レンヌは大都市です。いなか者の私が車でうろうろしたら 他の人の迷惑になるし、車による大気汚染低減のため なるべく公共交通機関を使いましょう と言いながら 私みたいな運転嫌いが自家用車なんかに乗っていては いつまでたっても良くなるわけがありません。
一週間前に 電車やバスの時刻を調べた時から それがたやすいことではないのはわかっていました。週日さえ電車やバスの本数が少ないのに 日曜日となると 一日に一往復だけ とか 運休 とかが多いのです。車のない人は 日曜日は家にいるしかないんでしょうか。それでもめげずに ボラン君に会いたい一心で 朝早めに家を出るスケジュールを組みました。
駅に行くには ボラン農場の丘の下を通っているバスが夕方一本しかない(普通の日でも 一日に一往復)ので Jに送ってもらいました。そうしてレンヌに着いたのが11時頃でした。レンヌの駅にはたどり着いたけれど ボラン君のいるエコミュージアムは 街外れにあります。平日はバスが通っているけど 日曜日は運休なので メトロで近くまで行って後は歩こう というのが私のプランでした。ところが・・・
私は2泊3日で出かけたので 荷物を持っていました。エコミュージアムまで歩くには いくら転がるとは言っても足手まといです。それで 駅の手荷物預かり所に行ったら・・・閉まっていました。その近くに駅の案内所のようなところがあったので聞いたら 特に日曜日だから閉まっているのではなくて 爆弾騒ぎを避けるために 荷物は一切預からないよう 県からお達しが出ているのだそうです。この間 アンジェに行った時は駅で荷物を預けられたので 意外でした。(アンジェでは空港のように検査機があった。)
さあ どうしよう ということになったのですか、どちらにしろエコミュージアムが開くのは午後2時なので まずお昼ごはん ということにしました。食事にしても 日曜日なのでお休みのところが多くて(こんな大都市なのに)しょうがなく 一年中いつでも開いている世界的に有名な某ファーストフードのお店に行ったのは省略します。
腹ごしらえがすむと元気も出てきます。まだ充分時間もあるので 荷物を持ったまま歩くことにして メトロに乗りに行きました。降りた駅は まわりが団地ばかりで もうほとんど郊外のようなところです。どちらの方向に歩けば良いのかバス停で確認したのに 100メートルほど行ったロータリーで エコミュージアムの標識がちょうど私が来た方向を指していました。それで また元に戻ると そこにはエコミュージアムだけ標示がなくて いったいどの方向なのかわからなくなってしまいました。ちょうどお昼ごはんの時間なので 歩いている人など見つかりません。(車ばかり。)
そうしているうちに お日様も照り始め 歩いてエコミュージアムまでたどり着ける自信がなくなってきました。でも、せっかくここまで来たのに 何が何でもボラン君に会いに行くんだ という堅い決意で・・・タクシーを呼びました。(だって、タクシーって高いんですよ。特に日曜日は。)
という数々の障害にもめげず 遥々やって来たエコミュージアムです。

この建物は博物館になっていて おもしろそうだったのですが 私は目的のボラン君を探しにまっすぐ牛舎へ。

牛舎には ブルターニュ地方種の毋子がいたのですが ボラン君の姿は見えません。よく考えてみると いなくてあたりまえなのです。ボラン君は去勢していないので 牝牛といっしょにすることはできません。そこに 牛たちの世話をしていたおじさんがいたので聞きました。
私『すみません。アルモリカン種の雄牛はどこでしょうか。』
おじさん『えぇー?』
私『あの、ボラン・・・』
おじさん『あぁ、ボランね。この後ろに回ったとこ。』
わー、うれしい。おじさん ちゃんと《ボラン》と言ってくれた。そう思いながらボラン君を探しに行きました。建物の後ろは放牧地になっていて その向こう側のフェンスの前に いた、いた。

呼んだのですが、見てるだけでちっとも来てくれません。ものぐさな子なので 寝ているのにわざわざ起きて 私の顔を見に来るようなことはしません。ずっと待っていたのですが、一度起き上がって草を食べただけで また寝そべってしまいました。

そうしているうちに あまり時間に余裕がなかったので ボラン君を近くで見ることができないまま バスに乗りに駅まで戻る時間になってしまいました。耳が下がってたとか ひとりぼっちでさびしそうとか ちょっと気になりましたが もともとのんびりした子だったので あれで普通なのだと思います。
今回は 時間がなくて本当に残念だったのですが エコミュージアムは ゆったりとしてとても良い所でした。子供連れがメインで 牛、馬、ロバ、羊、ヤギ、豚、鶏などの家畜を見たり、触ったり、馬車に乗せてもらったり 楽しそうでした。近場の方にはぜひお薦めします。(ねっ、ぺんぎんさん。)私も今度は Jといっしょにゆっくり博物館も見てみたいと思います。それに 今度は絶対にボラン君を近くで見るぞ。
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