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ボラン農場の牛たち

アルモリカの小さな村からアルモリカンArmoricaine牛たちのお話をお届けします。

ちょっと、速すぎるよ

夕方、4時ちょっと前に、納屋の窓に透明なプラスチックの板をはめる工事をしていたJおじさんが『マルキーズが泣いてるで。』と私に言いました。(Jおじさんも私も、泣き声でだれかわかる。)

牛のこととなると、いつもすっ飛んで行くのは私。それも、マルキーズとなると、なおさらです。

あわてて飛んで行ったけれど、マルキーズは、べつにお産が始まったわけでもなさそうでした。でも、いやに落ち着きがなく、まるで自分の子を探しているようなしぐさで、そばにいたガラの匂いを嗅いだり、時々泣き声を上げたり、尋常ではないのは確かでした。

まさか、子牛を産んだけどどこかに落としちゃった なんてことはないよね ともう一度良く見てみたけれど、子牛の姿はどこにも見えないし、マルキーズのおしりも、出産後のように汚れていませんでした。

だけど、叫び続けるマルキーズ。陣痛が始まって苦しんでるのに、お産が一向に進まないのでは と心配になって来ました。今まで、マルキーズが子牛を産むところは一度も見たことがない と言いましたが、大声で泣くのも聞いたことがありませんでしたから。

この分だと、今晩もずっと苦しんで、獣医さんを呼ぶことになるかも知れないので、とにかく、マルキーズが歩けるうちに牛舎に入れよう とその準備に家に戻りました。

あと一時間もすれば暗くなり始めるし、急いで牛舎の準備をし、Jおじさんに、できるだけ早くマルキーズ移動の手伝いに来てくれるよう頼んで、また、牛たちのいる放牧地に飛んで行きました。

マルキーズの泣き叫ぶ頻度が少なくなったかな と思いながらどんどん進んで行くと・・・、これ!

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さっきからほんの15分ほどで戻って来たつもりです。その間に・・・!? それに、あんなに大声を上げて心配させておきながら、子牛は、子犬位の大きさしかない超小型で、あきれてしまいました。

子牛は、小さいながらも驚くほど元気で、私がカメラを取りにまた家に帰り、Jおじさんといっしょに戻って来た時には、もう立ち上がっていました。

そして、生まれて一時間もしないのに、子牛は、お母さんの後をついて、北の放牧地から牛舎までの数百メートルをしっかり歩いて来たのです。

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(マルキーズ毋子といっしょに来たがった一年生たち。)

絶対におっぱいを飲むぞ と心に決めた子牛は、牛舎に来てからも一時も休まずトライしていました。9時頃に、Jおじさんの助けを借りてやっと成功し、満足してお母さんの足元に寝そべった子牛ちゃん。ここまで元気な子牛は、今までに見たことがありません。
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