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ボラン農場の牛たち

アルモリカの小さな村からアルモリカンArmoricaine牛たちのお話をお届けします。

雨やどり

191007

このところ雨ばかりのボラン農場です。夏の間あんなにお天気が良かったから、しっぺ返しが来てもしょうがないか。

長期お休みしていた間も、いろんなことがありました。

まず、ピコリンちゃん
下痢が続いて(今も時々・・・)この子は大きくなれるんだろうか、と心配したれけど、あれから積極的に他の子牛たちと付き合うようになり、みんなの先頭に立って走り回ったり、今ではごくふつうの子牛に。(身体はちっちゃいけど。)

ママ牛と一年生牛たちの種付け
一度に二頭発情したりして、効率良く全頭の人工授精を実施できました。一年生のクロシェットとみみちゃんは、先週の土曜日にしたばかりで、やり直しの可能性も。

マリオくん、パリのレストランに向けて出発
モツの配達でとんでもないトラブルが。(クロノ〇〇〇〇〇さん、やっぱり信頼できない?)枝肉の方は(別の運送屋さんで)今週レストランに到着の予定。

いちま姐さんとリリーの縁談キャンセル
ああ、今年の冬は平和〜、と安心してたら、お話がなかったことに。で、(Jおじさんはリリーを手放すべきかまだ迷ってるけど)この二頭余ってますので、ご希望の方はご連絡ください。

と、そんなこんなで、ボラン農場の牛たちは相変わらずのんびり元気にしています。雨の時は乾草がお好みのようで、ないとうるさく催促されます。

おいしそうに今年の乾草(本当は冬用)を食べる牛たち。ついでに雨やどり?

真夏再来とピコリンちゃん

Pico + Pepito 190723

そんなに暑過ぎず、たまに雨もほんのちょっと降る(草は枯れるけどね)ボラン農場の快適な夏、とか言ってるうちに、またまた猛暑が戻ってきました。

昨日は気温が30℃をはるかに超え、このところ調子の良かったピコリンちゃんもダウン。木陰で眠りこけたまま、みんなが隣の牧区に行ってしまっても動かず。

暑そうだったから、ホメオパシーのレメディーをお水に溶かしたのを飲ませて、その場に放置。あんまり暑かったんで、無理に炎天下歩かせない方がいい、と判断して。

そしたら、ご近所の方が、子牛が迷子になってる、と言いに来てくださいました。せっかくのご親切だから(しょうがなく)ピコリンちゃんを歩かせて、ママのところまで配達したけど、本人(本牛)もハアハア言うし、ほんとに暑かった。

ピコリンちゃん、(Bio)ヨーグルト療法が効いたのか、下痢は止まりました。(Jおじさんがその証拠写真を撮ったけど、ここには載せません。)

でも、そのヨーグルトを飲ませるのが、それはそれは大変でした。ミルクに混ぜたのを、ほんの100 ccも飲んでくれません。おいしくないのか、のたうちうち回って哺乳瓶を拒否。そのわりには逃げて行かないので、少しでも飲ませようと、取っ組み合いの根比べのようなものでした。

それを一日中やってるわけにはいかないので、ヨーグルトをバニラフレーバーのビフィズスに代えてみたら、

飲みました!

やっぱり、子牛でも味が付いてる方がいいんだわ。

下痢が治ってからは、ママのそばにいることが多くなったけど、それでもまだ、とんでもない場所に置き去りになってたり、油断できません。(ママ、しっかりしてね。)

昨日の夕方は、上の写真のように一番年の近い(ピコリンちゃんが生まれた時そばで見ていた)ペピートくんといっしょでした。これからは少しずつふつうの子牛らしくなってくるかな。

ちなみに、上の写真のピコリンちゃんを見て、Jおじさん、

『顔がマルキーズに似てる。』と。

ビコリンちゃんがひとりでも平気なのは、遺伝なのか?

乾草完了、お肉販売ほぼ完了、ピコリン下痢続く

Nuria + Pico 190700
(ヌリア&ピコリン)

朝晩はひんやり、昼間は暑く、ボラン農場の夏は続きます。

今年もお天気に恵まれ、余裕で乾草収穫が終了。あとは納屋に入れるだけ。Jおじさん、今年はあんまり量がない、とか言いながら、必要量以上のロールができました。(いったいどこに入れるんやろ?)

お肉の販売も、先週の週末からお客さまが続々と来られて、あと数箱を残すのみ。予約された方、消費期限までに取りに来てくださいね。(日本語で言うてわかる人ではないけど。)

終わらないのは、生まれたばかりのピコリンちゃんの下痢。正しくは白痢と呼ぶらしいですが。ピコリンちゃん、生まれてこのかた、まともなうんちをしたことがありません。

生まれて1週間以上牛舎に泊まっていたけれど、おしりが汚れなくなったので、みんながいる“大畑”に放したとたん、液体のうんちを発射。それでも元気そうだったので様子を見ることにすると、今度は行方不明に。

子牛はふつうママのそばを離れないのに、ピコリンちゃんは、疲れたらその場で寝てしまいます。すると、草に隠れて見えません。Jおじさんも動員して捜索し、やっと見つけて、ママのところに届けて、と何回やったことでしょう。“大畑”は2ヘクタール以上あります。

こんなことを毎日何度もやってられないので、全員を牛舎に一番近い放牧地に移動させることに。(こちらは1ヘクタール。)

移動中も斜面を元気に駆け上がったピコリンちゃん。ひとりでポツンと寝てることが多いけど、起こしてやるとふつうに元気です。

ところが数日前、寝たままうんちして、おしりから脚からうんちまみれ。きれいにしてやっても、また・・・、でとうとう獣医さんに診てもらうしかない、という事態に。でも、獣医さんに来てもらうと、また万能抗生物質を注射されるのがいやで、Jおじさんがお薬だけもらいに行った方がいいか、とか・・・。

