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ボラン農場の牛たち

アルモリカの小さな村からアルモリカンArmoricaine牛たちのお話をお届けします。

アルモリカン Armoricain 牛とは

今朝は少し晴れ間が出たのですが,やっぱりお昼には曇ってしまいました。寒くなくて楽ですが,冬には冬らしくして欲しいものです。

今日は アルモリカン牛とは何か というテーマです。
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典型的なアルモリカンを紹介するとしたらイッジー(女の子だから正しくはアルモリケヌ)です。(写真はイッジーばあちゃんとその娘たち。)色は赤みがかった茶色で,お腹の部分が白です。背丈はだいたい130センチ位だと思います。もう少し大きいユーチカやバランチーヌで135センチだそうですから。私(156センチ)でも 牛たちの背中が見える高さです。

これはチビのユゴリンです。背が低い以外はアルモリケヌらしい牛です。
Ugoline.jpg


ボラン農場の名物,マルキーズ(と産まれたばかりの みよ)です。こういう角は 古代の牛のものです。
20070103185804.jpg

これみんなアルモリケヌなの と疑問を持たれる方も多いと思います。アルモリカン牛は 体型も,顔つきも多様な牛です。
今はまだ頭数が少ないので(牝牛が全部で100頭程度)よそよりも小さくて,乳牛タイプでスリムなうちの牝牛たちも全員純粋種に入れてもらっています。

では、なんでまたこんな時代遅れの牛が良いのか と言うと,
1 - 粗食に耐える,
2 - 病気知らず,
3 - 子育てが得意,
4 - 人なつっこい
というのが理由で,牛は初めての人でも飼いやすい牛です。でも,物事 良いことだけというのはありません。
1 - つい食べ過ぎてデブになる,
2 - 元気余って,柵を飛び越える,
3 - 自分の子供が見えなくなると騒ぐ,
4 - 牧草地に人が来ると,頭を掻けとうるさい
という困ったこともあります。

乳牛に分類されながらお肉もおいしいので,うちではオスを去勢して、最低3才までお肉用に育てます。牧草と乾草だけを食べさせて,1トン近くまで大きくなります。脂肪が付くので,歩留りは55パーセント前後ですが,お肉には細かい網目のサシが入ります。

Jがぜひ皆さんにアピールして欲しいと言っているのですが,フランス(突然ですが,ブルターニュというところに住んでいます。)では つい50年前まで それぞれの土地にその土地産の牛がいた ということなのです。日本では今でもそれぞれの地方に その気候,その土壌に育った、黒毛・赤毛・褐色と様々な牛がいますよね。それなのに,フランスでは 市場がある一定の種類の牛を求めるからと,それまで飼い慣れた牛を捨てて,みんなが新しい、改良された種類の牛に走ってしまいました。そのため,アルモリカンのように急激に頭数が(最低19頭まで)減少して,果ては絶滅してしまった牛は数えきれません。だから,私たちのような零細農家に役割があるとすれば こういった忘れられた牛で収入を得ることによって お互いいっしょに生き延びることだと思います。よく,保護プログラムに入れられた家畜を飼っていると,援助金が貰えるんでしょ とか聞かれますが とんでもない。あったとしても,うちは小さすぎて、対象になりません。言わば,うちにお肉を買いに来てくださるお客様が 保護活動のスポンサーのようなものです。

アルモリカン牛についてもっと詳しくお知りになりたい方,一度アルモリカン牛肉を食べてみたい方,アルモリカン牛を飼ってみたい方,日本または世界のどこかで忘れられた牛を飼っている方 がいらっしゃいましたら,どうぞご連絡ください。お待ちしております。
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コメント

お肉

ほんと、おいしいんだよねー。
masayoさんちのお肉食べだしてから、牛肉は子供用ハンバーガーのために使う冷凍のHacheをのぞいて、そのへんで買わなくなりました。義理ママにもじわじわ口コミで広めてもらってます。
いつかはどーーーんとまとめて注文できたら。。。と思ってますが、いつになることやら。。。

