今日は いつもより早く牛たちを牛舎に入れました。夜の間に草が生えるのか、いつも朝のうちは 牛たちはおとなしくしているので、12時になったら牛舎に入れて 牛たちが食べ始めたら、私たちもごはん というシステムです。今日は 10時に呼びに行ったら、みんなキョトンとした目で私を見つめていましたが、冗談ではない とすぐに理解して、こちらに向かって歩いて来てくれました。そしたら、どういうわけか ボラン君以外の子牛たちは 一斉におっぱいを飲み始め、お母さんたちは動けません。牛は 毎日同じことをするのを好みます。きっと、この時間帯は おっぱいタイムだったのでしょう。しょうがないので、子持ちではない牛たちから、つなぎ始めました。大事なことは バランチーヌとボラン君をつないでおくことだったのです。
今日は11時に 牛の個体識別(と言うのだと思います)管理をしているEDEという機関から 採血に来ることになっていました。目的は ボラン君が ラシーヌ(フランス古典の劇作家ではなくて、種雄牛の名前)の子であることの確認です。血液を採って DNAを調べるのだそうです。将来、ボラン君が種雄牛になるために クリアしないといけない第一段階です。
ボラン君が生まれたのは 去年の11月20日でした。私たちも 理論上 ボラン君が種雄牛候補になるのを知っていたので、こんな名前を付けました。でも、実際こうやって事が進みだすと、『やっぱりこの子は 人工授精センターに行くんだ。他の子みたいに去勢しないんだ。お肉にしないんだ。』と実感が湧いてきます。
最近、アルモリカン牛に関する新聞記事の切り抜きをもらいました。どの新聞かわかりませんが、きっとレンヌあたりの地方紙です。日付もありませんが、11月末頃だと思います。内容は 今年、新しくアルモリカン雄牛3頭が人工授精センターに入る というものですが、(それを アルモリカン牛を救おう というストーリーにしてあります。)その記事の最後のところなんです。ちょっと聞いてください。《・・・ 2006年に生まれたボランも 今後 精液採取される種雄牛だ。その父親の冷凍精液は 25回分、その母方の祖父のものは 17回分しか残っていない。》ヘェー、もう、決まってるの。なんて変な感心のしかたなんですけど、どうも ボラン君の特長は 遺伝子が残り少ないことらしいです

おばあちゃんのマルキーズが 種雄牛づくりに参加し、残り少ない秘蔵の冷凍精液を使わせてもらうようになったのは もう5年も前のことでした。ところが マルキーズは立て続けに4頭メス(4頭目は“みよ”で父親は秘蔵ではない普通の牛)を産み、その子たちも 別の秘蔵種雄牛(ラシーヌ)をもらったのに、生まれたのは またもやメスばかり。そして、去年やっと生まれた雄牛が ボラン君です。
ボラン農場のボラン君。今2ヵ月で 下痢もせず順調に育っているし、見た目も決してぶさいくではありません。でも、本当にこの子で良いの と思ってしまいます。だって、写真は送ったけど、生まれてこのかた だれにも見てもらってないんですよ。それに どうも鼻に黒っぽい模様が入っているみたいだし。。。
すみません。あまり大したこともないニュースで。