ボラン農場の牛たち

アルモリカの小さな村からアルモリカンArmoricaine牛たちのお話をお届けします。

理想の家作り

Jおじさんは、もう何日も、いえもう何週間も、家の下水工事に取り組んでいます。現場で傾斜を確認したり、カタログを見たり、インターネットで調べたり、お店に行って値段をメモしたり、単に工事に必要なモノを揃えるだけで、信じられないほどの時間を費やしています。

家の裏側(納屋側)にあたる勝手口の前は、基礎工事の時の大きな穴が開いたままで、そこに雨どいから落ちた水が貯まって不便なので、早く雨水を回収できるようにしたいのです。家からの排水もこの裏側から出てるので、下水の配管もしてしまって、早くここを埋めよう、と言うことです。だから、浄化槽の設置はまだまだ先のことです。

その配管のやり方が悪くて、後で問題になってはいけないので、じっくり考えてから行動に移す必要はわかるけれど、Jおじさんの入念さ(遅さ)には感心してしまいます。

配管の複雑さと言うと、前ステップの薪ストーブの煙突は、私まで付き合わされて、ああでもない、こうでもない とやっぱり注文するまでに数週間かかってしまいました。

ストープの煙突は、火災防止のための規格があって、木などの可燃物から少なくとも8センチ離さないといけない、屋根のてっぺんより40センチ高くないといけないとか、決まりがあります。

うちのストープの予定位置からして、真っすぐ煙突を出すのは不可能で、15°か30 °の継ぎ手が必要でした。パイプは両端ともはめ込み式でサイズが決まっていて、どの長さのパイプの上と下に何度の継ぎ手を入れると、天井下も、屋根の上も規格通りの寸法の煙突になるか という問題は、まるでパズルのようなものでした。

図面を書いてみても、分度器がないから角度はだいたいだし、カタログの寸法を見ても、各パイプに継ぎ手を付けると実際の長さはどうなるのか、はっきりしないことだらけでした。

それで、私が描いた図を持って、このあたりでは一番大きいDIYのお店に行きました。そういうところに行けば、コンピューターでシミュレーションしてくれるやろ と思ったのに、販売店用の表で手計算なのを知ってがっかり。(結局、必要なモノの品番がわかったので、そのお店よりも300ユーロも安かった、近くの(窓やドアで)おなじみのお店で買った。)

そして、実際に煙突を立ててみて思ったのですが、こんなこと、自分の家だから、ちゃんと予定の位置に来るように工夫したけれど、プロに頼んでたら、ごくふつうに上から始めて、ストーブの位置が何センチもずれてしまって、『いや、奥さん、これはどうしてもここにしか付けられないんですよ。』とか言ってごまかされたことでしょう。

プロに工事をしてもらうと、屋根屋さんの時のように、あっと言う間に完成します。でもお金もいるし、それに自分で考えないと、ブルーの煙突のような標準外の発想は、出て来なかったと思います。

時間はかかっても、ああ、いったいいつになったら と絶望することがたびたびあっても、希望通りの家に住むには、自分たちで作るしかない というのが、私たちの意見(負け惜しみ)です。

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本文とは全く関係ない、マルキーズと、マルキーズのお気に入りの娘、ユーチカ。このごろマルキーズに顔が似てきました。

青い空にブルーの煙突

たかが煙突と言っても、意外に複雑で、パイプを注文するだけでも、その計算に何日もかかった という話は置いておいて、まずは写真をご覧ください。

本当は、煙突の取り付けは、屋根の上から始めるものなのですが、うちは、まず家の中から始めました。

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上の写真のブルーのパイプが、天井を突き抜けて部屋に出る部分です。屋根裏を通る部分と、外に出る部分は、断熱材が入っているので、径が大きくなっています。ストーブのパイプは、径の小さい方につなげます。

ここまで準備できたので、屋根の上は一日で終わるだろう と楽観していた火曜日。Jおじさんは、高いところが苦手なので、命綱も用意して、慎重に始めました。

まず、穴を開けるところのスレートを取除きます。

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次に、規格通りの穴を開けました。

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そこに煙突のベースを置きます。

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そこで屋根の上の煙突を乗っけて全体の中心を合わせ、ベースの位置決めをします。

