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ボラン農場の牛たち

アルモリカの小さな村からアルモリカンArmoricaine牛たちのお話をお届けします。

ビタミンのご帰還

ビタミンというのは 2週間前までうちにいた2才9ヵ月の牝牛です。どこも異常はないのにどうしても種が付かず お肉にすることにしました。(こういうの私としたら内心複雑なのですが。種が付かないのは食べる。じゃあ、私は。。。)それで昨日は 真空包装され,15個の箱に詰められたビタミンがうちに戻って来ました。こういう場合『あぁビタミンちゃん,変わり果てた姿になって。。。』とか思うべきなのでしょうが、一見かわいかったビタミンは 自分より小さい子たちには意地悪だったので 私たちはこの方が好きです。
お肉の詰合せ

ビタミンの場合,枝肉で271キロ,歩留りが56パーセント(あまり良くない)、152キロのお肉ができました。そして,全部の部位を公平に15分の一にして約10キロずつ箱詰めにしたのを 私たちが直接販売するのです。だから,昨日も今日もお肉を取りに来てくださるお客様がひっきりなしです。せっかく来てくださるのに,まともなおもてなしができなくて申し訳ないのですが。まだ,家が建たなくて 仮住まいなもので。(家ができたら,最高級のおもてなしをと思っています。)
今日はビタミンがトラックに乗せられて行った時のことをお話ししたいと思います。(この話がしたくてうずうずしていました。)

ビタミンはこの日 他の母牛たちや去勢牛たちといっしょに 借りているよその農場にいました。- “よその農場”ではおもしろくないので《羊飼いのジョンさんち》とします。いつもそこは去勢牛だけなのですが,この秋 ボラン農場の草が足りなくなったので,まだまだたくさん草のあったジョンさんちに母牛たちを連れて行ったのです。子牛たちは もう大きくなっていたので離乳させるためボラン農場に残しました。
さて,トラックが夕方5時に来る予定だったので,早めにビタミンを出荷用の柵に入れました。トラックは 前の家で牛を乗せるのに手間取った(人を見たことがない牛で大変なパニックになった)ため30分ほど遅れて着きました。その時,もう日が暮れかけていました。あとは絵で説明します。
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その時は もうほとんど暗くなっていたので よその牛が柵に突っ込む度に電気の火花が飛び散るのが見えました。いくら追いかけても柵を壊して逃げてしまうだけなので,今日はもうやめようということになりました。トラックの運転手さんは明日の午後来ると言って,トラックの中でおとなしくしていた子牛を大急ぎて屠殺場に連れて行きました。残されたJは 牛たち(うちのとよその)がジョンさんちから出て行って,まわりの森に逃げてしまわないように柵の修理を始めました。

さあ,ボラン農場始まって以来の大問題です。人間に慣れていない野生の牛をうちの牛と分けて,トラックに乗せるなんて できっこないです。電気が通っていても柵を壊してしまう手ごわい相手ですから。じゃあ,鉄砲で麻酔をかけて眠らせて、トラクターで運ぶとか、その晩はいろいろ考えて眠れないほどでした。
この続きはまた明日。(長くなってしまうので。)

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コメント

おいしかったです。

ビタミンちゃん、おいしかったです。
これはビタミンちゃんっていう牛さんだったんよっていうと、
ちょっと家族にひかれました。v-12

  • 2006/12/27(水) 21:32:09 |
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