こんな だれも外に出たくないような日に 牛の登録や衛生管理をしている機関の年次検査がありました。検査員さんが牛たちを見て、登録簿に間違いがないか、全頭耳標が付いているか などを確認します。検査員さんは9時15分に来る ということで ちゃんと目覚ましをかけて いつもよりうんと早くスタートしました。
急いだはずなのに 検査員さんが着いた時は まだこれから牛たちを呼びに行くところでした。Jがあわてて柵を開けに行こうとすると 検査員さんが『道の横にみんないたから もう確認した。年寄りの牛だけ 耳標が一個取れてる。』と。イッジーばあちゃんの耳標が一個だけしか見えなかった ということはしっかり見た証拠です。でも、取れたのではなく イッジーばあちゃんのもう片方の旧式の耳標が小さくて 見えなかっただけです。
ということで 牛たちをつなぐ手間が省けて良かったのですが、後で考えてみると 風は南西から吹いていたので 牛たちは道に背を向けていたはずです。まさかこんなに雨も風も強い時に いくらうちの牛たちでも だれか来たからわざわざ見に行ったとは思えません。また そこの部分の柵は二重防備だから そう簡単に中に入れません。いったいどうやったのでしょうか。

検査が終わり、まだいつもより早かったけれど 牛たちを牛舎に入れました。かな(前回のおしおきが効いた)を含め 全員大急ぎで入って来ました。そして 最初に入れてあった乾草を平らげると みんな寝そべってしまいました。いつもは立ちっぱなしで 汚れ知らずのマルキーズまで。イッジーばあちゃんだけは 隣のユプサに場所を取られてしまい 困った顔をして突っ立っていました。みんな外では立ったままで 風雨と闘っていたのでしょう。おつかれさん、ゆっくりしていってね。
牛たちはたっぶりごはんを食べ、風も止んだ夜の8時ごろ放牧地に帰って行きました。