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ボラン農場の牛たち

アルモリカの小さな村からアルモリカンArmoricaine牛たちのお話をお届けします。

備えあれば。。。

今日もまたうっとうしいお天気です。朝から霧雨です。
今朝 Jがバケツを買いにコープ(農協)に行くと言うので,私もいっしょに行きました。昨日から冬のバーゲンが始まり,前から欲しかったフリースのベストが安くなっているかも と思って。(30%引きでした。)

11時半頃に家に戻り、大急ぎで Jは牛たちのえさ、私は自分たちのお昼ごはんの用意をしていました。この時間、牛たちは牧草地の入り口に集まって来て,口々にごはんのさいそくです。ふと見ると、バルダの姿が見えません。9時前に様子を見に来た時は みんなといっしょにいて,お産が始まりそうな気配はありませんでした。どちらかと言うと,ユプサがみんなから離れたところにポツンといたので,要注意かな と思ったくらいです。

なんとなく心配だったので,長靴をはいて見に行くことにしました。やっぱり、バルダは みんなといっしょではありませんでした。遠くを見ると,他の牛たちが並んでいる入り口とは 正反対のところに 牛が一頭いました。横になっている とか 寝ている とか言うよりも 死んでいるような格好です。バルダが産気づいて、苦しんでいるに違いありません。近くに行って見ると,後ろから子牛の前脚が2本出ていました。今回はよく考えなくても,それが前脚で 子牛は正常な位置にあることは すぐわかりました。状況は 去年のユゴリンと全く同じです。バルダは寝たままいきむのですが,子牛はそれ以上出て来ないし、バルダも最後の一押しの姿勢をしません。もう引っぱるしかない と私は牛舎に飛んで帰りました。(そのわりには走るのが遅かったです。)すぐに、用意してあったロープを持ったJと バルダのいるところに戻ったのですが、子牛を引っぱる間 じゃまされないよう、まず他の牛たちを牛舎に入れてしまうことにしました。Jは 牛たちを連れて牛舎に行き、私はバルダの付き添いをすることにしました。

バルダは ユゴリンよりもまた小さい牛です。12月4日生れなので まだ2才になったばかりです。“たま”の子なのですが、体が小さい以外は 顔も性格も全く母親に似ていません。“たま”は 小さいくせに、いやに気が強くて、かわいくないので 性格は似ていない方が良いのですが、バルダは あまりにもおとなし過ぎて、つい忘れられる傾向にあります。冬の食堂が始まった時も、うっかり配置表に記入するのを忘れたくらいです。そんな小さなバルダだから 初産がうまく行かなくて いっそうかわいそうです。

他の牛たちを全員つないで、Jが戻って来ました。とにかくバルダがいきむのに合わせて、Jが子牛の脚を引っぱり始めました。どうも子牛が大きくて、そう簡単に出てきそうもありません。どうにか、子牛の口が見え始めたところで、子牛の脚にロープを付けてもっと強く引っぱりました。口が見えると、子牛の舌がダランと垂れ下がっているのがわかり、死んでいるのではないかと思いました。とにかく、子牛を出してしまわないと、母牛の命に関わることなので、バルダと力を合わせて引っぱり続けました。すると、顔が出て、肩が出て、後はお尻だけになったところで、Jが私に 甦生のために水を持って来るように言いました。一刻を争うことなので、できるだけ早く走ったのですが、歳のせいか(ぜったいそう)なかなか進まず焦ってしまいました。

私が ミネラルウォーターを持って駆けつけた時には 子牛は頭を持ち上げて お母さんになめてもらっていました。ああ、良かった。ロープもちゃんと用意してあったし、去年の経験が活かせました。

20070112152809.jpg

子牛は 30分もすると立ち上がって、おっぱいを飲みに行きました。だいたい、立ち上がる前から おっぱいを探して 舌と口をさかんに動かしていました。カシューと言い、この子と言い、いやに食いしん坊な子牛ばかりです。

20070112152905.jpg

子牛はメスです。もう、Cから始まる名前をみつけたのですが、公式ではないので、また後日発表します。その名前、母親の名前 のど飴の“バルダ” と関係あります。それに “カシュー” が何の名前かご存知の方だったら 簡単にみつかると思います。ヒント - ある商品名で 日本でも売ってます。私の甥が小さい時 よく食べてました。これ クイズですが、当たっても賞品は出ません。
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コメント

名前あてはにがて

なので、わからないよー。
Cでしょ?。。。。しばらくなやんでみましたが。。。orz

無事に生まれてよかった。備えてあってよかったね。

  • 2007/01/13(土) 01:40:16 |
  • URL |
  • ぺんぎん #-
  • [ 編集 ]

ぺんぎんさんへ

ほら、丸くて棒の付いた あれ。その商品の通称です。

  • 2007/01/13(土) 10:43:19 |
  • URL |
  • masayo #-
  • [ 編集 ]

今日14日は、「但馬家畜市場」で子牛のセリ市がありました。
平均55万円です。
フランスで言えば「何フラン」になるのかなぁ。
あっ「ユーロ」やったんかいなぁ。
フランスでは今日は何日やろねぇ。

  • 2007/01/14(日) 14:46:09 |
  • URL |
  • 照長土井 #-
  • [ 編集 ]

照長土井さんへ

はい、今日だったんですね。子牛が平均55万ですか。えーっと、1ユーロが今日は。。。155円 !!! ユーロ こんなに高くなってる。まあ、150円として、なになに。。。3667ユーロ。えぇっ ! 桁まちがえたのかな。うん、やっぱり3666.6ユーロや。えー、そんなに高く売れるんですか。いいなー。うちで繁殖用の牝牛(純粋種で人工授精済)を売る時の値段が1000ユーロですから、6ヵ月前後の子牛だったら、その半値くらいかな。いやー、もう すごいコンプレックス感じます。
こちらはまだ14日です。そちらより8時間遅れてます。

  • 2007/01/14(日) 19:06:06 |
  • URL |
  • masayo #-
  • [ 編集 ]

無事に生まれてよかったですね。アルモリカンの子牛は、生まれたときの標準体重はどのくらいなのでしょうか?カナダに入ってきている大陸系の牛(シャロレー、シメンタール(もともとスイスですよね)などは、頭が角張っていて全体に子牛の体重が大きくて、イギリス系の牛(アンガスやヘレフォード)に比べて、難産になりやすいといわれています。

フランスの子牛相場は、カナダのと似ていますね。最近家畜市場が異常に安値で(子牛、繁殖牛とも)、6ヶ月の子牛だったら500ドルくらい(350ユーロくらいになるのかな?)です。去年の春生まれた子牛たち、もう少し値段が回復するまで(するんでしょうね)売るのを待ってます。

  • 2007/01/14(日) 19:41:25 |
  • URL |
  • jordefarms #-
  • [ 編集 ]

jordefarmsさんへ

おかげさまで、アルモリカンは頭が角張っていないのか 出産時のトラブルは稀です。フランス種の肉牛は お尻がでか過ぎてつかえてしまう と聞いています。体重もかなり重いはずです。うちでは今まで計ったことがないのですが、ちょうど手元に 今朝生まれたばかリの子牛がいたので計ってみました。40キロちょっとです。この子牛はメスですが、今までうちで生まれた子牛の中でも いちばん重そうです。ふつうは35キロ程度だと思います。本当は 小さく生まれて大きく育つのがいいんですけど。

カナダもきっとお肉が安いんでしょうね。きびしいですよね。量がたくさん作れないと 置いてきぼりですから。

  • 2007/01/15(月) 15:44:29 |
  • URL |
  • masayo #-
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