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ボラン農場の牛たち

アルモリカの小さな村からアルモリカンArmoricaine牛たちのお話をお届けします。

見たぞー

今週は雨もなく、私はボラン農場でさわやかな5月を楽しんでま~す とか言ってみたいのですが,ご存知(知らない?)PAC(ヨーロッパ共通農業政策)の農地面積申告の締め切りが5月15日に迫り 書類の山に埋もれています。

うちは 超小規模農家だし,農地のほとんど全部が原っぱなので よそに比べるとシンプル とは言え,間違ったりすると大変なので やっぱり慎重になります。毎年5月15日必着の農地面積申告は ヨーロッパのありとあらゆる助成金のベースとなるもので まずこれを提出しないと何ももらえません。

これを記入するための取説が何十ページもあって それを読むだけでもうんざりなのに 同じ5月15日必着の 有機・無農薬農業(AB)の年次申告や 肉用牛牝牛保留助成金申し込み書 とかもあって 私は完全に事務のおばさんになっています。(2008年所得税申告もあり。)

Jおじさんは せっかくのお天気なので 家のブロック積みに専念したいのですが このところ肉用牛牝牛保留助成金をめぐって大忙しです。その昔 アルモリカン牛がまちがって《乳牛》に分類されたため それがもらえなかったのですが 去年《肉用牛》に入れてもらったのに やっぱりだめ というスジの通らない話のせいです。この話は またの機会にします。

さて,こんな忙しい時に Jはどこからか ヨーロッパ共通農業政策で助成金をもらっている全員の名前とその金額が インターネットで公表されている というのを聞いてきました。ヨーロッパから農林漁業省に そういうお達しが出たそうです。そして,昨日の夜 その政府のサイトをのぞいて見ました。

なぜか《検索》のボタンが隠れていたりして 一時はあきらめそうになったのですが どうにか見つけて,使い方も良くわからないまま T村の名前と郵便番号をインプットすると 村の全農業従事者が載ったリストが出てきました。Jおじさんは 2008年にもらった金額が1300ユーロ と村では最低額でした。(本人は これで大きな顔ができる と大喜び。)

でも,Jおじさんの本当の目的は 他の人たちがもらった(もらっている)金額を見ることでした。Jが聞いたところによると 今、農村はどこも これが大きな話題になっているとか。と言うのは 中には信じられないほどの大金をもらっている人がいるからです。

T村は平地が少なく,牛,羊の畜産農家だけで、穀物に比べると助成金は低いのですが それでも かなりの額をもらっている人もあり 最高は37000ユーロでした。だからと言って その人たちを非難する権利などないのですが でも、ちょっと考えてみてください。

T村で助成金の額が多いのは 所有しているあるいは借りている土地の面積がものすごく広いから(100ヘクタール以上)で それだけの面積があったら 牛もかなりの数(100頭以上)飼えます。それだけでも かなりの資産です。そして、その牧場では 牛を売って月々の収入を得ているはずです。で,ヨーロッパは その人に 37000ユーロ すなわち月々3000ユーロのボーナスをあげるの?

今、こちらでフルタイムの最低賃金は 月1000ユーロちょっと(手取り)です。だから 数字だけを見ると 農業をするとぼろ儲けができる と思われてしまいます。

現実は 上記の人に37000ユーロあげないと 借金返済が大変で 経営困難になりかねないのだと思います。とすると・・・ ヨーロッパは もともとお金持ちになれる可能性を持っている人にお金をあげて その人がますますお金持ちになるのを助けているわけでしょうか。

それに比べると うんと小ちゃい農場で,助成金もミニマムで,汚染なしで、絶滅しそうになった牛を守るJおじさんは ヨーロッパにやさしいお百姓さん ってだれか言ってくれないかなぁ。

今日の私の『見たぞー』です。

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ベルナデットと同じくらい大きいだいご(もうすぐ14ヵ月)です。Jから聞いてはいたけれど・・・ (おしりがきたなくて ごめんなさい。)

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本当におっぱい飲んでるんですよ。マジで。
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