす)モノが倉庫にころがってたら、即廃棄処分でしょう。
家畜はストック、なんて、いったい誰が決めたんでしょうね。倉庫のストックが、誰も見ていないうちに乗っかりあって、いつの間にか数が増えてた、なんてことがあったら、それは怪談です。
それに、生き物を工業製品と同じように取り扱うのは虐待でしょ。家畜の生活環境とか、運搬や屠畜の仕方とか、畜産業界でごくふつうに行われていることを見ると、やっぱり、家畜はストックとしか思われていないのがよくわかります。
私の言うことをよく理解して、みんなを連れて来てくれるマルキーズは、家事を助けてくれる家族のようなもの。そこにいてくれるだけでうれしいから、なるべく長く健康でいられるように気を付けてあげないとね。
でも、もしも、これから生き続けるのが大変になったら、どうしてあげるのがマルキーズにとって最良なのか。これが今後の課題です。
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