昨日、お客様がありました。アルモリカン牛を飼っているお仲間です。今は アルモリカン牝牛(アルモリケヌ)がまだ一頭しかいなくて、もっと飼いたい と探している人たちです。前に、うちの母牛を売ってもいい と言ってあったので 家族で見に来ました。

ボラン農場の母牛の定員は 8頭です。牛舎も放牧地も ちょうどそのサイズになっています。単純に計算して、毎年子牛が8頭生まれて、その半分がオスで、毎年4頭お肉になる というわけです。でも、それはあくまでも理論上です。今年は Vの年に生まれた雄牛がお肉になるはずなのですが、バリウム君一頭しかいません。A組は4頭いて、大丈夫だけれど、B組はボラン君がお肉にならないとすると、またブルータス君一頭だけです。
反対に、メスはいっぱいいます。来年になると子牛を産むはずの アーニカ(12月生れ)、ベルナデット、みよは 少なくも初産はうちで見届けたいし、それは ベラも、シュパも、コラも同じです。そうなると どうしても 今いる母牛たちを整理する必要があります。また、牛を売ったお金で、よそからオスの子牛を買わないといけません。
当面、3頭売ることを考えないといけません。別にすぐ ということではないのですが、希望者がいる時にタイミング良く売らないと、売れ残るおそれがあります。それで今、どの牛を売るか というのが話題になっています。
イッジーばあちゃん(もうすぐ14才)は もう年で、買ってくれる人などいません。それに、イッジーばあちゃんは 去年5月にブルータス君を生んで以来、まだ種付けさえしていません。今まで、あまりはっきりした発情がなくて、人工授精する機会を逃してしまいました。これから春にかけて、しっかり発情するのを待っています。うちの看板娘(看板牛?)マルキーズも今年11才になるし、性格がちょっと特殊なので、私たちのように慣れた人間でないと、きっと気が狂いそうになると思います。
Jの好みの牛は ユーチカとバランチーヌです。2頭とも背丈が135センチで まあまあ大きいし、デブになる傾向はありません。おっぱいも大きい方です。ユーチカは ちょっと臆病ですが、水が飲みたいとか、何か欲しいときには 私を見つめてやさしい声でお願いしてくれます。バランチーヌは 怖い物なしです。放牧しているところに人間が来ると、お得意のブルドーザースタイルで 頭を下げて近寄って来ます。みんな、攻撃されると思って驚きますが、本人は頭を掻いてもらいたいだけです。

お客様に 私たちが一番売りたい牛はどれか と聞かれたのですが、答えることができませんでした。それぞれ特徴があって、あたりまえだけど 良いところと良くないところがあって、そう簡単に結論は出ません。それなので、私たちは お客様の気に入った、気の合いそうな牛を選んでもらうことにしています。大事なのは 買ってもらった牛が 新しい飼い主に喜んでもらえて、できるだけ長い間かわいがってもらうことですから。