ボラン農場の牛たち

山間の小さな村から 世にもまれな赤牛たちのお話をお届けします。

恐怖のベーラー登場

昨日の木曜日まで晴天 という天気予報が 西からの低気圧で雷雨の恐れ というのに変わってしまいました。なので 水曜日のうちに《大畑》の乾草をベールにすれば良かったのですが Jは まだ完全に乾いていないと判断しました。

今回の低気圧が通ってしまえば またすぐにお天気が良くなる見通しなので 雨が降ったとしても乾かしている時間がある ということで ベールにするのは一日延ばすことに決めました。

そして昨日、午前中に通り雨があったものの 午後には乾草もしっかり乾きました。ベーラーで取りやすいように乾草の畝を作る機械(兼かき回し機)は 前日にそのためのポジションに変えてあり いつでも出動できる状態でした。

ただ、午後も曇りがちで 雨の心配があるので 畝ができたらすぐにベールにしないといけません。ベールにしてしまうと 少しぐらい雨が降っても 濡れるのは外側だけなので そのまま乾かせばすみます。でも もしも畝になったところで雨に濡れてしまったら もう一度乾草を崩して かき回して乾かさないといけないので 手間がかかります。

というわけで Jは まず 外に出してあったベーラーの準備を始めました。新しいひものボビンを入れて ひもの道順を点検して ベーラーを納屋に移動した時です。

J:『頭が壊れた。』私は思わずJの頭を見ました。
いえ、そうじゃなくて ベーラーのトラクターに接続する《ヘッド》が壊れたそうです。(頭 でなくて良かった。)その部分が構造上壊れやすくなっていて すでに前の持ち主が溶接した痕があります。

ということで また修理です。このベーラーを《恐怖のベーラー》と呼ぶのは ひもを結ぶ機能の調整が難しく、ひもなしの乾草が ところてん(そんなのありましたよね?)みたいに 続けて何メートルも押されて出てくることがあるからです。その上にまたこんなことがあって いったいまともに乾草を収穫できるのか 不安になってきました。

修理箇所は Jの苦手な上昇する溶接です。何もなければ2時にはスタートできたのに、応急処置でちょっとボコボコの溶接ができた時は もう4時を回っていました。

空模様を気にしながら Jが急いで畝を作り終え、ベーラーをトラクターに付け 私も作業着に軍手で さあ、出陣 というところで もう6時前。

乾草のある《大畑》に入って、一本目の畝で まずベールの調整です。いつもなら きっちり四角になるまで 調整を変えていろいろやってみるのですが 今回は急いでいるので 四角に見えればOKにしました。

さあ、いよいよスタートです。

080725 4

ベーラーはこんな風に乾草を飲み込んで、

080725 3

こうやって 後ろからベールを落として行きます。

080725 2

私の役目は ちゃんとひもで縛ったベールが出てくるか確認することと トラクターが端まで行ってUターンする時 じゃまになるベールをどけることです。

幸い 雨も降りそうで降らなかった(かんかん照りでなくてかえって良かった)し、ベーラーもしっかり働いてくれて 失敗は2個しかありませんでした。まだ、正確には数えていませんが 約250個のベールができました。一個が10〜12キロ。これでだいたい3トン位の収穫だと思います。

さて、ロールベーラーなら ここで終わって、めでたしめでたし となるのですが この四角のベールは まだまだ作業が続きます。これから2個ずつ立てて行かないと 地面の湿気で痛んでしまいます。

080725 1

特に雨が予想される時は 置くところにも気を付けて 倒れないように注意します。そして ひもの結び目は 必ず外側の下。こうしておくと 雨が降った時 水滴はひもをたどって落ちて行き、結び目でベールから離れた外側に はじき飛ばされるそうです。(ほんとかなぁ?)

