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ボラン農場の牛たち

アルモリカの小さな村からアルモリカンArmoricaine牛たちのお話をお届けします。

生まれてきた甲斐がない

191107 GC

11月に入り、最高気温が10℃を超えないボラン農場です。相変わらず雨(またはアラレ)でも、時には晴れ間も出て、名物の虹が見放題。(もう飽きた。)

さて、先日(珍しく)仕事でレンヌに行った時のことです。

仕事も終わり、ランチをごちそうしてもらうことになり、迷わずサーロインステーキを注文。もう何カ月も自家製牛肉の在庫切れで、お肉はずっと食べてなかったし、世間ではどんなのを食べてるのか興味があったので。

お買い得日替わりランチだったので、さほど期待しないでいたけれど、出てきたサーロインステーキは、

なぜか細長かった?!

おなじみのサーロインステーキを頭に浮かべて、どこをどう切ったらこんな形になるのか考えたけど、わからない。

よくあるグリル焼きで、端は焦げてます。そこは避けて切ってみたら、

かたい?!

サーロインなのに硬い。歯が立たないほどの硬さではないけれど(昔よくあった)、ぜんぜん柔らかくない。その長いサーロインの真ん中あたりまで行くと、若干柔らかくなったけど、そのまま端に向かって進むと、また硬い部分が。

食べられないわけではないけれど、でも、でも、

味がない?!

焦げた味だけで、お肉の味がしない。

なんでだろう? キメが粗いから、肉牛? まだ若すぎて、味がない? それなら、硬いはずないよね?

サービスの方にさりげなく聞くと、

乳用の廃用牛だそうです。

廃用牛、とは言っても、ふつう3産程度だから6~7歳?

ふとその牛の生涯を考えてしまいました。

生まれて間もなくお母さんから離されて、子牛同士で育てられ、大きくなって子牛を産んでも、すぐに盗られて・・・。きっと、年に1万リットルの能力ある牛だったんだね。自分の体を削ってミルクを出して・・・。だから、おいしくないお肉になったのかぁ。でもそれじゃあ、せっかく生まれてきたカイがないんじゃない? 短い生涯で、楽しいことも、うれしいこともあったかもしれないけど・・・。

こんな哀れな牛を産ませるのは、もうやめようよ。ヨーロッパでは牛乳が余ってる、というのに。

まず消費者が、こんなにまずいお肉は拒否しようよ。

レストランで、私と同じサーロインステーキをごくあたりまえのように食べてる人を見たけれど、おいしくなかったらそう言って欲しい。

また、動物を殺すのはいけないことだから、お肉はもう食べない、という人が増えているけれど、お肉をボイコットして、家畜を全部絶滅させてしまうことが、地球のためになるはずありません。

ボイコットすべきなのは、大量生産のまずいお肉。

お肉はそんなに毎日食べなくていいのだから、おいしくて笑顔になるものだけを食べるようにしたい。


PS : 先日出荷したナブコ君、予約終了しました。ありがとうございました。
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