  • 2007/01/04(木) 20:42:30 |
  • URL |
  • ぺんぎん #-
  • [ 編集 ]

はじめまして!
jordefarmsさんのところからやって来ました。
私は仕事ではなくペットでジャージーを飼って、搾ったミルクでチーズを作ったりして楽しんでいます♪

こんな牛がいるなんてびっくり(@o@)と思ったら、フランスなんですね。これまたびっくり!
なんかぷよぷよしていておいしそうです(笑)が、けっこうおっぱいも大きいように感じます。
フランスで牛飼いをされているなんてどうして?!って興味が湧きます。また遊びに来ますね(^-^)

  • 2007/01/05(金) 08:48:45 |
  • URL |
  • みっちゃん #-
  • [ 編集 ]

ぺんぎんさんへ

うちの大事なスポンサー様。まいどです。これからも口コミよろしくお願いします。

  • 2007/01/05(金) 10:43:34 |
  • URL |
  • masayo #-
  • [ 編集 ]

みっちゃんへ(いやに馴れ馴れしい呼び方しますが)

いらっしゃいませ。
ペットでジャージーですか。いいなぁー。おとなしい牛だし,ミルクは濃いし。うちのはおっぱいはけっこう大きくても、ミルクはみんな子牛に飲まれてしまいます。
もともと牛を近くで見たことも、触ったこともない人間が 牛飼いになるなんておかしな話ですよね。このへんのいきさつはそのうち《昔話編》で書きますので,また見に来てください。

  • 2007/01/05(金) 11:16:14 |
  • URL |
  • masayo #-
  • [ 編集 ]

アルモリカン牛について教えてもらうの待っていました。どうもありがとう。昔のままの血統を保存しておこうという動きなんですね。カナダに入っているフランス源の牛には、「ブロンド・アキテーヌ???フランス語読み全く不明)Blonde d’ Aquitaineって書いてあります、シャロレー、リムジン、メインアンジュー、ノーマンドゥ、サラー、タランテーズ」などがあります。読み方怪しくてごめんなさい。でも、市場需要によってどんどん改善(といわないかも。改変の方がふさわしい)が進んで、毛色も赤毛が人気なら「純血レッドリムジン」が流行るし、「黒毛」が人気なら、急に「純血」の黒毛リムジンが登場するんですよ。純血って何?って思ってしまいます。

小柄な牛さんたちなんですね。でも角があるのが私にはちょっと恐いなあって言う感じです。こちらは有角牛が嫌われるので、(フィードロットとかで、怪我の原因になるとか、餌箱の場所をとりすぎるとかの理由)みんな除角しています。

これからもいろいろ教えてくださいね。楽しみにしています。

  • 2007/01/05(金) 19:45:11 |
  • URL |
  • jordefarms #-
  • [ 編集 ]

Jordefarmsさんへ

貴重な情報ありがとうございます。ブロン・ダキテーヌ,シャロレ、リムザンはフランスの3大肉牛ですから,そちらに行って不思議はないです。でも,純血「黒毛リムジン」にはびっくりです。レッドはあり得るとしても,黒毛は??? メーヌアンジューはアルモリカンの親戚です。(昔,両方を総称した銘柄が創られたことがあります)。きめ細かで,柔らかくて、適度にサシが入った,おいしいお肉だそうです。(ただ,双子が多い。)サレー(ス)は中央山塊の,タランテーズはアルプス方面の地方種です。そういった種類の牛が認められて カナダにも行ってると聞いてなんかうれしいです。
そうなんです。角は怖いです。牛舎のつくりにしても角があると,どうしても昔風になってしまいます。だから,今後は放牧の肉牛も除角の方向に行きそうです。でも,アルモリカンのような牛の生産者組合では、角もスタンダードの一部なので 切るのはもってのほか みたいなのがあります。角なしのアルモリカンなんて,見られたものではないし。そのへん難しいです。
こちらこそ,いろいろ教わってありがたいです。

  • 2007/01/06(土) 21:40:57 |
  • URL |
  • masayo #-
  • [ 編集 ]

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