昨日は ベールを立て始めたところでお客さんがあって 中断したので 全部終了したのは9時過ぎでした。

予定では 今日の午前中ベールを乾かして 納屋に入れることになっていたのですが とうとう雨が降ってしまいました。乾くまでそのままにしておいて 乾いたらまた一仕事です。ロールなら トラクターのローダーであっと言う間に片付くのに、この四角のベールは全部手作業ですから。

その昔 ボラン農場の乾草はみんな四角のベールだった時、私の夏休みは みんなこれに費やされていました。夏休み以外の時は 会社にお休みをもらったこともありました。だからなおさら 恐怖のベーラー なのです。

ボラン農場の牧草収穫

おかげさまで晴天が続いています。これを見越して、Jは 土曜日の夕方8時ごろ(まだ暗くない)から ポラン農場南側にある《大畑》の上の部分、約1ヘクタールの草を刈り始めました。

さて、その翌日 刈った草をかき回すのに トラクターでやってしまうか、馬でやるか悩んでしまいました。馬の農具はもう何年も使っていないので すぐに使えるわけではありませし、今週の金曜日は雨の予想なので ぐずぐずしてはいられません。だから トラクターにしようか と言いながら Jはとうとう農具を出してきました。

080722 2

ソメカという昔のメーカーのもので 草をかき回すのも、最後に畝を作るのも上手にできます。これにかじ棒を付けて 馬一頭で牽きます。

Jは 錆び付いて回らなくなったところに油を注したり、摩擦するところにグリスを塗ったりしました。歯がいくつか欠けているところは もう交換部品がないのでしょうがないとして 農具はいつでも作業ができる状態になりました。

ところが 馬具の修理をしないといけない箇所かあり それをしていると時間がかかってしまうので Jはあきらめて トラクターで作業することにしました。

トラクターに付けるかき回し兼畝作り機は かき回しが苦手なので そこを工夫して それぞれのアームに付いている二つの歯のうち 一つを取り外してやってみました。すると 期待していた通り 草がうまく飛び散ることがわかりました。

そうして 牧草はしっかり乾いて来ているので 明日も今日のように良いお天気だと もうベールにできるかも知れません。今回は そういう申し分のない牧草収穫なのですが、Jは納屋を通る度に 農具をいじっています。使いたくてしょうがないんです。

お馬さんたちもJと作業をするのが大好きで もっともっと馬の出番を増やしたいのですが 急いでいる時は ついトラクターに頼ってしまいます。夢は 馬で全部の農作業をすることですが もうトラクターが出回るようになってからは 馬で牽く農具の開発が終わってしまったので 馬でできる事は限られています。

でも、でも、もしかして、石油がなくなって 今あるエンジンが使えなくなったら 動物に牽かせる農具の研究が始まるかなぁ。なんて ボーッと考えています。慣れない暑さのせいでしょうか。

Carte 080722

だふねは かなとそっくりの成長ぶりです。まだ 他の牛たちといっしょにしないのは だふねの教育のためなのですが マルキーズの英才教育に対抗して 私たちはスパルタ教育で行くことに決めました。

夏のスタート(だと良いけど)

今朝も ほんの少しだけど霧雨が降り ストープを点けるほど寒かったのですが 午後からは 水色の空に白い雲がぷかぷか浮ぶ ゴキゲンなお天気になりました。天気予報によるとこれからはお天気も良く、気温も上がりそうです。

お天気が良くなるとまわりの風景もいっそう引き立ちます。もう収穫が始まった黄色の麦や雑穀や、緑のデントコーンがパッチワークに見えます。私たち、一年中こんな風光明媚なところにいるんだから バカンスに出かける必要ないよねぇ。バカンスは 働く人のため。なんて思いながら 買い物から戻ってきました。

昨日は 6月の末に収穫した乾草ロールを 納屋に入れました。ロールのしてから雨に濡れたので 外側が少し黒ずんでしまいまったけど 中は大丈夫。全部で70個以上あるので これでこの冬は安心です。これから収穫する乾草は みんな売るつもりです。



牛たちがそれまでいた所は まだけっこう草が残っていたので そんなに飢えていたとは思いませんでした。親も子も関係なく 我先に新しい放牧地になだれ込んだ牛たち。放牧地の真ん中までダッシュして 一斉に草を食べ始めました。今年も 雨が適当に降ったおかげで 牧草の夏枯れはありません。牛たちは草がたっぷり食べられて し・あ・わ・せ。

