こんなお天気で 牛たちは牛舎でごはんが食べられて幸せ なはずなのに 一頭だけ素直に牛舎に入りたがらなかったのがいます。Jおじさんが《56番》と呼ぶ かなちゃんです。(お母さんのマルキーズと)

牛たちの冬の食堂が開店してからもう1ヵ月。この冬はじめて 自分の場所につながれた一年生たち(旧年長組)ももう慣れたもので 順番を間違えることなくちゃんと自分の席に付きます。ただ、“かな”だけは いつまでたっても いやいやつながれているような態度で Jおじさんがごほうびになでなでしてやっても 怖そうにしています。この間は逃げようとして とうとう餌箱に登ってしまいました。そんな風に 全くかわいげがないので《56番》になったというわけです。
その“かな”が 今日は牛舎に入ろうとしなかったので Jおじさんは容赦なく牛舎の扉を閉めてしまいました。ごはん抜きの罰です。みんなと別にされて泣くかな と思ったら、知らん顔して牛舎の前で草を食べていました。ふつうだったら『入れてくれー』とか泣き叫ぶのに 本当にかわいげのない子です。
だいたい マルキーズの子は 母親の教育のせいか かわいくないのが多いので、“かな”も生まれた時から なるべく私たちに慣れるように さわったり、なでたり、話しかけたりして来ました。なのにこの結果です。
バランチーヌも“かな”位の時に Jおじさんが怖くて餌箱に登ってしまったことがあります。でも、そのうちに慣れて 人を見たら『頭掻いてー』と来るまでになりました。“かな”にはそんな進歩も見えません。
“かな”と同級生の他の3頭は “かな”とは対照的ですごく良い性格です。(左から カシュー、ベラ、かな、コラ)

ベラとコラは大きな図体をしていて、牛舎の通路でボーッとされるとじゃまになるので、席までおしりを押して行くこともあります。こういうかわいい子たちが母牛になったら 子牛まで性格が良くなるので これからもずっとボラン農場にいる組にもう入いっています。
それにひきかえ“かな”は このまま行くと真空包装にされそうです。せっかく お母さんに似た美人で、脚は細いし 将来が楽しみだったのに。天は二物を与えず でしょうか。そう言えば 性格の良い子は みよは例外として みんなブスです。(これ、人間も同じ??)
夕方になって ビート配給の時に Jおじさんは扉を開けて“かな”を牛舎に入れてやりました。明日は かなちゃん、きっと大急ぎで牛舎に入るはずです。
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