でも、うちにはもう一台トラクターがあるのです。小屋のすぐ横に シートを掛けて大切に保管してある小さなトラクターで、お客さんに『これなに?おもちゃ?』と何度からかわれたことか。
もうかれこれ2年になりますが ご近所で家を建築中の家族に頼まれて、預かっているものです。その家族は Sさんとしておきますが 某石油大国にある会社を息子さんに任せて リタイヤ後はT村で過ごす計画でした。ところがその《なんとか御殿》と呼びたくなるお家の工事が トラブルばかりでなかなか進まず 未だに完成していないのです。だから トラクターも預かったままになっています。
この冬 そのトラクターを移動しようとしたら バッテリーが完全に空になっていて 一晩充電してやっと動かすことができました。私たちのものじゃないし、使っても良いよ と言われたわけでもないから 使ってはいけないと思いつつ、本当は乗ってみたくてしかたありませんでした。
でも、こういうものは 長い間使わないでいると良くありません。メーターが表示するたった9時間ちょっとでは ならし運転さえ満足にできていません。なので、とうとう昨日 トラクターの保全 と言う名目で動かしてみました。運転手はもちろん私です。ということで 日本製のブルーのマイクロトラクターをテストしてみました。今日はその結果のご報告です。(預かっているものなので 写真は撮ったけど公表しません。)
まず また一晩中バッテリーを充電しないと エンジンスタートできませんでした。バッテリーってそんなにあっさり空になるものでしょうか。
スタートしてしまえば エンジンは快調です。Jから取り扱い上の注意を良く聞いて、トラクターにくっついていた草刈り機で 南側の牧草地のお掃除に行きました。掃除はJがすでに行ったのですが、木の下になって大きなトラクターでは入れなかったところを このマイクロトラクターで仕上げよう というものです。
はじめは 草刈り機の調整が良くできていなかったので とら刈りになってしまいました。(これはトラクターとは関係ない。)Jに調整し直してもらって きれいに刈れるようになりましたが、草刈り機を上下するレバーがかたくて(ずっと使わなかったせい?)地面の起伏にうまく合わせることができず スジを付けてしまった部分があります。
作業をしていて いちばん困ったのは 後ろの回転軸(PTO?)のクラッチレバーの位置です。草刈り機のシャフトを回転させるためにクラッチを入れる時 左足でクラッチペダルを思いっきり踏んでいないといけません。右足はトラクターが坂を降りて行かないように ブレーキをしっかり踏んでいます。(これがまたすごくかたかった。)で、レバーは と言うと 左足側の床の位置に付いていて、足も短いけれど手も長くない私には それを下方に下げるだけでも一苦労でした。
両足を踏んばり(それぞれペダルは かなり高いところに付いていて、かかとが床に付かない)ほとんど 宙に浮いた状態で 腰を曲げて なかなか入らないクラッチを入れようとしている私をご想像ください。最後になるとかなり入りやすくなったけれど このレバーの位置は納得できません。
その他にも、ボランの農場はどこも多少傾斜があるので 坂を登りながら 前輪が浮いてしまったり、かにさん歩き(横滑り)になったり ちょっと怖いこともありました。それほどの傾斜でもないのに《かめさん第1速》でないと 登れないことも何回かありました。
ということで、結論は お金があったとしても《買わない》です。テストしたモデル(16馬力)は こちらのお店によく展示されているものですが うちのような斜面ではパワーが足りません。やっぱり最低30~40馬力はないと 使い物にならないようです。
小さくて使い良さそう と今まで2年間 このブルーのマイクロトラクターにあこがれていたのに、結局 それほどのことはありませんでした。まあ、がっかりはしたけれど トラクターの使い方が少しわかって ちょっとえらくなったような気がします。
また、関係ないけれど 昨日の夕方の風景です。

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