ボラン農場の牛たち

アルモリカの小さな村からアルモリカンArmoricaine牛たちのお話をお届けします。

ボラン農場のボラン君

今朝は 気温がマイナス1℃まで下がり、牛たちの飲み水に数ミリの氷が張っていました。夜の間晴れていたので、心配していた雪は積りませんでした。それどころか 10時頃になると なんと雨が降り出して、昨日 雪で大騒ぎした私がバカみたいです。でも、この近くで 一時雪が積ったところもあるんですよ。本当に。

今日は いつもより早く牛たちを牛舎に入れました。夜の間に草が生えるのか、いつも朝のうちは 牛たちはおとなしくしているので、12時になったら牛舎に入れて 牛たちが食べ始めたら、私たちもごはん というシステムです。今日は 10時に呼びに行ったら、みんなキョトンとした目で私を見つめていましたが、冗談ではない とすぐに理解して、こちらに向かって歩いて来てくれました。そしたら、どういうわけか ボラン君以外の子牛たちは 一斉におっぱいを飲み始め、お母さんたちは動けません。牛は 毎日同じことをするのを好みます。きっと、この時間帯は おっぱいタイムだったのでしょう。しょうがないので、子持ちではない牛たちから、つなぎ始めました。大事なことは バランチーヌとボラン君をつないでおくことだったのです。

今日は11時に 牛の個体識別(と言うのだと思います)管理をしているEDEという機関から 採血に来ることになっていました。目的は ボラン君が ラシーヌ(フランス古典の劇作家ではなくて、種雄牛の名前)の子であることの確認です。血液を採って DNAを調べるのだそうです。将来、ボラン君が種雄牛になるために クリアしないといけない第一段階です。

ボラン君が生まれたのは 去年の11月20日でした。私たちも 理論上 ボラン君が種雄牛候補になるのを知っていたので、こんな名前を付けました。でも、実際こうやって事が進みだすと、『やっぱりこの子は 人工授精センターに行くんだ。他の子みたいに去勢しないんだ。お肉にしないんだ。』と実感が湧いてきます。

最近、アルモリカン牛に関する新聞記事の切り抜きをもらいました。どの新聞かわかりませんが、きっとレンヌあたりの地方紙です。日付もありませんが、11月末頃だと思います。内容は 今年、新しくアルモリカン雄牛3頭が人工授精センターに入る というものですが、(それを アルモリカン牛を救おう というストーリーにしてあります。)その記事の最後のところなんです。ちょっと聞いてください。《・・・ 2006年に生まれたボランも 今後 精液採取される種雄牛だ。その父親の冷凍精液は 25回分、その母方の祖父のものは 17回分しか残っていない。》ヘェー、もう、決まってるの。なんて変な感心のしかたなんですけど、どうも ボラン君の特長は 遺伝子が残り少ないことらしいです

20070124191853.jpg

おばあちゃんのマルキーズが 種雄牛づくりに参加し、残り少ない秘蔵の冷凍精液を使わせてもらうようになったのは もう5年も前のことでした。ところが マルキーズは立て続けに4頭メス(4頭目は“みよ”で父親は秘蔵ではない普通の牛)を産み、その子たちも 別の秘蔵種雄牛(ラシーヌ)をもらったのに、生まれたのは またもやメスばかり。そして、去年やっと生まれた雄牛が ボラン君です。

ボラン農場のボラン君。今2ヵ月で 下痢もせず順調に育っているし、見た目も決してぶさいくではありません。でも、本当にこの子で良いの と思ってしまいます。だって、写真は送ったけど、生まれてこのかた だれにも見てもらってないんですよ。それに どうも鼻に黒っぽい模様が入っているみたいだし。。。

すみません。あまり大したこともないニュースで。
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コメント

えぇぇ?!

ボラン君、ドナドナのように、センターにつれてかれちゃうの?
お約束だとしても、なんだか悲しくない?

  • 2007/01/25(木) 14:00:32 |
  • URL |
  • ぺんぎん #-
  • [ 編集 ]

ぺんぎんさんへ

まだまだ行かないから大丈夫。かなり大きくならないと(1才半?)、採取できないから。もしかしたら早めに レンヌのエコミュージアムに行くかも知れないけどね。男の子たちは 1才前後でジョンさんちに行ってしまうから 同じ事です。それに うちにいたら3才で食べられるのよ。その方がかわいそう。

  • 2007/01/25(木) 15:41:03 |
  • URL |
  • masayo #-
  • [ 編集 ]

いまはアルモリカン牛の数はどのくらいなのでしょうか?masayoさんのところと同じように、「アルモリカン牛を救おう」と繁殖活動、保護活動をされている農家が何軒かあるのでしょうか?(政府が率先して保護活動を行っているのですか?それとも生産者団体が自主的に?)だんだん数が増えていくといいですね。貴重な精液を使って雄牛を期待していたときに雌牛が生まれちゃうと、ガッカリしてしまいますよね。人間ってほんとに勝手なものです。

  • 2007/01/26(金) 06:51:24 |
  • URL |
  • jordefarms #-
  • [ 編集 ]

jordefarmsさんへ

最新のデータは2005年末なんですけど、アルモリカン牛メス(アルモリケヌ)が全部で136頭、2才以上のメスだけだと 97頭でした。これは もちろんフランス全土でです。また、アルモリケヌには繁殖障害が多いので、97頭全部が 毎年子牛を産むわけではありません。ちなみに2005年に生まれたメスで、繁殖用に保存されたのは 14頭(だけ)でした。飼い主は全部で54軒、一軒で飼っている数は1~2頭が多いです。仲間の悪口は言いたくないのですが《珍しい》というのがウケているようです。アルモリカン牛肉を定期的に販売しているのは ボラン農場だけです。

保存活動は パリの“畜産研究所”というところが主宰しています。飼い主(生産者とは呼べない)たちは あまり活発とは言えません。

アルモリカンのように 数が少なくなってしまった家畜の保護は ヨーロッパ農業政策に入れられています。予算はあるのですが、助成金の配分は国レベルで決められ、うちのような超小規模農家にはもらいにくいシスデムになっています。また、食肉生産用の牝牛を対象とした助成金も、アルモリケヌ(乳牛?!)は除外されていて、それが 頭数がそれほど伸びない原因となっています。

実は、私たち メスばっかり産まれてうれしかったんですよ。マルキーズに似てスマートな ボラン農場独自の牝牛が増えて。でも、それでは申し訳ないので、ボラン君が生まれて ホッとしました。

  • 2007/01/26(金) 11:43:45 |
  • URL |
  • masayo #-
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