ボラン農場の牛たち

アルモリカの小さな村からアルモリカンArmoricaine牛たちのお話をお届けします。

零細農家であること

PM paysage

夏の初めはカラカラお天気で草も枯れかけたけど、今週は雨。乾草ロールもお道具も全部納屋に入れたので、はい、どうぞ好きなだけ降ってくださ〜い。

タイトルに《スモールファーマー》を考えたけれど、人によって、この《スモール》の定義がまちまちで、私たちとは違うと思っている人たちといっしょにされるのはイヤなので、《零細農》という言葉を選びました。ボラン農場では、農地はたった25ヘクタールしかなく、牛もそんなにたくさんの頭数は飼えず、私が翻訳の内職をして生計を支えているので、当たっていると思います。

ボラン農場には草しか生えませんから、冬のために、草を刈り、それを乾燥させてまとめたのを、業者さんにロールにしてもらいます。その業者さんのトラクターや機械が年々大型化し、もうこれ以上大きくなったらうちには入れなくて、頼めなくなります。(小さいサイズのロールベーラーを買うしかない?)

ヨーロッパの農業政策は、大規模優秀農業を推進するためのものであって、零細農がもらえる助成金が減りました。今年から、肉牛の助成金は、24ヵ月以上の経産牛を常に10頭以上飼っていないと、もらえなくなりました。もともと、純粋の乳牛(?!)と誤解されていたアルモリカン牛は対象外で、私たちは今まで助成金なしでやってきたので、どうってことはないのですが・・・。

フランスの農業も、つい最近まで、家族でやっていたものです。それが、農業の近代化で、大規模農家でないと生き残れない、と脅され、周囲の零細農家を買い取って農地をどんどん拡大して来た結果が、今のフランスの農業です。

ヨーロッパ農業政策推進のために農家に配る助成金の基本部分は、1ヘクタールに付きなんぼ、ですから、土地は広ければ広いほど金額も多いです。そのために、土地の取り合いのようなことも起りました。おかげで、新規就農希望者は、土地が見つからない、という事態もありました。

この夏のはじめごろから、乳牛、肉牛、豚などの畜産農家が、今の肉や牛乳の相場では生きて行けない、と大規模な抗議を始めました。組合がコーディネートする抗議アクションとか言って、あちこちで主要道路を占拠して、みんなに多大な迷惑をかけました。(この近くでもあって、びっくり!)

写真でその様子を見ると、倒産寸前の農家の人達が、みんな最新式の大型トラクターに乗っていて、笑えました。Jおじさんが、その最新式大型トラクターの値段を教えてくれましたが、びっくりするほど高額、としか覚えていません。

農家の人達はみんな、組合や農業機関や公認会計士の言うことをしっかり聞いて、模範的な農業経営をして来たのに、畜産製品の相場が安過ぎて利益が出ない。なんで自分たちはこんな目に遭わないといけないのか、と怒ってはります。

政府は、大臣を交渉に行かせたり、農家の人達をいっしょうけんめいなだめようとしましたが、実際に豚肉を買って加工する大手企業が、そんな高いもんは買わへん、とセリをボイコットしたり、もめ続けてます。

フランスの消費者が、いくら安いからってよその国で生産したものは買わないで、フランス産のものをすすんで買ってくれたら自分たちの儲けが増える、とゆうてはりますが・・・。

こんなこと大きな声では言えないのですが、ごく普通にスーパーとかで売っているフランス産の牛肉も豚肉もまずいです。だいたい、大量生産した食品で、おいしいものなんてあります?

零細農家は、はじめに書いたように、いろんな方面から『早くやめて土地を譲ってよ』といじめられ、肩身のせまい思いをさせられていますが、おいしいものを作るのは得意です。自分で作ったものは、自分で食べますから、おいしくないと絶対にイヤです。助成金がもらえないアルモリカン牛でも、うちにはこれが最高!と思うと、アホと言われようが飼い続け、もっと良くしよう、と工夫します。

零細農家もそれなりの役割があり、そこに《いる》だけでも大きな意味がある、と思いませんか。
世界中の《スモールファーマー》が団結したら、どんなアクションを起こすか?
きっと、みんなが幸せになることをすると思います。
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