さて、今朝は、馬の爪切り屋さんに来てもらいました。ボラン農場のおんまさんたちは、蹄鉄を付けていないので、長く伸びた蹄を切ってもらうだけです。
Jおじさんが自分で手入れできる前足だけではなく、後ろ足も、となると、ちゃんとした枠が必要です。そして、その中に入るだけでも、慣れていない馬にしたらものすごい恐怖です。
いつもはおとなしい(どちらかと言うとぼぉーっとしてる)ごはんくん(1歳半)は大暴れ。けがをしないか心配になるほど抵抗してくれました。ごはんくんはまだ小さくて、軽いから、どうにか取り押さえられたけど、おかずくんは・・・、

意外とリラックスして、半分寝てます。獣医さんが怖くて、獣医さんの車が来ただけで、手をつけられないほど暴れる子だとは思えません。
多分1トンはあるだろう超大型馬に本気で暴れられたら、どうなっていたことでしょうか。(獣医さんは注射でおとなしくさせた。)来ていただいた爪切り屋さんは、輓馬専門なので、枠も特別丈夫にできているでしょうけど。
ブルトン種は、一般的におとなしく、調教しやすい馬です。中でも、おかずくんのように、自分で考えて行動できるかしこい子は貴重です。
ブルトン種を知り尽くしている爪切り屋さんだから、やっぱり、あのことが話に出ました。
今、人といっしょに仕事をするブルトン種の輓馬が、絶滅の危機にさらされています。
いえいえ、アルモリカン牛の時のように、頭数が激減しているのではありません。そうではなくて、生まれる子牛がほとんど全て肉用に買い占められているからです。おかげで、おかずくんが生まれた年は、子馬1頭600ユーロから買えたのが、ごはんくんの年は1000ユーロ、今年は、なんと1600ユーロに高騰しているとか。(比較のため : アルモリカン母牛1頭1300ユーロから。)
子馬を肉用に高く買い取ってもらえるのに、調教していっしょに仕事をしたい、という人にそれ以下で売ってくれるわけがありません。あんまり高いので、農作業用の馬が必要な人は、ブルトンはやめて大型のポニーで代替えしているそうです。
今までは、フランス国内の馬肉の消費が減り、繁殖用または調教用に売れ残った子馬だけが、安い値段で肉用に買い取られていました。言わば、輓馬や乗馬に向いていない子馬が淘汰されていたわけです。
ところが、数年前から子馬の値段がバカ高くなり、人と仕事をする資質のある馬が、生き残れなくなっています。その張本人が・・・、
日本人 !
と言われてますよ。その高い馬肉の行き先が日本だから。Jおじさんのように馬と仕事をするのが大好きな人たちから、日本人は悪者にされてます。
でも、本当の悪者は、子馬の高値のおかげで大儲けしている人たちであって、一般の日本人には関係のないことですよね。
私には、他人のビジネスをとやかく言う権利も何もありません。でも、《ボラン農場の牛たち》を読んでくださっている方々には、今、フランスのブルターニュ地方で、貴重なブルトン種の輓馬が危機に直面していることを、知っておいていただきたいのです。
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