ここで、ちょっと問題が。

このベースは、スレート板のラインに合わせて付けることになっているのに、ちょっとズレました。だから、ふつう、煙突は上から始めるものなんです。

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その日は、そこでストップしてしまいました。

翌日、そこはうまくごまかすしかない ということで、工事が再開しました。上から順に取り付けるのではなくて、下から来ているパイプに合わせないといけないので、位置決めが大変です。

ようやくベースを固定して、スレートを元のように戻すところで、Jおじさんは、また考え込んでしまいました。どんな順番で置いてあったか忘れたとか。

屋根の上でしばらく考えて、どうにかそれらしく収まりました。(夕方で、屋根のこちら側は陰になるので、写真はなし。)

ここで、雨になったので、一日お休みして、昨日は仕上げをしました。

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スカートをはかせ、お帽子をかぶせて出来上がり。結局、始めてから全部で一週間まるまるかかってしまいました。

南から見るとこんな感じです。

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この写真を見ていただければ、なぜストーブの位置にそんなにこだわったか、おわかりになると思います。

家の南面に窓が三つ並んでいて、この真ん中の窓の前に大きなテーブルを置き、その向うがわにストーブを置くようになっています。だから、ストーブがきっちりそのライン上に来ないとカッコ悪い ということなんです。

ところで、家は?

そうなんです。5月に窓とドアを全部入れ終わった時から、見た目は全く変わっていません。

じゃあ、あれから何してたの って? いえ、お金がなくて工事が止まっているのではなくて(まだ今のところは大丈夫)、注文して、それが来るのを待っていた物があるのです。

その前に、全く見えないけれど、まずここが変わりました。

軒下の壁に棒を渡して、

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ここを閉めてしまいました。

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これは、《雀隠し》とか呼ぶそうですが、私は、どちらかと言うと、ツバメ除けじゃないかと思います。これを屋根屋さんにやってもらうと、たいていプラスティック樹脂製の白っぽい板を張ってしまいます。うちは、コスト低減のため、Jおじさんがすることにしましたが、あくまでも歴史的建造物風なので、そこまで木です。

ここが閉まると、軒下から風が入って来なくなったので、家の中が暖かくなりました。夜になって外の気温がぐんと下がっても、家の中の温度は変わらないからです。これで、冬は安心ですが、夏に暑くなったらどうなるのでしょうか。Jおじさんによると、外が暑くても中は涼しい と言いますが、それは実際に暑くなった時に確認します。

そして、Jおじさんは、二三日前から、いよいよストーブの煙突を取り付けています。

まずストーブを選んで、6月に注文して、その納期が二ヵ月(もう来てるはずだけど、連絡なし)。ストーブが決まったので、その寸法に合わせた煙突を注文するまでに、何週間もかかって、(なぜ、そんなに時間がかかったの、次回ご説明します。)一ヵ月のはずだった煙突の納期が、一ヵ月半かかって という具合です。

Jおじさんも忙しいから、なかなか思うように行かなくて、いったいいつになったら新しい家に住めるか不安になりますが、それでも一歩ずつ進んでいます。

ちょっと家らしくなりました

まず、これをご覧ください。

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お肉のお客様をお迎えし始めた時には、南側の窓がやっと入ったところだったので、窓とドア全部入れるのに3週間はかかったでしょうか。工事中、窓が一つ入る毎に感動したけれど、こうしてでき上がったところを見ると、またいっそう感激です。

前に来た寸法間違いの窓に比べると、ずっとしっかりした造りで、仕上げの色も少し明るくて、良い感じです。今時、木製の窓を新築の家に入れる人なんかいないけれど、やっぱりうちには木がしっくりします。

ちゃんとメーカーさんの営業さんが寸法を採ってくれたから、今度はバッチリだった南側。

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でも、東側(正面)に移ると・・・・、窓が穴に入らない?! 窓の寸法を確認すると、注文通りできています。と言うことは、どうもあの営業さん、採寸ミスをしたようです。穴の高さが115,5センチ 。そこに高さ115,5センチの窓を入れるのは不可能です。幅は余裕を持たせてあるのに、縦方向は全くなし。営業さん、調子良過ぎました。

まさか、また作り直してもらうと3ヵ月だし、5ミリぐらいのことでうるさい と思われそうで、自分で修正するしかありません。こういう場合、大工さんなら、多分壁の穴を大きくするのでしょうが、うちは、壁の構造上、窓をはめる位置が決まっていて、そこを削ると空洞部分が出て来て大変なことになります。だから、どう考えても、窓枠を削るしかありません。

