ボラン農場では 2004年から純粋アルモリカンだけを販売していますが 脂身だらけでお肉がない という例は 一度もありませんでした。きっと うちは粗食だからだろう と思っていました。
さて,今回の“だふね”が あっという間に完売したので 私たちの分もなく、このところ 去年から冷凍して取っておいた 脂身いっぱいのあばら肉でお料理をしています。
あばら肉は こちらでは 冬の家庭料理であるポトフに使うものです。業者さんのパックでは 骨を真ん中に赤身をぐるぐる巻き付けて ひもでくくってあり、そのままお鍋に入れれば良いだけです。
でも,それでは 薄切りにするのに不便なので 去年,R(C)-5という 脂肪過多の等級を付けられたアルフォンスのあばら肉を 骨を取ったままの状態で45キロももらいました。
焼き肉でもしようか とその解凍したお肉を 私が包丁で不器用に切っているのを見て Jおじさんがこう言いました。

『食べるとこのない肉 って多分このことや。』

牛肉の中で一番安いあばら肉だから そんなにびっくりするほどおいしいわけではないのですが これでけっこう日本風な味になります。
よく考えて見ると ボトフ用にくくられるのは赤身だけです。こんな サシが入ったのは見たことがありません。もしかしたら こんなのは いつも捨てられているのでは・・・
幸い、Jおじさんも これはおいしい と喜んで食べてくれるので 次回のお肉販売まで 肉不足にならずにすみそうです。
それにしても アルモリカンの脂肪太り能力は 大したものです。馬に草だけ食べさせると脂肪太りになる と言いますが,牛も同じみたいです。
最近、この近くでアルモリカンを飼っている人から アルモリカン×ベルジャン・ブルー(こちらではBBBと呼ばれ,ホルスタインの肉量を増やすためによく使われる)の3才の牝牛をお肉にした話を聞きました。
ベルジャン・ブルーのお肉は 量だけでおいしくない というのは有名です。ところが その牝牛は かなり脂肪が付いていて,お肉屋さんが時間をかけて ていねいに切ってくれたので 柔らかくて、それはそれはおいしいお肉になったそうです。
アルモリカンの能力って 何かありそうです。