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ボラン農場の牛たち

アルモリカの小さな村からアルモリカンArmoricaine牛たちのお話をお届けします。

電化生活

GC 20191012

家を建てる話はずっとしていませんでした。もうとっくに完成したのだろう、と思われている方も多いことでしょう。

いえ、まだ終ってません。

とにかく、Jおじさんがグズで忙しく、工事が予定通り進むわけはなく、この夏やっと電気工事が終了しました。

そのスイッチとコンセントの位置を決めるだけでも、何日もかかりました。なぜなら、我が家はワンルーム。洗面とシャワールーム以外は仕切りなし。どこを通ってそれぞれのコーナーに行くか、何回もシミュレーションして、やっと今の形になりました。

スイッチを押すと灯りが点くなんて画期的で、いまだに感激します。以前も電気はあったけど、電気メーターから直接引いてきた《コードにコンセント》式でしたから。

快適な電化生活で大満足、のはずだったけど、いくつか納得のいかないことも。これも長いこと原始生活をしてきたせいでしょうか。

まず、電気代がどれくらい増えるか心配。
これまで、ガスでお湯を沸かしてたから、ガス代が無くなる分で埋め合わせできるといいけど・・・。

それよりも気になってしょうがないのが、湯沸かし器。
お湯を温めて溜めておくタイプですが、

蛇口をひねって、お湯が出て来るまで、お水が下水に直行 ?!

手や顔は、お水で洗い始めてすすぎに温水、でがまんできるけど、シャワーなんて、お湯が来るまで水をたれ流し ?!

その無駄にしたお水の量を考えると、これってまずくないですか。飲料用にわざわざ処理したお水ですよ。世界中の人が毎日こんなことをして、どれだけの水が無駄になってるの ?

蛇口をひねると水もお湯も出て来るのがあたりまえになってるけど、今まで、水は汲み置きをして大事に使い、お湯はストーブまたはガスで沸かしていた原始人としては、すごく疑問に感じてしまいます。

電気湯沸かし器に関して、もう一点。
水は温まると膨張します。そのために安全装置が付いていて、そこから直接下水に水を逃がすようになっています。でも、うちではまだ排水管に繋げていないので、仮にバケツを置いてます。Jおじさんの実家では、お皿を置いてた、と言うことなので。もともと、安全装置に水を溜めておくカップのようなものが付いていて、それが溢れた時の受け皿です。

そのバケツの水、数日で1リットルぐらい溜まります。(うちだけ異常 ?)

快適な生活もしたいけど、環境には良くないことが多すぎないですか。今の技術で、なんでもっと無駄のないシステムを開発できないのか、と思います。

電気と言うと、家の真ん前に立ってるコンクリートの電信柱。確かに目障りです。でも、これも、その歴史を知ると見方が変わってきます。

戦後(第二次世界大戦のこと)の話ですが、開発が遅れていたブルターニュの電化が国の政策として進められ、こんな奥地でも各戸に電気が引かれました。当時、電力会社は国有でしたから。

ボラン農場には、直線で何百メートルも離れた隣の家から、谷を越えて電線が来ています。コンクリートの電柱を斜面に何本も立てて。

それだけの労力とお金をかけてやって来た電気です。ところが、当時のボラン農場の住人は、

電気なんかいらん ! と。

それ以来、電気は電柱で止まったままで、一度も使われることはありませんでした。

その数十年後、私たちがここにやって来て、初めての利用者になったわけです。電柱が設置されたのが、およそ私たちが生まれた年代で、私たちの(主にJおじさんの)お誕生のお祝いに用意しておいてくれた、と解釈することにしています。


上の写真、雨の合間に《大畑》に引っ越した牛たち。みんな黙々と草を食べるばかり。おんまさんたちはジョンさんち牧場だし、ほんとに静かなボラン農場です。
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