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ボラン農場の牛たち

アルモリカの小さな村からアルモリカンArmoricaine牛たちのお話をお届けします。

ラクダのコブ

ラクダのコブは お水ではなくて脂肪が入っていて 食べるものがなくても そのコブの脂肪をエネルギーに ラクダは生き延びることができます。で、アルモリカン牛もそうなんです。

とは言っても、コブは背中にはありません。胸から垂れ下がった 胸垂と言うものだそうですが その先端に脂肪が溜って ボールのようになります。アルモリカン牛は 食べ物がふんだんにある時に食いだめができる種類 と言うので有名です。そのもしもの時の脂肪の蓄えが このボールなのです。

でも、なぜ突然こんな話をするか と言うと、アルフォンスが出発した日、脂肪太りではないと思っていたアルフォンスが 意外にも 大きなボールをぶら下げていたのを見たからです。それだけではなく まだ28ヵ月のブルータス(左)のも アルフォンス(右)に負けない位大きくなっていました。

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それから そのことはすっかり忘れていたのですが 先週、アルフォンスがお世話になっている(冷蔵庫の中で)業者さんから 枝肉の等級を聞いたとき ふと上の光景を思い出したのです。

枝肉の重量:452,8キロ、等級:Rの5。ガーン!です。肉付きの《R》というのは真ん中で(上からE-U-R-O-Pの順)アルモリカンとしたら立派な方ですが、脂肪の《5》はこれより上がない5です。これだけ脂肪が付いていると 枝肉対精肉の歩留りが悪く、業者さんの推定では たったの55%です。

子牛の時はやせっぽちだったアルフォンス。でも、今まで去勢は みんな36ヵ月を過ぎると それなりに良い体格になったので あまり心配はしていませんでした。それが《5》まで脂肪が付くなんて・・・

アルフォンスもブルータスも あのイッジーばあちゃんの子です。見てください、イッジーばあちゃんの胸のポール。

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元気だった時には 首が痛くならないのかな と思うほど重そうでした。

これは イッジーばあちゃんのひ孫にあたるユゴリンです。

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このボールは ふつう歳を取ると大きくなるのですが ユゴリンの場合は 若いうちからもうすでに巨大化していました。あんなにかわいかったユゴリンを手放したのも この体質のせいです。

脂肪を蓄えておいて 食べ物がなくなっても生き延びて行けるアルモリカン牛ですが、脂肪過多のせいで繁殖障害も珍しくありません。どうしてもタネが付かないから 頭に来てお肉にしたけれど 脂身だらけで食べるところがなかった と踏んだり蹴ったりの話を良く聞きます。

だから 食べ物をやり過ぎたらあかんのよー と言うのですが 土地が肥えているところは 草だけでぶくぶく太るので どうしようもありません。だったら、ラクダの代わりに砂漠で飼ったら なんてアホなことを考える私です。
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