
私がいなかった先週の木曜日に 家の基礎にコンクリートが流し込まれました。
普通なら 家の壁を建てるには 地面に溝を掘って基礎を作るのですが、ここは大きな岩の上でそう簡単には掘れないし、(だから)地盤がしっかりしているので 地面に板で枠を作る方法にしました。

こうしてコンクリートを流す枠を作るだけで ほとんど1ヵ月かかりました。少し薄めの板しかなく、強度が足りないのが心配で 補強をあちこちに入れたためです。壁になるブロックの幅が40センチで 基礎は壁の外と内それぞれ10センチずつ多く取って60センチ。高さ20センチの枠板の上までコンクリートを流し込みます。計算によると 7立方メートルのコンクリートが必要になります。
今まで 牛舎や私たちが住んでいる小屋のコンクリートは うちにあるトラクターに付ける小さいコンクリートミキサーを使いました。牛舎も今建てている家もほとんど同じ面積です。今回も セメントや砂利や砂を買って来て 少しずつできないことはないのですが、そうすると安上がりと言うわけでもありません。こういう時 セメント屋さんのコンクリートミキサー車に来てもらうのが普通です。その場合 かなりの人手が必要になるのですが 頼めば村中の人が集まってくれます。だけど 何でも自分の思った通りにしたいJおじさんは いつも一人でコツコツやって来ました。
でも今回は あまり時間をかけたくないし、品質も大事なので Jは近くのセメント屋さんに問い合わせました。すると 少し値が張るけれど 普通のよりずっと流れが良くて 7メートル以上自然に流れて行く奇跡のような製品がある と聞き、それなら人手も必要ないのでそれに決めました。
流れが良過ぎて すき間があると流れ出してしまうコンクリート と言うことで 整地をした時に掘り過ぎたところは 石を積んで砂で固めました。その上に鉄棒を入れて 全部溶接でつないで準備完了です。

念のために友達のPYさんに来てもらいました。トラックは予定より遅れて、夕方の5時少し前に来ました。もうすぐ日が沈むところです。まあ、一時間もあればすむことだからと 始めて見ると・・・
聞いたのと実際では大違い。コンクリートは“打つ”と言うように たたかないとうまく流れて行きません。見ていれば良いわけではないのです。それに 基礎の場合は水をあまり入れないので、2メートル位しか流れません。思ったよりずっと手がかかり、あわててPYさんの奥さんJさんまで電話で呼び出して 3人で必死のコンクリート打ちとなりました。
そうして やっと7立方メートル半流し終わったのが8時近くでした。みんなコンクリートまみれのすごい姿だったそうです。私がいなくて手伝えないために 気の毒なことをしてしまいましたが、PYさんもJさんもこういう作業は慣れているらしくて 大活躍だったそうです。私がいてうろうろするよりも 二人にいてもらった方が結果的にずっと良かったかも知れません。
PYさん、Jさん お疲れさまでした。おかげさまで立派な基礎ができました。今までJも 基礎工事のことはあまり深く考えていなかったようですが、家を建ててしまうと取り返しのつかない ものすごく大事なことです。測量の時のAやEさんや今回のように 友達に助けてもらってやっとこれから建って行く家です。完成したら だれでもいつでも来てもらえる家にしなくては。
牛たちやお馬さんたちは相変わらずです。
