
まだお迎えの時間まで1時間もあったので 私たちはいったんボラン農場に帰りました。しばらくすると トラックの運転手さんから電話がありました。今回は いつも牛の運搬をしている運転手さんではなくて、お肉の配達をしてくれる運転手さんで ジョンさんちには行ったことがないので まずボラン農場まで来てもらって それからJといっしょに向うに行くことにしました。
トラックが着くなり、Jは『わー、かわいいトラックやなぁ。』と見とれていました。前のトラックよりもひとまわり小さくなって、ははー、5頭すし詰めはやめたな と私もトラックをしげしげ見ていると 運転手さんは いきなりJに『若い牝牛か、去勢か。』とたずねました。『去勢や。』と言うと 運転手さんはそれはそれは困った顔をしました。《大きいと乗せられないかも知れない。》というのが 大きな心配事だったのです。
昨日は 午前中に全部で4頭乗せて行くことになっていました。アルフォンスは4頭目でした。トラックは 標準のものをベースに 家畜運送用に車体屋さんに特別に作ってもらったものです。これを設計した人は こういうイメージだったと思います。

ところが 現実は違います。何を間違えたのか 今の肉専用牛は このトラックの幅では収まりません。先週も予定していた4頭を乗せられなかった と言うことで、運転手さんはひどく心配していました。
とにかく、やってみよう とJは車に乗り、トラックを先導してジョンさんちに向いました。
でも、結果は・・・

どんな入れ方をしても アルフォンスを乗せることは不可能です。運転手さんは すでに乗っている3頭を届けて、午後戻って来る と言ってくれたのですが それには社長さんのOKが必要です。と言うことで Jが 運転手さんに残業をさせるのを嫌がる社長さんを 説得することになりました。
社長さんからは
1 - 去勢のうち一頭を子牛といっしょに乗せられないか、
2 - アルフォンスは来週まで待てないか(牛回収は毎週月・火のみ)
という提案があったのですが JはどちらにもNOと答えました。
1については 私もJと同じ意見なのですが どうでしょう。こんな狭いところに閉じ込められたら いくらおとなしい牛でも 気が立って子牛を攻撃すると思います。まして 先に乗っているリムザン種の去勢は 乗り物どころか人間にも慣れていなくて 気が狂うほどおびえて、暴れまくっています。子牛といっしょにするなんて 無責任ですよね。(運転手さんは 社長は現場を知らんから困る と言ったとか。)
結局、Jが一つも譲らなかったので 運転手さんにまた来てもらうことになりました。おかげで アルフォンスは 一頭だけでゆうゆうと最後の旅行をすることができました。

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