ボラン農場の牛たち

アルモリカの小さな村からアルモリカンArmoricaine牛たちのお話をお届けします。

牛舎の大事件

昨日の夜も雪が降り続き、牛たちはまた牛舎にお泊まりでした。いくらなんでも、バランチーヌはもう産むはずだから、それも好都合でした。

夕暮れ時に急いでみんなを呼んで来て、牛舎につないだら、バランチーヌがいやに動き回ります。見た感じ、すぐに産みそうな気配はなかったけれど、Jおじさんは、バランチーヌをつながなくても良いように、お馬さんのリュチックとポポットのボックスに入れました。(お馬さんたちは、立ったままで寝るので、雪が積もっていても平気。)

Jおじさんは『今晩は、寝ずの番かな。』と言っていましたが、夜中の1時になっても何も起こらないので、『今のうちに寝ておこう。』ということになりました。

バランチーヌのうめき声らしきもので目を覚ましたのは私でした。子牛が生まれた後のあの《ムー、ムー》ではない鳴き声でした。時計を見ると3時を回っていました。急いで手当りしだいのものを羽織って牛舎に走って行くと、バランチーヌは、立ち上がってフーフー言っていました。そして、おしりから脚が二本・・・。

私はあわてて小屋に引き返し、Jおじさんをたたき起こしました。すると、『なんで、お産が始まったのがわかったん?』と・・・。そう、Jおじさんには、なにも聞こえていなかったのです。

Jおじさんが作業服に着替えている間、私は牛舎に戻って、さっき見た二本の脚が前足かどうか確認することにしました。ちょっと横を向いていたけれど、見えるのは確かに前足で、バランチーヌのうめき声と同時に、子牛の鼻先も見えました。逆子ではないので一安心ですが、バランチーヌがそれほど息まないのが、ちょっと心配でした。

万が一の時のためにロープを二本用意して見ていると、Jおじさんがやって来ました。私は、寒かったので、そこはおじさんに任せて、もっと温かい服に着替えるために小屋に戻りました。

小屋に入って、まずストーブの前で暖を取り、着替え始めていた時です。Jおじさんが来て、『生まれたで。子牛は生きてる。』と。なんや、作業服を着る必要もないわ とそのまま牛舎に子牛を見に行き、毋子とも何も異常がないので、朝までそっとして置くことにしました。じゃあ、私たちも朝まで一寝入り ということに・・・。

まだ、夜明け前のことでした。(と言っても8時ちょっと前。)牛舎の入り口に置いてあるバケツの音がするので、だれだろう と思ったら、Jおじさんが『きっと子牛が廊下に出たんや。外には出られへんから、気にすることない。』と。でも、それからしばらくして、またバケツの音がして、今度は牛数頭の叫び声が聞こえました。

鳴き方が普通ではなかったので、私は飛び起きて、大急ぎで牛舎に突進しました。すると、バランチーヌがいるはずのボックスの扉が全開で、空っぽでした。他の牛たちがいる方から騒々しい音と、叫び声が。見ると、バランチーヌがつながれた牛を攻撃しているのです。

これは一大事と、私はバランチーヌを追いかけて、いつもの席に行かせました。そして、乾草を食べ始めたスキにチェーンを手に取って、バランチーヌをつなぎました。バランチーヌは、気の強い牛で、マルキーズがいなければ、いつもみんなの先頭に立ちます。そして、私が近付くと角を振り回すので、私は触ったことがない牛です。でも、この時だけは、私の勢いに負けてくれました。

Cantine 101203jpg

バランチーヌを取り押さえ、さて、生まれたばかりの子牛は、いったいどこに行ったのか、探し始めました。ボックスはやっぱり空でした。

私:『ええーっ、子牛ちゃんどこ行ったんや~。』(廊下をうろうろしていた子牛に)『フリゼット、なんでこんなとこにおるん? 早よ、お母さんとこ行き。』
フリゼットは、お尻をたたいても動きませんでした。なんで、こんなにノロいの と思いながらお尻を押して、お母さんのところまで連れて行こうとすると・・・、ベルナデットの横にちゃんとフリゼットがいました。私がお尻を押している子牛ちゃんよりずっと大きい、本物のフリゼットが・・・。

私が押してる子牛ちゃんは、さっき生まれたばかりの子牛?! 背中の毛がフリゼットのようにもじゃもじゃだし、あまりにもしっかりした足取りで、まさか生まれて数時間の子牛とは夢にも思いませんでした。

騒ぎに目が覚めたJおじさんが作業服で駆けつけたのは、その時でした。(もう完全に遅すぎ。)

さて、バランチーヌ×すもうのかわいい子牛ちゃんは、女の子。あまり考え過ぎす、ファンタ と名付けました。ファンタスティックのファンタです。顔も性格もすもうそっくりで、おっぱいを飲むのも上手です。
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