本当は、かんなをかけて少しずつ削るのがベストなのでしょうが、うちにはそんなものはなく、買いに行くと一日がかりになってしまうので、Jおじさんは、いろいろテストして、あるもので済ませました。それでも、縦も横もあまり余裕がないせいで、かなり苦労して、やっと今日完成しました。

家の中ができるだけ明るくなるように、ガラスの面積をできるだけ大きくした東側正面の窓。

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でも、あまり大きいと、横に開けた時じゃまになるので、上を開けて換気できるタイプにしました。このタイプは、ふつうの横にだけ開くのに比べると高かったけれど、この便利さが自慢です。

さあ、これで、雨が降っても、霧が出ても平気です。雨 と言えば、土曜日に雷雨があって、所によっては一時洪水になるほど降りました。私は、雷が鳴っても雨は降っていなかったので、油断して外出したら、まるで雪のように積もったあられの上をあわやスリップ という怖い目に遭いました。何週間もの晴天の後、今度はまとめて雨が降る というのがこちらのお天気です。

は~るよ来い、ま~どよ来い

窓の話をするのは気が重いのですが、心配してくださる方もいるので、知らん顔はできません。

全て幅が狭過ぎる窓に、棒を継ぎ足すなどという応急処置のようなことはしないで、ちゃんとした窓が欲しい という私たちの要求を聞いてもらえる望みはあまりありませんでした。

ただ寸法が合わないだけではなく、よく見るといやに粗末な窓で、Jおじさんはがっかりしていました。この程度の窓だったら、L○P○○○というお店に行けば、標準寸法なら在庫があるので、すぐに持ち帰ることもできたのです。それに大量生産だから、値段も安いし。

ずいぶん前の話だけど、うちの近くのお店でS○○○Cの製品を見せてもらって、品質に申し分ないし、全て寸法通り作ってくれる ということで、私たちはそれに決めていました。

Jおじさんが、(粗末な)窓を見ながら、『それにしても、なんで《S○○○C》の名前がどこにも書いてないんやろう?』梱包のラベルに、会社らしき名前と住所が書いてあったので、もしかしたらS○○○C社が忙しくて、外注に出した疑いが出て来ました。前に見せてもらったのより質が悪いのは、そのせいかも知れません。

そう言えば・・・・! 窓を受け取った時の書類には、注文書とは違う製品名が書いてあったのを思い出しました。その時は、S○○○C社が製品名を変えたんだろうぐらいに思ったのですが・・・。

運良くインターネットが動いていたので(一日に10分ほどしか動かない)、製品名からメーカーを検索すると・・・ええーっ、G○○○?! Jおじさんに言わせると L○P○○○レベルの会社です。そこのと知っていれば、はじめからL○P○○○で買っていました。

それじゃあ、サギにあったような物 とJおじさんは、お店からの連絡を待たずに、月曜日の朝、お店に乗り込んで行くことにしました。

乗り込んで行く、とは言っても、《幅を合わせるための棒を付け足す》という解決法から《希望したメーカーで作り直してもらう》に、そう簡単に持って行けるとは思いませんでした。きっと、言い合いになって、当局に訴えてやるとか脅して、けんかになって、ひどいことになるやろなぁ と予想していました。

ところが、なんのことはない、店長さんに事情を説明すると、あっさりJおじさんの要求を聞いてもらえました。でも、なぜG○○○社になってしまったか と言うと、S○○○C社の納期が長かったので、担当者が気を利かせて納期が短い(でも結局長くなった)G○○○社にしたそうです。

ということで、さっそくS○○○C社の営業さんがうちまで寸法を採りに来てくれました。S○○○C社だと、仕上げも、ドアや窓のノブも、全部選べて大満足です。もう、はじめからそうしてくれれば良かったのに・・・。

ただ一つ良くないのが納期です。今週発注して、でき上がるのが3月中旬。たかが窓とドアで工事は半年遅れてしまいました。さすが、気の長い私たちも、もううんざりです。

さて、引き続き毎日雨のボラン農場です。牛たちがもう一つ隣の牧区にも行けるようになったので、案内図を更新しました。今日の話題は、やっぱり窓です。

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営業さんの靴には、二人とも見とれてしまいました。Jおじさんは、こんな靴どこで売ってるんやろう とあきれていました。私たちきっと田舎者なんです。

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