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ボラン農場の牛たち

アルモリカの小さな村からアルモリカンArmoricaine牛たちのお話をお届けします。

となりのリムザン



いなりが出発した日から、北の放牧地に移動した牛たち。こんな感じで、の〜んびり、だったけれど、もうそろそろ飽きたみたいだから、移動させようか、と外に出たところでした。

牛たちの、非常事態発生時の叫び声が。

大急ぎで飛んで行ったのは、私とオスカル。数日前から腰痛のJおじさんは『なんかあったら駆け付けるから、見に行って。』と。

牛たちのいる北の牧区は、これから牛を入れるつもりだった傾斜地上の道の先です。あと10メートルで到着、という地点から放牧地をのぞくと・・・・、

ジゼルの横に、うんと背の高い黄色い牛が。

おとなりのリムザンに違いありません。あの背の高さだと、オス。肉付きからすると去勢のようだけど、もしも種牛だったら攻撃されるので、迷わずUターン。

Jおじさんに報告して、おとなり(とは言っても、家は遥か遠くで、農地が隣接しているだけ)のLさんに来てもらうしかありません。

数日前にも、私たちが知らない間に、誰もいない南側の放牧地におとなりの去勢の群れが侵入した、とLさんからのお詫びの電話があったばかりです。

とにかく、いったい何頭侵入して来たのか、Jおじさんが確認に行っている間、私は、うちの牛たちだけ牛舎側の牧区に移動させようと、放牧地を横切って走ると、牛たちはもう向うの牧区の柵の前で全員集合して待ってました。

あとは、柵を開けるだけ。侵入して来た去勢牛(種牛ではなかった)がみんなに付いて来ないよう、Jおじさんが威嚇して、うちの牛たちは無事避難し、おいしそうな草を夢中になって食べ始めました。

そうこうしている間に、おとなりのLさんと、もう一人、同じ村のJさんがどこからか出て来ました。去勢が一頭いなくなったのがわかっていたのでしょう。(後で聞いたところによると、去勢の群れが、今度は、道路に出て、そこにJさんが通りかかり、Lさんに通報し、二人でLさんの牛舎に入れようとしたけれど、一頭だけボラン農場に侵入。)

そのリムジン去勢牛を、Lさんがすぐ隣の自分ちの放牧地に入れようと、しばらくの間、呼んだり、犬に追いかけさせたり、いろいろやってみたのですが、牛さんは、Lさんから逃げるばかり。とうとう、電牧を突っ切って、私がさっき走って来た傾斜地上の道を家に向かって突進し、家の前を通過(私が目撃)し、並木道から出て行ってしまいました。

こうなったらもうどうしようもない、とそこで捜査は簡単に打ち切られてしまいました。えっ、牛が一頭道路を走ってるのに、いいの?と思われるでしょう。そのうち自主的に家に戻って来るだろうから、いいんだそうです。

ふと、Lさんを見ると、バケツを持っていました。そう言えば、Lさんが牛を呼ぶときは、いつも穀物が入ったバケツを持っています。おいしいもので釣ろう、と言うことでしょう。

でも、うちの牛たちにその手は使えません。バケツは水を入れるもので、穀物など食べさせてもらえたことがあるのは、マルキーズだけです。牛たちにとっておいしいものは、野草か、牛舎で食べる乾草ですから。

事件の後、牛たちを予定していた傾斜地に移動させました。せっかく新鮮でおいしい草を食べていたのに、私が命令すると、マルキーズを先頭に、文句も言わず、みんなJおじさんに向かって歩いて行きました。

牛を飼っていて、これほど楽しいことはありません。
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