ピコリンちゃんの白痢は、多分母乳をうまく消化できないから。それなら試しに、私たちが飲む一部脱脂したミルクにヨーグルト(どちらもBio)を混ぜて飲ませてみました。だいたい、すでにその時から元気で、効果があったのか、なかったのか・・・。その日はピコリンちゃん、ママにしっかりくっ付いてました。

ということで、ホメオパシー以外のお薬は飲ませないまま。まだ、ひとりでポツンと寝てたり、ママのあとを追いかけたり、おしりはきれい、と思ったら、液体のうんちを飛ばしてたり、一喜一憂の私たち。

ヌリアにもっとしっかりピコリンちゃんのめんどうを見て欲しいけど、新米ママだもんね。難しいか。

ピコリンちゃん、もう下痢

Nouria + Pico 1907

気温は20℃台で風もある、乾草日和が続くボラン農場です。(今日はなんか夕立になりそうな気配だけど。)

先日生まれた子牛ちゃん。Jおじさんの提案で“ピコリン”と命名。とってもかわいい名前、ということで。

そのピコリンちゃん、生後3日ですでに下痢。こんなに早く下痢した子は今までにいなかったので、私はパニック寸前。獣医さんに行ってお薬をもらって来るべきか、毎日迷ってます。

幸い、おっぱいもそこそこ飲むし、外に出すと飛び跳ねるし、ホメオパシーだけで大丈夫かな、と楽観してるそばで、液体のうんち。ぜんぜん良くなってません。

そんなこんなで、子牛は命令通りしっかりおっぱいを飲んでくれず、ヌリアママは苛立ち気味。

昨日なんて、あんまり飲みたがらないヌリアに水の入ったバケツをしつこく勧めたら、角でバケツをぶっ飛ばされました。ものすごいけんまくで。あのおっとりヌリアちゃんが・・・。

その前に、おっぱいの状態を確認しようと、いじくりまわしてたら、お尻を角で押されました。はじめはまんざらでもない様子でおとなしくしてたのに。硬いところがあったので触られると痛かったのかも。それで気が立ってた?

ママになったら、今までのようにボーッとしてられないもんね。自己主張のできる大人になった、ってことかな。

母は強し。私はぶっ飛ばされないように気をつけます。

ヌリアちゃん、ママに

Nouria + P 190701

数日前はあんなに暑かったのに、あっという間にごくふつうの気温に戻ったボラン農場です。今日の最高気温は19℃。Jおじさん、今朝はヒー◯◯ックなしでは寒かった、とか。

さて、昨日、あのおっとりヌリアちゃんが、めでたく女の子を産みました。

このところおっぱいがぐんと大きくなって、予定日より早く生まれそうかな、その方が子牛が大きくなり過ぎなくて良いけどな、とか思っていたところでした。

ヌリアちゃんが朝からしんどそうにしていたので、お昼前にもう一度見に行こう、と外に出たとたん、牛の叫び声が。

あわてて牛たちのいる“大畑”に駆け下りると、みんな放牧地入り口の水桶の周りに集まっていて、そこからちょっと離れたところにヌリアちゃんが。おしりから子牛の前足の爪が見えていて、立ったままいきんでます。

それから座って、もっといきむと子牛の舌が見えて、もっともっといきむと鼻が見えて、順調に進んでいるように見えたけど、ヌリアちゃんはその度に叫び声を上げます。初産なんで、ほんとに辛そう。

それに、子牛の舌が紫色で、足を触ったら冷たかったので、去年のルーシーを思い出し、すぐに納屋までロープを取りに走りました。Jおじさんは乾草獲りに行って留守。メッセージだけ送って、私だけでどうにかするつもりで、放牧地に駆け戻ると、

地面にベタベタに濡れた子牛が落ちてました。

母親は何をしてたのか、子牛からちょっと離れたところにいたので、ロープといっしょに持ってきたタオルで子牛を拭いていると、ヌリアはすぐに子牛のところに来て、一生懸命なめ始めました。

私は、物珍しそうに子牛を見にやって来るやじ牛を押し戻すだけ。

他の牛たちが、見物に飽きてよそに行き始めたので、とりあえず母子はそっとしておくことにしました。

夕方、ヌリアと子牛を牛舎に収容するため、Jおじさんとお迎えに。子牛は、生まれた直後はなかなか立てなくて、フラフラしていたし、寝てることが多かったので、遥か遠い牛舎まで歩けないかも、とJおじさんは抱いて連れて行くつもりでした。なにしろ、予定より10日も早く生まれた小さな子ですから。

あいかわらず放牧地に入り口近くに子牛と寝そべっていたヌリアちゃん。お迎えに来たのをすぐに理解してくれて、ためらわず歩き始めました。

すると、寝ていた子牛ちゃんも、立ち上がってママの後をせっせと追い始めました。

そうして、牛舎までの長い長い道程をママといっしょに走破した子牛ちゃん。小さいけれど元気な子です。

結局、牛舎まで歩けなかったのはペピートだけ。それも、あの時はもう少し近かったよね。

そのペピートくん、生まれたばかりの子牛ちゃんのそばを一時も離れようとしませんでした。ペピートくんのママも、他の牛たちも遠くに行ってしまったのに。

新しく子牛が生まれると必ず、それまで一番年下だった子が、仲良しになりに来ます。体の大きさには関係なく、一番歳の近い子です。子牛がどうやってそれを認識するんでしょうね。

まだ名前のない子牛ちゃんは、これから一週間ほどママと牛舎にご滞在です。

ベピートくん、子牛ちゃんがみんなに合流しに来る日を楽しみに待っててね。