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ボラン農場の牛たち

アルモリカの小さな村からアルモリカンArmoricaine牛たちのお話をお届けします。

片目のももたろう


草に埋もれながら食べる子牛たち

牛たちはもうとっくの昔に南側の牧草地に移動しました。
私が翻訳や通訳の仕事であたふたしている間に、イノックスの販売、ジゼルの人工授精やり直し、急にお天気が良くなって乾草収穫開始、子牛3頭の去勢、ととんでもない忙しさでした。

いつもなら、子牛たちの顔をじっくり見ているのに、牛たちがちょうど家の近くにいたこともあって、遠くから様子を見るだけで済ませました。

大至急の翻訳の仕事を片付けた日、久しぶりに近くまで牛たちを見に行ったら・・・,

ももたろうの左目が閉じたままで、たまに開けると白いものが!

以前、子牛たちがかかったことがある角膜炎です。
ちょっと前から、ももたろうが左目をしょぼしょぼさせていたので、注意していたのですが、ちょっと良くなったから、と手抜きし過ぎでした。

すぐに、Jおじさんに薬を買ってきてもらい、治療のため、ももたろう/イッチー親子を牛舎に収容しました。
獣医さんの処方箋によると、塗り薬を1日に一回、となっていたけれど、薬の取扱説明書には、1日に二回、と書いてあったので、毎日二回、その度に牛舎横の小さい牧草地にいる親子を連れて来て、牛舎につないで、せっせと治療しました。

ところが・・・,

一週間経っても、ももたろうの左目はいっこうに良くならず、今日、Jおじさんは、前にもらってよく効いた別の塗り薬をもらいに、獣医さんまで行きました。

なんで、はじめからよく効く薬をもらわなかったの、と思うでしょう。
前によく効いた薬は、乳牛がよくかかる乳房炎の薬です。小さいチューブ1本あれば、子牛2~3頭の治療に充分でした。それほどよく効く薬で、一週間も塗り続ける必要はありませんでした。

それが、前は一個ずつ買えたのに、今は12個入りの梱包になって、バラでは売ってくれない!

1本あれば充分なのに、12本も買えばけっこうな値段だし、使用期限が一年で、1本か2本しか使わないのはわかりきっているので、当初、しょうがなく別の薬をもらって来たわけです。

その薬が全く効かなかったので、よく効く方をもらいに再び獣医さんに交渉に行ったJおじさん。
1時間後に手ぶらで戻ってきました。

どうしても、バラ売りはできないそうです。

かわいそうなももたろう。目が開けられなくて、開けても見えなくて、おまけに去勢されたあとが腫れて・・・。
もともとおとなしい子で、一週間もママといっしょに牛舎を出たり入ったり、一人前につながれたりして、せっかく立派な良い牛になりつつあるのに、左目が見えなくなったら本当に残念です。

鬼をやっつけに行った桃太郎さんが、もしも片目だったら、って想像して見てください。正義の味方のはずが、海賊かなんかの悪者に見えるじゃないですか。

片目のももたろうなんて、絶対に許せないので、Jは、ヤミで例の薬を手に入れる方法を検討しています。(乞うご期待。)
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