引っ越し魔ママ

だふねが生まれた時、ちょっと話に出た子猫ちゃんたちの話です。
気を付けていたつもりだったのに カネルのお腹が日に日に大きくなり、とうとう6月の末に牛舎の餌箱の中で 子猫を2匹産みました。

こういう時、猫なんかあり余っているこのあたりでは《子猫ちゃんたち、川にはまって溺れちゃったの。かわいそうねぇ。》っていうことが多いのですが(どこの川? とは聞かない)、いくらなんでも それはできません。生まれてしまったのは私たちの責任だし、ちょうどカネルの連れ子、野良猫ガメルが失踪したっきりなので 代わりに一匹なら飼っても良い というJからのお許しをもらいました。

その後すぐに ベルナデットの人工授精があったので 子猫たちは牛舎の餌箱から 厩の木製の餌箱に引っ越してもらいました。この高さなら りんりんにじゃまされる心配もありません。

080716 3

ところが だふねが生まれてあたふたしていた日 カネルが子猫をくわえて引っ越しを始めたのです。私が子猫をいじくりまわすのがイヤで? と思ったのですが、そう言えば 夜中に 猫がけんかしている声を聞いたような・・・ ガメルが戻ってきたとしても けんかになるはずはないので 多分よその猫だったのでしょう。とにかく カネルは ここにいては危険 と感じたようです。

この続きはあんまりおかしくて ちゃんとしたお話にしようと取ってあります。それで今は 子猫ちゃんたちは 私たちが昔住んでいたトレーラーハウスの中にいます。もう目が開いて、いっそうかわいくなりました。

こっちはデカねこ
080716 2

こっちはチビねこ
080716 1

猫のことはよくわからないのですが、三毛猫はメスですよね。としたら デカねこちゃんもチビねこちゃんと造りがいっしょだから どちらもメスのようです。うちではこのうちの一匹しか飼えないので、もう少し大きくなったら 一匹誰かにもらってもらわないと。(どちらかいりません?)

ただ、Jによると 顔をよく見ようと まずデカねこちゃんを持ち上げたら ない歯をむき出して《シーッ》とやられたそうです。こんな猫はイヤ と今度はチビねこちゃんを持ち上げたら やっぱり同じだったそうです。私が抱いても何にも言わないのに。Jの人相ってそんなに悪いんかなぁ。

かなちゃん、ねぇ〜・・・

しばらく登場しなかったかなですが このところぐんと大きくなり 3ヵ月年上のベラに追いつきそうな勢いです。もう16ヵ月なるので どうしたものか と思っていた矢先 カリプソに追いかけられていたのを発見しました。このままにしておくと 良くないことが起こりそうです。

かと言って かなを牛舎に入れて人工授精をする気にもなれませんでした。かなは 牧柵の下をくぐって脱走するのが得意で、移動させる時 何かとトラブルを起すからです。その上かなは どうしても私たちになつかなくて 全くかわいげがありません。他の子たちが まためちゃめちゃかわいいので よけい目立つのですが・・・

そんなかなのことを Jは前から《56番》と呼んでいたのですが、冬の食堂が開いていた間に こんなことがあって以来 Jはかなのことを決定的に嫌うことになりました。

Cana Marq 1

Cana Marq 2

Cana Marq 3

Cana Marq 4

Jは はね返ったバケツがメガネに当たり 眼の周りが真っ赤に腫れました。翌日になると それが真っ黒に変わり どうしようもない人相になってしまいました。

あし癖の悪い牛はお肉 とは言っても そんな簡単に食べてしまうのも気が引けます。どうしたら良いか考えあぐねていると 昨日の朝 みよがものすごい叫び声をあげて発情しました。デラックスを産んでから42日。少し早めです。はじめは 次回にしよう と思ったのですが あまりにもすさまじい叫び方をするので とうとう授精師さんを呼びました。

それなら かなもついでに頼もうか と だめもとで試してみました。あまり あてにはしていなかったのですが 放牧地の出入り口でうろうろしていた みよとかなをいっしょにつかまえるのに成功しました。

かな(左)とみよ(5月の写真)
080713 1

心配していたわりには 暴れることもなく無事に人工授精ができたかなちゃん。希望者があれば売るつもりです。かわいくなくて気の毒だけど 安産の家系だからがまんしてもらいましょう。