
フリゼットは、まだ3ヵ月半だけど、もう牛舎に席があって、お隣のおばさん(マルキーズ)に餌(乾草)を盗み食いされても、じっとがまんの子をしています。このごろは、怖いものなしの小さい子たちといっしょに、Jおじさんと遊ぶ(遊んであげる?)ようになりました。
フリゼットは、見た感じ通り、静かでおっとりした子です。お母さんのベルナデットも穏やかな性格で扱いやすい牛だし、お父さんがあの《ものぐさボラン君》と言うと、納得いただけるでしょう。
ところが、お父さんがボラン君 は私のミスです。ベルナデットに種付けした時、私は母系ばかりに気を取られて、ついベルナデットもボラン君も、お父さんがラシーヌなのを忘れてしまいました。去年、3ヵ月になる前に急死したエバンのこともあるし、もうどうしようもないアホなことをして、ちょっと怖かったのですが、今のところフリゼットは元気です。
フリゼットの兄、エリオットもまた、ベルナデットに良く似たくるくる巻き毛牛です。

お父さんはすもうで、同じ家系だけれど、まあそれほど近すぎない関係です。だから、巻き毛の子を狙うには、ベルナデット×すもうが正解なのです。
このくるくる巻き毛牛を、フランスの牛を良く知っている人に見せると、きっと《サレルス》と言うでしょう。遥か遠い中央山塊(だったと思う)に昔からいるサレルスとアルモリカンは、何の関係もありません。なのに、こんなにそっくりなのは???
ボラン農場のアルモリカンに、どこからこんな遺伝子が入って来たのかは、今なお謎のままです。くるくる巻き毛姉妹、バルダとベルナデットのお母さん、たまは、あれから一頭も巻き毛の子牛を産んでいないそうです。じゃあ、バルダ、ベルナデットのお父さん、ラシーヌ? でも、アーニカも、ボランも、ベラも、ラシーヌの子なのに、巻き毛ではないし、フリゼット以外巻き毛の子が生まれたこともありません。
ボラン農場のくるくる巻き毛第一号は、バルダでした。せっかく秘蔵のラシーヌをもらって生まれた子なのに、アルモリカンには似ても似つかない とお肉になりました。ところが、そのお肉がたいそうおいしくて、歩留りも記録的に良かったので、それ以来、私たちはくるくる巻き毛を追求するように。
このタイプの牛の特徴は、巻き毛だけではなくて、性格が良いこと。おまけに、みんな丸いおしりをしています。牛飼いにとって、本当にありがたい牛です。おしりの肉付きが良いと、赤身のお肉がたくさん取れるのですが、決して肉牛特有のパサパサしたお肉ではありません。あくまでも、アルモリカン特有のしっとりしたお肉です。これなら、脂身だらけでサシがびっしり入ったお肉が苦手なお客さんも大満足です。
これからベルナデットにどんどん巻き毛の子を産んでもらって、ボラン農場の牛全員がくるくる巻き毛に!?

『これは羊ではありません。牛です。』って注意書きが必要になるでしょうか。
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